2021/08/13
『つみたてNISAに興味を持ったけどどういう商品を選んでいいのかわからない…』という方も多いと思います。
「つみたてNISA」の対象商品だけでも130本以上もあります。おすすめのファンドがわかれば「つみたてNISA」のきっかけにしてもらうこともできます。
そこで、「つみたてNISA」の始め方について、はじめての方に向けてポイントをまとめてみたいと思います。
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「つみたてNISA」の始め方
積立投資をはじめるなら、2018年からスタートした「つみたてNISA」を活用して、非課税のメリットを味方につけたいところです。
「つみたてNISA」というのは、投資した利益にかかる税金が非課税になる仕組みです。
メリットは次のような点があります。
「つみたてNISA」のメリット
- 運用益が非課税
- 上限金額は年間40万円
- 非課税期間が20年と長い(一般NISAは5年)
- 金融庁が地雷商品を除去してくれている
- 少額から積立で資産形成ができる
年間40万円の枠で、20年と長期で運用ができます。通常の口座だと利益に対して20.315%の税金がかかりますが、「つみたてNISA」なら非課税です。
投資で得た利益が全部自分のものになります。NISAを利用しなければ税金がとられますので、非課税のメリットは大きいですので、利用しない手はありません。
「つみたてNISA」の最大の特徴は、コストの高い「地雷商品」を金融庁が除去してくれていることです。
投資がはじめての人は「変な商品を購入して損をしたくない」と思います。
その気持ち、私もよくわかります。変な商品を購入したくないですよね。
それなら、「つみたてNISA」です。金融庁が「地雷商品」を除去してくれていますので、投資がはじめての人にとっても商品選びで大きな間違いがありません。対象商品から選べばいいわけですので、利用しやすいと思います。
「つみたてNISA」をはじめるなら、次の3つを理解することがポイントです。
- ネット証券を利用する。
- 投資商品を決める。
- リスクを把握する。
具体的にみていきたいと思います。
ネット証券を利用する
「つみたてNISA」のラインアップは各社で異なります。店舗型の銀行では、わずか数本の投資信託しか選べないというところが多くなっていますので、幅広く商品を揃えている金融機関にしましょう。
「つみたてNISA」に対応する証券会社で、幅広く商品を揃えているのはこの2社です。
なかでも、楽天証券とSBI証券の2社なら、130本以上の「つみたてNISA」の対象商品を購入することができます。
楽天証券を利用するメリット
楽天証券は使い勝手に優れた証券会社です。ホームページの使い勝手もよく、インターフェイスのわかりやすさは楽天証券が優れています。
100円から利用できます。
楽天証券はスマホにも強いです。パソコンを使わなくても、スマホからの指示や買付もできます。
楽天証券の場合、日経新聞をスマホやパソコンで無料で読むことができます。その日の朝刊夕刊はもちろん、過去の記事も検索して読むこともできます。日経新聞が無料で読めるのは楽天証券のメリットです。
楽天証券で無料で日経新聞を読む方法については、別の記事を参考にしてください。
また、楽天証券は、2017年8月26日から「楽天スーパーポイント」で投資信託を購入できるようになりました。ポイントで投資信託が購入できるのも、楽天証券だけのメリットです。
商品ラインアップと使い勝手からすると、長期的にみて楽天証券にメリットがあります。
SBI証券を利用するメリット
SBI証券はネット証券最大手の人気の証券会社です。
低コストのインデックスファンドも揃っています。SBI証券なら確実に「つみたてNISA」の対象ファンドをラインアップに入れてくれます。「つみたてNISA」の商品も確実に揃えています。
利用したことがない人はご存じないかもしれませんが、ネット証券が便利です。スマホさえあれば、日本のどこからでも証券口座にアクセスが可能です。
この2社なら100円から投資ができますし、自動的に積立する仕組みを作ることができます。
「つみたてNISA」を利用するなら証券会社選びが重要です。各社の違いについてはリンク先でまとめていますので、参考にしてください。
「つみたてNISA」の投資商品を決める
「つみたてNISA」をきっかけに積立投資をはじめようとする方も多いと思います。
「つみたてNISA」を使った積立投資には、大きくわけて2つの方法があります。
1つは、バランス型や全世界株式の投資信託をメインに据える方法です。
バランス型投資信託などを活用するのは、シンプルに投資を続けるうえで合理的な方法です。バランス型投資信託であれば、リバランスなどを考える必要がなく、オートマ派の積立投資が可能になります。
もう1つは、個別のインデックスファンドを組み合わせる方法です。
私が実践しているのはこちらの方法です。先進国株式、新興国株式、日本株式の3つの資産を組み合わせれば、自分の好みの資産配分で全世界の株式に投資することができます。
1、2年に1回、資産配分を調整するリバランスが必要ですが、自分好みの資産配分にできるのは大きなメリットです。こちらはいわばマニュアル派の積立投資です。
「つみたてNISA」の投資先としては、低コストのものを選ぶようにしましょう。
信託報酬が低い商品を選ぶことが鉄則です。現在の水準であれば、信託報酬は0.2%前後のものを選ぶようにしたいところです。そして、着実に資産が増えているものがいいでしょう。
では、「つみたてNISA」のおすすめできるファンドの一例をご紹介したいと思います。
バランス型投資信託を活用する
オートマ派の積立投資をしたい人にとっては、バランス型投資信託が便利です。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等)
おすすめの商品のひとつは、8つの資産に低コストで分散投資できる「eMAXIS Slimバランス(8資産均等)」です。
信託報酬は0.14(税抜)と超低コストです。
これ1本で8つの資産に均等に分散投資してくれますので、リバランスも不要でほったらかしで資産形成ができます。
なお、名前が似ている「eMAXISバランス(8資産均等型)」という商品もありますが、こちらは従来からある同じコンセプトの手数料が高い商品です。「Slim」と書いてあるほうを選びましょう。
この他にもバランス型投資信託には複数候補があります。低コストのものを選ぶのが基本になります。
全世界株式の投資信託を活用する
全世界株式の投資信託も、1本で全世界の株式に投資できるので便利です。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド
全世界株式の投資信託で低コストなのは、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」です。
信託報酬は年0.21%(税抜)です。
バンガードのETFに投資することで、全世界(先進国・新興国)47カ国の株式市場、約8,000銘柄へ投資できます。
全世界株式であれば、複数のインデックスファンドを組み合わせる必要がなく、リバランスも不要です。
これ1本で投資を続けることができます。
インデックスファンドを組み合わせる
自分好みの資産配分にしたい人は、インデックスファンドを組み合わせることになります。いわばマニュアル派の積立投資です。
日本株式、先進国株式、新興国株式の3つの資産を組み合わせれば、自分の好きな配分で全世界に投資ができますし、より低コストで資産運用ができるというメリットもあります。
先進国株式クラスのインデックスファンドを例にすれば、次の2つが代表的な候補になります。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
先進国株式クラスの候補の1つは「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」です。
信託報酬は0.0965%(税抜き)です。マザーファンドが大きいことから、安定的な運用が期待できます。
低コストで先進国株式に投資したいなら第一候補です。
たわらノーロード先進国株式
先進国株式クラスのもう1つの候補は「たわらノーロード先進国株式」です。
信託報酬は0.0999%(税抜)です。「たわらノーロード先進国株式」はマザーファンドが大きいこともあり、実質コストが低く抑えられた良質な商品です。
安定的な運用がされていますので、長期運用に適しています。
上記以外にも良質なファンドがあります。商品選びは「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」の結果も参考にするといいと思います。
「8資産均等」+「先進国株式」の組み合わせも合理的
積立投資は、時間を味方につけることで、リスクを抑えながら投資の成果を期待する投資法です。重要なのは投資にかかるコストを減らすことと、長期で資産形成を考えることです。
商品選びで大事になるのは、低コストで安定的な運用が期待できる商品をきちんと選ぶことです。
楽天証券のiDeCoで「たわらノーロード先進国株式」というのは、いい選択だと思います。
「たわらノーロード先進国株式」は、先進国株式クラスに投資する代表的なインデックスファンドですし、実質コストも極めて低コストです。先進国株式クラスに投資するなら現時点では最有力のひとつだと思います。
そして、「つみたてNISA」では「eMAXIS Slimバランス(8資産均等)」を購入するというのも、リバランスなしでほったらかしで積立をしたいというニーズを満たしたいなら、いい商品だと思います。
山崎元さんはバランスファンドを「初心者向け」だと説明するのは適切ではないと、つみップ札幌でも話をされていましたが、この問題は、どのような積立投資をしたいか、というところに最終的にいきつく論点だと思っています。
たしかに、積立投資の王道は個別のインデックスファンドを組み合わせる方法ですが、リバランスなどの手間をかけないで積立投資をやりたいなら、個人的にはバランス型投資信託は「あり」だと思っています。
ちなみに、「8資産均等」のバランス型投資信託と個別のインデックスファンドを組み合わせる方法は、我らがアニキこと、虫とり小僧さんのアセットアロケーションと基本的に同じコンセプトです。
最近、日経電子版の記事に虫とり小僧さんが掲載されています。参考になると思いますのでぜひご覧ください。
リスクを把握する
どちらの方法でもいいと思いますが、「つみたてNISA」をきっかけに積立投資をはじめる方は、次の2つの点を確認したらいいと思います。
1つは、資産全体でリスクを把握することです。
たとえば、「たわらノーロード先進国株式」と「eMAXIS Slimバランス(8資産均等)」ということは、先進国株式に手厚いアセットアロケーションになります。
アセットアロケーションツールもありますので、下落相場でどれくらい下がる可能性があるか、把握しておくといいと思います。
もう1つは、無リスク資産の割合です。これからは下落相場も想定できます。生活防衛資金や無リスク資産を保有することが重要です。
私自身は投資にも慣れ、今はiDeCo、つみたてNISA、特定口座と3つの口座にまたがった資産運用になっていますが、これからスタートさせる方は、「つみたてNISA」1つで積立投資をスタートして、少しずつ慣れていくのがいいのではないでしょうか。
積立投資に慣れるまでは少額ではじめてみるのもいいと思います。私は当初月6,000円からはじめました。積立投資の「慣らし運転」は結構大事です。
大事なことは「続けること」
このように、「つみたてNISA」を使った投資は思いのほかかんたんです。
ネット証券で口座開設して、投資商品を選んで、リスクを把握するだけです。
ですが、「つみたてNISA」の最大のポイントは「続けること」です。
2017年のつみフェスでも話題になりましたが、大事なことは、「続けること、続けること、続けること」です。
「つみたてNISA」は20年を想定した「長い道のり」の制度です。20年もあれば下落相場は必ずきますので、生活防衛資金を準備して、どらくらいの下落がありうるのかを事前に想定しておくことが重要です。
準備があるかどうかで、見える景色が変わってきます。
また、「つみたてNISA」をはじめるなら証券会社選びも重要です。幅広い商品から選べる証券会社を利用するのがベストです。
長期の投資になりますので、少額で経験しながら積立投資の基本を理解していけるといいですね。
以上、「つみたてNISA」の始め方。投資をスタートするための3つのポイント…という話題でした。
参考リンク:
「つみたてNISA」を利用するなら証券会社選びも重要です。証券会社選びのポイントをまとめています。
投資のことは人に相談しなくても、自分で十分学ぶことができます。投資本も間違えないことが大切です。
投資を続けていくためには「積立投資の基本」を理解しておくことが大事だと思います。水瀬ケンイチさんの本はよくできています。