2021/08/13
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」の表彰式が開催されました。
私は残念ながら参戦は叶いませんでしたが、Twitterで内容と雰囲気を知ることができました。
これから積立投資をはじめてみたい人に読んでもらうことを意識しながら、その感想を書いてみたいと思います。
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投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」は、証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。
今回の「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」の結果がこちらです(カッコ内は2018、2017、2016の順位)。
第1位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(1←13←-)
第2位 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(2←2←1)
第3位 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(初登場)
第4位 楽天・全米株式インデックス・ファンド(4←3←-)
第5位 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)(5←5←-)
第6位 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(6←11←5)
第7位 Vanguard Total World Stock ETF(VT)(7←9←3)
第8位 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)(初登場)
第9位 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(9←1←-)
第10位 eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)(初登場)
10位のうち3本が初登場ということになります。
特徴的なのは、三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズが5本も入賞したことでしょう。
この1年で、三菱UFJ国際投信は個人投資家のニーズに合致したファンド設定で人気を集めてきました。ひとえにそうした個人投資家目線の経営が評価されているのだと思います。
以下、1位から3位について特徴をコメントしてみたいと思います。
第1位はeMAXIS Slim 先進国株式インデックス
第1位は、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」です。
66名の方が投票、177ポイントを獲得しました。
結果としては2位を大きく引き離しての1位ということになります。
先進国株式クラスで信託報酬0.1177%(税込)に設定し、超低コスト時代を切り拓いた功績が評価されたということでしょう。
2018年で印象に残ったのは、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」との争いです。
2018年6月29日に「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が信託報酬の引き下げを発表しました。そのわずか5日後に、信託報酬の引き下げで追随することをプレスリリースしたのは驚きました。
まさに「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」を体現するファンドとなっています。
実質コストも低く、運用も安定しているところも評価されています。
第2位 は「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」
第2位 はニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」です。
43名の方が投票、127ポイントを獲得しました。
2年連続で2位となります。3年連続1位で三連覇を遂げた後に、2年連続2位ですので、立派な2位だと思います。4年連続で信託報酬を引き下げたことが評価された形です。
2018年6月には、ライバルの「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の超えようと、ニッセイアセットマネジメントは、信託報酬を同率ではなく、税抜で0.0005%下回る設定をしました。
ライバルを乗り越えようとする心意気が印象的でした。支持者が多いのは、そういう心意気にあるのだと思います。
第3位は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
第3位は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
40名の方が投票、103ポイントを獲得しました。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、これ1本で日本を含む全世界の株式に時価総額比率で投資できる低コストのインデックスファンドです。
全世界株式のインデックスファンドはいくつかありますが、その多くはファンドオブファンズ形式で、海外ETFを買い付けるものでした。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、待望の「純国産」の「ファミリーファンド方式」の全世界株式インデックスファンドです。
これ1本で「世界」に投資できる商品として、注目のファンドが3位に入りました。全世界株式インデックスファンドが充実した1年を象徴した形となりました。
アクティブファンドにも頑張ってほしい
これまで「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」をみてきましたが、今年の順位をみながら印象に残ったのは、アクティブ運用の投資信託が10位以内に1本も入らなかったという点です。
例年、レオスキャピタルワークスの「ひふみ投信」や鎌倉投信の「結い2101」が上位に食い込んでいる状況でしたが、今年はいずれも10位以下と順位を落としました。
たしかに、最近のインデックスファンドの低コスト化と相場状況に押され気味なのかもしれませんが、アクティブファンドがあってこそのインデックスファンドです。
両者が活性化するような状況を期待したいと思った今回の「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」でした。
(注記:なお、6位の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」はつみたてNISAではアクティブ投信の分類であることをご指摘いただきました。ありがとうございます。同ファンドはインデックスファンドに限りなく近いと思いますが、つみたてNISAではアクティブ投信の分類になっています。)
アセットマネジメントOneの「たわらノーロード先進国株式」はランク外になってしまいましたね。これで終わってしまうと思うと残念ですが、顧客目線の動きが何もない1年を反映した結果となりました。
運営の皆様、レポートしてくれた皆様、ありがとうございました。参加していない私もすぐに結果と雰囲気を知ることができました。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」は、個人投資家による、個人投資家のための投資信託ランキングです。
20位までの投票結果や投票コメントは公式ホームページで見ることができます。
このランキングを参考に、「つみたてNISA」から資産形成をスタートできる方が増えるといいですね。
以上、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」結果発表!…という話題でした。
参考リンク:
当日の表彰式の様子は、すぱいくさんの速報記事で知ることができます。
各ファンドの特徴は、速報だった青井ノボルさんの記事が詳しいです。
昨年の結果はこちらです。楽天VTが鮮烈なデビューを飾ったのが2017年でした。
インデックスファンドの低コスト化が進んでいます。本当にいい時代になりました。
コメント
なるたくさん
こんばんは。今年も楽しくブログを読ませていただこうと思います。よろしくお願いします。
eMAXIS slimなかなか強力ですね。今後の運用成績に期待ですね。
さて、今回6位にランクインしたセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドですが、これはパッシブに近いアクティブファンドのようです。セゾン投信もそのように説明していますし、金融庁のつみたてNISA対象商品一覧の中でも、アクティブ投信等に分類されています。
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/24.pdf
まあそれでも、形式上の問題で、感覚としては限りなくインデックスファンドに近い気がします。
ご存知でしたら申し訳ありませんが、念のためコメントさせてもらいました。
by silvercatn 2019年1月16日 11:35 PM
silvercatnさん
コメントありがとうございます。遊びにきてもらって光栄です。こちらこそよろしくお願いします。
ご指摘ありがとうございます。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドがアクティブ投信に分類されているのは知っていました。インデックスファンドだとずっと思っていましたが、「つみたてNISA」の分類だとアクティブファンドの分類になるといった話だったかと記憶しています。
ちょっとよく意味がわからないと思ったまま、今にきています。笑
ご指摘いただいて、おかげさまでこのブログ記事の記述はやや不正確なのかも、と気づきました。
限りなくインデックスファンドだと思うというのは、私も同じ感覚なのですが、誤解を生むかもしれませんね。
ありがとうございます。少し補筆してみたいと思います。
なるたく
by loloinvestors 2019年1月17日 11:36 PM