2021/08/13
金融庁が主催する「つみたてNISA説明会」の3回目が実施されました。
参加した方がレポートを書いてくれるおかげで、参加できなかった人でもその議論の中身を知ることができて大変助かります。
みなさんのブログを読んでいて、1番印象に残った話題について書いてみたいと思います。
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販売会社さんはあまりやる気がないという話題
カンチュンドさんがブログで書かれていました。
セゾン投信の中野社長が「つみたてNISA」についてズバリと指摘されたそうです。
販売会社さんはあんまりやる気がないようです(^^;)
まあ、不思議な話ではありません。今までのビジネスモデルとは違いすぎますし、収益の基本が見えにくいからです。
やる気がない会社がでてくるのはある程度仕方がないとおもいますが、私は「つみたてNISA」は販売会社の未来を決めるものになると思っています。
金融庁の森長官は「未来からの使者」
この説明会の話題で、以前読んだ藤野英人さんの記事を思い出しました。
金融庁の森長官は「未来からの使者」なのではないか、という記事です。
おもしろかった部分を引用します。
金融庁の森長官は冒頭に紹介した講演で「顧客である消費者の真の利益を顧みない、生産者の論理が横行している傾向が顕著に見受けられる」と、辛らつな言葉で資産運用業界を批判しました。
…森長官は資産運用業界では理想主義者で原理主義者だと思われているフシもあるのですが、私は「未来からの使者」ではないかと考えています。「あなたたち、このままだと大変なことになりますよ。今、ここでシフトチェンジをしないと手遅れになりますよ」とお教えいただいているからです。
団塊の世代までは「お金のことで困ったら証券会社や銀行の窓口に行って相談する」という流れがありました。
しかし、こうした世代が少しずつ少なくなれば、従来型のビジネスモデルを続ける販売会社には、お客さんがいなくなってしまいます。
若い世代はこのビジネスモデルの問題点に少しずつ気づく人が増えています。金融庁もシフトチェンジを促しています。
「あなたたち、このままだと大変なことになりますよ。今、ここでシフトチェンジをしないと手遅れになりますよ」
森長官は、未来に行ってきた「未来からの使者」なのかもしれません。
こういう話で思い出すのは映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」です。映画もきちんと予想を当てています。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』、予想当てすぎでしょ pic.twitter.com/xMRoBkKW9a
— 透明ランナー (@_k18) 2016年11月9日
森長官は、もしかしたらデロリアンをお持ちなのかもしれません。デロリアンで10年後の金融業界の惨状を確認して、それで立ち上がった…そう考えると力強いメッセージの意味もわかってきます。
10年後に答えがわかる
日本は、世界のなかでもトップレベルの少子高齢化の国です。人口減少が進むことも確実視されています。
森長官のアドバイスを理解できた販売会社は生き残り、理解できなかった販売会社は淘汰されるのではないでしょうか。「つみたてNISA」は、リトマス試験紙のような役割になるのではないかというのが私の感想です。
業界は違いますが、航空会社もLCCが登場して、従来型の航空会社は生き残りをかけて努力しています。どの業界でも、高コスト体質で販売力のない会社は淘汰されていく運命です。
金融機関も激動の時代ですね。「つみたてNISA」で、販売会社の変革力が試さるのだと思います。
森長官が「未来からの使者」だったのかどうか。10年後には判明すると思いますので、その日を楽しみにしたいと思います。
以上、「つみたてNISA」で試される販売会社の変革力…という話題でした。
参考リンク:
金融庁の森長官のメッセージは世の中を変えようとしています。ぜひ頑張ってほしいと思います。
今年の「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」の開会にあたり、 金融庁の森長官からのメッセージが披露されました。今読み返してみると、森長官のメッセージはブレていないことがわかります。
金融庁は積立NISAを「顧客に寄り添った商品」に限定する方針です。対象となるのは、約5,400本の公募株式投信のうち、今のところ50本前後だそうです。
金融庁は、これまでにも金融機関の問題点を指摘しています。買ってはいけない金融商品を買わないマネーリテラシーを身につけたいですね。