2021/08/13
「iDeCo(イデコ)の金融機関がどこがいいのかよくわからない…」という方もいると思います。
そこで、今回はiDeCoのおすすめの金融機関を比較してみました。
iDeCoの金融機関を選ぶ際には、投資商品、手数料、使い勝手の3つで選ぶといいと思います。
興味を持ったタイミングでスタートするのが最善です。iDeCoの金融機関選びの参考になれば幸いです。
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iDeCoをはじめる3つのメリット
まず、iDeCoとは何なのか?という初歩の初歩から解説をはじめてみたいと思います。すでに知識がある…という方は読み飛ばしてもらってOKです。
iDeCoは「じぶんのための年金」
iDeCoというのは、かんたんにいえば、現役時代に積み立てをする「じぶんのための年金」のことです。
掛け金があらかじめ決まっていることから「確定拠出年金」と呼ばれています。
iDeCoは、公務員や専業主婦の人にも加入対象が広がり、基本的にすべての現役世代が加入できることになりました。
将来のための資産形成に使える仕組みがiDeCoになります。
iDeCoの3つのメリット
iDeCoは、長期で利用すれば、「ほぼ確実に儲かる」といわれています。
iDeCoのメリットは、大きく次の3つです。
- 掛金が全額所得控除の対象になる
- 運用中の利益が非課税になる
- 受け取るときにも税制優遇される
これらのiDeCoのメリットを理解することが最初の一歩です。それぞれ具体的にみていきたいと思います。
掛金が全額所得控除の対象
1つめのメリットは、掛金が全額所得税控除の対象になることです。
iDeCoに積み立てた金額の全額が税金の所得控除の対象になりますので、所得税と住民税が大幅に軽減されます。
所得税控除のメリットは絶大です。たとえば、厚生労働省の試算を参考にすると、課税所得が330万円から695万円の方なら月23,000円の掛金で年間約55,200円の節税メリットが生まれます。
この条件でいくと、30年間で約165万円の節税になります。国が正式に認めている制度ですので、資産形成をするなら利用したいところです。
具体的な節税額を知りたいという人は、リンク先のツールでかんたんに試算できます。
収入や掛金などによって節税額は変わりますので、自分の場合の節税額を一度シミュレーションをしてみるといいと思います。
運用中の利益が非課税
2つめのメリットは、運用中の利益が非課税になることです。
これはNISAと同じ機能になります。特定口座なら利益に対して20.315%の税金がかかりますが、iDeCoなら非課税です。
たとえば、600万円の運用利益がある場合、特定口座では運用利益の20.315%にあたる約120万円を税金として支払う必要があります。ですが、iDeCoなら運用利益の税金は0円です。
特定口座なら利益にかかる税金が、そのまま自分の利益になります。
こうしたiDeCoの非課税メリットは、将来の大きなリターンの差になります。
受け取るときにも税制優遇
3つめのメリットは、受け取るときにも税制優遇されることです。
受給時も、一時金として受け取ると「退職所得控除」が適用され、多くの場合は受け取るときも非課税になります。年金として受け取るなら「公的年金等控除」が適用され、所得税の負担が軽くなります。
退職金が多い方は受け取り方を工夫する必要がありますが、受け取り時にも税制優遇があるのは大きなメリットです。
山崎元さんが著書のなかで「確定拠出年金は確実に得をする。利用しないのはもったいない」と述べています。
iDeCoは資産形成に有利な制度ですので、コツコツと資産形成を考えるなら、メリットが多いiDeCoをうまく活用したいところです。
iDeCo(イデコ)おすすめ金融機関を選ぶ3つのポイント
では、いよいよiDeCoの金融機関を選んでいきましょう。
iDeCoを扱う金融機関は、じつはたくさんあります。
都市銀行や地方銀行、信用金庫、労働金庫、証券会社、信託銀行、生命保険会社、損害保険会社など、その数は200社近くになります。
金融機関によって手数料や投資信託の品揃えが大きく違ってくるので、iDeCoでは、金融機関選びが非常に重要になります。
金融機関のなかには、手数料が高かったり、資産が増えない地雷商品をおいている要注意の金融機関もありますので、金融機関選びで間違えないようにしましょう。
選び方はかんたんです。条件を設定してスクリーニングしていけば、200社のなかからiDeCoの金融機関をシンプルに選ぶことができます。
スクリーニングの条件は次の3つです。
- iDeCoの管理手数料がいくらになるか。
- iDeCoの商品は低コストなものを揃えているか。
- サイトがわかりやすくサポートが充実しているか。
この3つのポイントで絞っていくと、シンプルに金融機関を選ぶことができます。
それでは1つ1つ手順をふんで、iDeCoの金融機関を比較しながらスクリーニングしていきましょう。
運営管理手数料が0円の金融機関を選ぶ
1つめのポイントは、運営管理手数料です。
iDeCoは基本的には長期で利用するサービスですので、少しの手数料でも長期にわたるとそれなりの金額になります。
どこの金融機関を選んでも、加入時に2,829円、掛金拠出時には月171円(年2,052円)の手数料がかかります。
手数料が変わってくるのは金融機関の運営管理手数料です。
ですので、iDeCoの金融機関を選ぶ際には、金融機関の運営管理手数料をチェックしましょう。
【加入時】
- 国民年金基金連合会(初期費用):2,829円(各社共通、税込)
- 運営管理手数料…金融機関によって異なる
【掛金拠出時】
- 国民年金基金連合会:月額105円(年間1,260円)(各社共通、税込)
- 業務委託先金融機関:月額66円(年間792円)(各社共通、税込)
- 運営管理手数料…金融機関によって異なる
【給付時】
- 事務委託先金融機関・・・440円/1回(各社共通、税込)
この運営管理手数料は、口座があるかぎり毎月かかる費用です。
金融機関によっては、金融機関の運営管理手数料が年7,000円程度かかるところもあります。
金融機関の運営管理手数料が0円の場合と年7,000円の場合とでは、運営管理手数料だけで30年で約21万円の違いになります。
小さな金額ではないことがわかると思います。きちんと運営管理手数料を確認しましょう。
誰でも運営管理手数料が無料になるのは17社
iDeCoをスタートするなら、条件なしで運営管理手数料が無料になるところを選びましょう。
無条件で運営管理手数料が無料になるのは、2024年5月現在、17社です。
【参照】手数料でiDeCo(イデコ)金融機関を比較|個人型確定拠出年金ナビ「iDeCo(イデコ)ナビ」
このスクリーニングで候補は17社に絞り込まれます。
まずは、金融機関の運営管理手数料が無料になるかどうかをきちんと確認しましょう。
iDeCoを商品で選ぶ
2つのポイントは、低コストの商品を揃えているかどうかです。
これが最も重要な条件になります。
iDeCoを使った資産運用は、低コストのインデックスファンドを毎月積立していくのがスタンダードな運用です。
そこで重要になるのが投資信託の信託報酬です。信託報酬というのは、かんたんにいえば投資信託を保有している間に毎日かかる運用手数料のことです。
信託報酬の小さな違いが運用成績の大きな差になります。
低コストのインデックスファンドを揃えている金融機関としては、次の4社が優秀なラインアップです。
ファンド選びでは、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 」(以下、FOY)を参考にするといいでしょう。
各社の特徴について見ていきたいと思います。
楽天証券iDeCo
楽天証券iDeCoは、投資信託35商品と元本確保型1商品の計36のラインアップです。
楽天証券は、低コストの商品に絞り込んであってはじめての人でも選びやすいラインアップになっています。
楽天証券iDeCoの特徴は、「楽天バンガード」シリーズを導入しているところです。
全世界の株式に投資したい人は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)」があります。
楽天VTは、これ1本で全世界の株式を時価総額比率で丸ごと保有することができる王道のインデックスファンドです。
全世界ではなく、米国株式に投資したいという方は、「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」です。
アメリカの超一流企業を含んだアメリカ株式を丸ごと保有できます。
低コストの海外株式クラスには、「たわらノーロード先進国株式」があります。
低コストで良心的な商品をシンプルに絞り込んでいるのが楽天証券です。
SBI証券iDeCoは「セレクトプラン」
SBI証券iDeCoは、「セレクトプラン」と「オリジナルプラン」があります。
これから新たにiDeCoをスタートさせる方は、低コスト商品を揃えた「セレクトプラン」一択です。
SBI証券iDeCoの「セレクトプラン」は、投資信託33商品と元本確保型1商品の計34のラインアップです。
SBI証券iDeCoの「セレクトプラン」の特徴は、低コストのインデックスファンドを揃えているところです。
先進国株式クラスでは、ニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」が利用できます。
投資信託1本でシンプルにiDeCoを利用したいという方には、8資産に均等に投資できる三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」が便利です。
また、アメリカのS&P500に連動する「eMAXISSlim米国株式(S&P500)」が選択できるのもSBI証券の大きな特徴でしょう。
このほか、レオス・キャピタル・ワークスの「ひふみ年金」、セゾン投信の「セゾン・グローバルバランスファンド」もラインアップに入っています。
最低コストの商品を各資産クラスにきちんと揃えているのがSBI証券の「セレクトプラン」です。
マネックス証券iDeCo
マネックス証券iDeCoは、投資信託26商品と元本確保型1商品の計27のラインアップです。
マネックス証券の特徴は、手数料の業界最低水準に追随するコンセプトの三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」シリーズを揃えているところです。
マネックス証券iDeCoには、FOY2019、FOY2020と2年連続第1位のUFJ国際投信「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」があります。
低コストでこれ1本で全世界の株式に投資できます。多くの個人投資家に支持されているファンドです。この1本を選ぶことができることは、マネックス証券iDeCoの強みといえます。
また、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」はもちろん、アメリカのS&P500に連動する「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」、レオス・キャピタル・ワークスの「ひふみ年金」なども入っています。
人気の商品で隙のないラインアップになっているのがマネックス証券です。
イオン銀行iDeCo
イオン銀行iDeCoの特徴は「たわらノーロード」シリーズを中心に、シンプルながら魅力的なラインアップになっているところです。
1本でシンプルに投資をしたいという方は、8資産に均等投資する「たわらノーロード バランス(8資産均等型)」です。人気のレオス・キャピタルワークスの「ひふみ年金」もラインアップに入っています。
普段からイオンを利用している人は、イオン銀行を利用するメリットも大きくなります。
良質で手数料が低い商品をきちんと揃えているのは、この4社です。
地雷商品ばかりの金融機関もありますので、低コストの優良商品を揃えている金融機関を選ぶようにしましょう。
iDeCoを使いやすさで選ぶ
最後の3つめのポイントは、iDeCoのサイトが使いやすく、サポートが充実しているかどうかです。
iDeCoの資産管理はインターネット上で行うところが多いですので、サイトの使い勝手も重要な要素になります。金融機関によっては、信託報酬を掲載していない金融機関もありますので注意が必要です。
そこで、トップページからわかりやすく手数料の情報にたどりつけるようになっているか、iDeCoの管理画面が使いやすい仕組みになっているかを確認しました。
わかりやすく配慮されているのは、楽天証券とSBI証券の2社です。
iDeCoは60歳まで長いおつきあいになります。使い勝手やわかりやすさも重視しましょう。
楽天証券iDeCo:わかりやすさNo.1
使いやすさという点では、楽天証券のiDeCoがダントツの1位です。
楽天証券なら、証券口座とiDeCo口座を1つのサイトで一括で管理できるのが大きなメリットです。自分の資産が1つのサイトで管理できるのはわかりやすくて便利です。
楽天証券のiDeCoは、はじめての人でもかんたんに使いこなせます。また、iDeCoがスマートフォンに完全対応しています。
管理画面のわかりやすさと使いやすさでは、他社の動向と比較しても楽天証券がNo.1だと思います。
また、楽天証券のお客様サポートが2年連続で最高位評価「三つ星」
スマートフォンだけで資産運用が完結するのは楽天証券の大きなメリットです。
使いやすさで定評があるのが楽天証券のiDeCoです。
SBI証券iDeCo:充実のサポート
SBI証券もカスタマーサポートに力を入れていて充実しています。
「企業電話応対コンテスト」に7年連続入賞しています。ネット証券最大手のSBI 証券なら安心して使うことができると思います。
SBI証券の場合、資産管理は記録関連業務を行うSBIベネフィットシステムズのサイトで行います。
資産構成が一覧で表示され、円グラフ表示などで見やすくなっています。
SBI証券のiDeCoもスマートフォンに対応していますので、運用商品をスマートフォン上で管理することができます。
充実のサポートを受けられるのがSBI証券です。
iDeCo(イデコ)おおすすめ金融機関はこの2社
ここまで3つの条件から金融機関を比較して絞り込んできました。
- 運営管理手数料が無料になるか。
- 商品は低コストなものを揃えているか。
- サイトがわかりやすくサポートが充実しているか。
運営管理手数料、取り扱い商品、サイトのわかりやすさと利便性という3つの条件をすべて満たしている金融機関を選別していくと、金融機関は絞られてきます。
iDeCoでおすすめの金融機関は、楽天証券とSBI証券の2社です。
ポイントをまとめておきたいと思います。
楽天証券iDeCo:商品と使いやすさで最有力
使いやすさとラインアップ、サービスで選ぶなら楽天証券iDeCoです。
楽天証券なら設定画面もわかりやすいですし、iDeCoと証券口座を1つのサイトで管理できるので便利です。スマートフォンにも完全対応しており、サポート体制にも力を入れています。
商品ラインアップも低コストできちんと絞り込んであります。iDeCoの受取方法についても選択に柔軟性があるので使いやすいです。
使いやすい管理画面で、シンプルに資産形成ができるのが楽天証券iDeCoです。
iDeCoは60歳までの長いつきあいになりますので、使いやすさや選びやすさなどで考えると楽天証券iDeCoが最有力になります。
SBI証券iDeCo:王道の安定感
ラインアップが充実しているのがSBI証券iDeCoです。
金融機関の運営管理手数料は無条件で無料ですし、商品ラインアップも低コスト商品がきちんと揃っています。
SBI証券でiDeCoをスタートするなら「セレクトプラン」を選択しましょう。
新規設定の「セレクトプラン」を選択すれば、手数料の業界最低水準に追随するコンセプトの三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」シリーズを選択することができます。
自分で個別の資産クラスを組み合わせたいという方から、1本で資産形成をしたいという方まで対応できるラインアップです。
iDeCoの利用者数は、全金融機関のなかでSBI証券が業界1位です。iDeCoを運用して10年以上になりますので、運営にも安心感があります。
選択肢が幅広いのがSBI証券iDeCoの特徴です。
低コスト商品を揃えていて業界1位の金融機関を選びたいという方には、SBI証券iDeCoが最適の選択肢になります。
利用者の約3割が楽天証券とSBI証券
iDeCoの金融機関については、各社のサービスをくまなく調べてきましたが、サービスと使いやすさ、ラインアップを考慮すると、充実しているのは楽天証券とSBI証券の2社です。
そこに新興勢力として追随するのがマネックス証券です。長期的な使い勝手は楽天証券とSBI証券に優位性がありますが、FOY2年連続1位の「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」でiDeCoを運用したい方には、マネックス証券も有力な選択肢になります。
手数料の重要性を理解している人が増えているということですね。
まとめ
iDeCoは資産形成のツールとして最適です。
iDeCoは所得税控除のメリットが大きく、金融商品のなかでiDeCoは有利です。所得税・住民税が軽減されて、運用益も非課税になりますし、受け取り時も税制優遇があります。
資産形成をするなら、iDeCoのメリットを最大限活用していきたいですね。
詳しいことは公式サイトで確認してみてください。
以上、iDeCo(イデコ)おすすめ金融機関を徹底比較!…という話題でした。
参考リンク:
iDeCoの始め方に自信がない…という方はこちらを参考にしてください。7ステップでiDeCoの始め方のポイントをまとめてみました。
iDeCoを始めても実際は定期預金を選んだままという方も多いといいます。国際分散投資をしないのはもったいないです。iDeCoの本を読むと納得してスタートができると思います。
iDeCoを利用している方の体験談も参考になります。iDeCoの節税効果が大きいことがイメージできます。