2021/08/13
インデックスファンドは、資産形成をするうえで便利なツールです。
積立投資をスタートするなら、インデックスファンドをコツコツと積立していきたいところです。
そこで、おすすめのインデックスファンドの信託報酬と純資産を比較してまとめてみました。
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今買うべき投資信託を比較する
インデックスファンドは、指数の値動きに忠実に連動することを目指す投資信託です。
投資がはじめての人にとっては、インデックスファンドがどのようなものなのかがよくわからないという人も多いと思います。
そこで、インデックスファンドの主要な指数について整理してみました。
また、主要ネット証券各社で購入できるものにしています。一部の証券会社、銀行のみで購入できる販路の限られた商品については対象から除外しています。
インデックスファンドを選ぶうえでポイントになるのが次の3点です。
投資信託をコストで比較する
その1は、信託報酬が低いことです。
信託報酬の低いインデックスファンドを選ぶというのが積立投資の基本になります。どれが低コストのインデックスファンドなのかを見極めたいところです。
一覧では、税込の信託報酬を記載しています。
長期の運用ではコストがリターンに大きく影響します。
投資信託を純資産で比較する
その2は、純資産が順調に増えていることです。
資産が大きければ安定的な運用が期待できます。
一覧表には、各ファンドのホームページをリンクしています。クリックすれば、その日の純資産を確認できますので、資産が順調に増えているかどうかを確認しましょう。
安定的な運用が期待できるか
その3は、安定的な資産運用が期待できるかです。
興味をもった商品があれば、各ファンドのホームページで目論見書や運用報告をみてみるといいでしょう。
各ファンドの運用報告書をみれば、投資の方針、純資産の推移、実質コストなどを確認することができます。
では、各資産クラス別にインデックスファンドをチェックしていきたいと思います。
日本株式(日経225)クラス
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 三菱UFJ国際投信 | 0.143% |
たわらノーロード日経225 | アセットマネジメントOne | 0.143% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント | 0.154% |
iFree 日経225インデックス | 大和証券投資信託委託 | 0.154% |
日経225インデックスe | 三井住友トラスト・アセットマネジメント | 0.209% |
日本株式(日経225)クラスは、「日経平均株価(日経225)」の動きに連動する投資信託です。
ニュースなどでおなじみの「日経平均株価」の動きに連動した値動きをします。日経平均株価は日本経済新聞社が選択した225社で構成されています。
日経平均株価に連動するインデックスファンドは、わかりやすさという意味では優れています。
日本株式(TOPIX)クラス
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 三菱UFJ国際投信 | 0.143% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント | 0.154% |
iFree TOPIXインデックス | 大和証券投資信託委託 | 0.154% |
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | 三井住友アセットマネジメント | 0.176% |
たわらノーロード TOPIX | アセットマネジメントOne | 0.187% |
日本株式(TOPIX)クラスは「TOPIX(東証株価指数)」の動きに連動する投資信託です。
TOPIXは東証1部「全銘柄」を対象としますので、このインデックスファンドを買うだけで、1,900社以上の東証1部企業すべてに投資ができます。
日経225よりも広範に分散できますので、分散することを優先したい人にとっては日経225よりもTOPIXのほうがベターな選択肢になります。
従来、TOPIXは日経225よりも信託報酬が高くなる傾向にありましたが、日経225と同レベルの信託報酬になりました。
個人投資家にとって素晴らしい環境が整いつつあります。
全世界株式
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド (愛称:雪だるま(全世界株式)) | SBIアセットマネジメント | 0.1102%程度 |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 三菱UFJ国際投信 | 0.1133% |
たわらノーロード全世界株式 | アセットマネジメントOne | 0.1133% |
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | 三菱UFJ国際投信 | 0.1133% |
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) | 三菱UFJ国際投信 | 0.1133% |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 楽天投信投資顧問 | 0.212% |
全世界株式のインデックスファンドは、文字通り1本で全世界株式の株式に投資できるインデックスファンドです。
ファンドによって指数が違います。
シンプルに日本株式、先進国株式、新興国株式に時価総額比率で投資するなら、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」です。
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動することを目指して、低コストで全世界株式に投資します。
「FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)」に連動する投資信託もあります。
それが、SBIアセットマネジメント「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」と楽天投信投資顧問「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」です。
全世界株式のインデックスファンドであれば、低コストのインデックスファンド1本で世界に投資することができます。
先進国株式クラス
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 三菱UFJ国際投信 | 0.09889% |
たわらノーロード先進国株式 | アセットマネジメントOne | 0.09889% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント | 0.1023% |
iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし) | 大和証券投資信託委託 | 0.209% |
先進国株式クラスは「MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース)」に連動する投資信託です。
MSCI コクサイ指数は、日本を除く先進国22カ国に上場する大・中型株を対象にしたインデックスです。1,334 銘柄が採用されており、市場の約85%をカバーしています。アメリカの比率が4割程度になっています。
この先進国株式クラスのインデックスファンドに投資をすれば、アップルはもちろん、マイクロソフト、エクソンモービル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、アマゾン、そしてフェイスブックにも自分のお金が分散投資されていきます。
新興国株式クラス
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 三菱UFJ国際投信 | 0.1859% |
たわらノーロード新興国株式 | アセットマネジメントOne | 0.1859% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント | 0.2079% |
三井住友・DC新興国株式インデックスファンド | 三井住友アセットマネジメント | 0.374% |
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 | 日興アセットマネジメント | 0.374% |
iFree 新興国株式インデックス | 大和証券投資信託委託 | 0.374% |
新興国株式クラスは「MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)」に連動する投資信託です。
新興国24か国・約840社の大型および中型株式に投資できることになります。このファンドを購入すれば、韓国、中国、台湾、香港、南アフリカ、インドといった各国の企業に分散投資できます。
新興国株式クラスは、運用コストが高くなる傾向があります。運用歴が長く、資産が集まっているファンドを選ぶのが賢い選択です。
そういった観点からすると、長く運用を続ける「たわらノーロード新興国株式」や「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」などが安定的な運用を期待できるかもしれません。
なお、「iFree 新興国株式インデックス」は、「FTSE RAFIエマージングインデックス(円換算)」という指数を採用しています。ファンダメンタルインデックスとよばれる指数であり、アクティブファンドに近いものです。ここでは参考扱いとして下段に掲載しています。
米国株式クラス
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 三菱UFJ国際投信 | 0.09372% |
たわらノーロード S&P500 | アセットマネジメントOne | 0.09372% |
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド | SBIアセットマネジメント | 0.0938% |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 楽天投信投資顧問 | 0.162% |
iFree S&P500インデックス | 大和投資信託 | 0.2475% |
世界経済を牽引するアメリカの株式だけに投資したいというニーズもあります。そういう方は、米国株式クラスのインデックスファンドもひとつの選択肢になります。
米国株式に投資するファンドとしては、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」も低コストです。
「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」に投資して、CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する成果を目指します。アメリカにある投資可能な約4000社の株式に連動する指数ですので、アメリカ全体に投資することができます。
S&P500という指数は、米国で時価総額の大きい主要500社で構成する時価総額加重平均型の株価指数です。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しています。
ウォーレン・バフェットは、下手な投資をするくらいなら、S&P500に連動する低コストのインデックスファンドを購入することを推奨しています。
8資産均等型
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 三菱UFJ国際投信 | 0.143% |
たわらノーロードバランス(8資産均等型) | アセットマネジメントOne | 0.143% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型) | ニッセイアセットマネジメント | 0.1749% |
iFree 8資産バランス | 大和証券投資信託委託 | 0.242% |
つみたて8資産均等バランス | 三菱UFJ国際投信 | 0.242% |
8資産均等型は、複数のマザーファンド通じて、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リートおよび先進国リートの8資産に1本で投資するバランス型投資信託です。
8資産均等型の基本投資割合は、純資産総額に対してそれぞれ12.5%とするものです。均等に8つに分けるので、まさにピザを切り分けたイメージです。
リバランスのメンテナンスを考えると、個別のファンドを組み合わせて8資産に分散投資すると手間がかかります。
それが8資産均等型のバランス型投資信託を選べば、メンテナンスフリーで投資を続けられます。
メンテナンスフリーで投資したい方には8資産均等型のバランス型投資信託は便利です。
従来、バランス型投資信託は高コストでしたが、低コスト型のものもあらわれて、これ1本で投資するというのも合理的な選択肢になりました。
最安は「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」と「たわらノーロード バランス(8資産均等型)」です。
国内債券クラス
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント | 0.132% |
eMAXIS Slim 国内債券インデックス | 三菱UFJ国際投信 | 0.132% |
たわらノーロード国内債券 | アセットマネジメントOne | 0.154% |
iFree 日本債券インデックス | 大和証券投資信託委託 | 0.242% |
国内債券クラスは、「NOMURA-BPI総合」に連動する投資成果を目指します。国内の債券に分散投資できます。
日本債券クラスについては、「個人向け国債変動10年」という選択肢もあります。インデックスファンドではありませんが、「個人向け国債変動10年」なら信託報酬がかからず、金利の動向にも追随することが可能です。
最安のファンドは3ファンドが並んでいます。
先進国債券クラス
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント | 0.154% |
eMAXIS Slim 先進国債券インデックス | 三菱UFJ国際投信 | 0.154% |
たわらノーロード先進国債券 | アセットマネジメントOne | 0.187% |
iFree 外国債券インデックス | 大和証券投資信託委託 | 0.198% |
先進国債券クラスは「シティ世界国債インデックス(除く日本、円換算ベース)」の動きに連動する投資信託です。
日本を除く世界の先進国22ヶ国の国債に分散投資できます。現状ではアメリカの債券が約4割を占めています。
先進国債券クラスは2社のインデックスファンドが横一線という状況です。
新興国債券クラス
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
iFree 新興国債券インデックス | 大和証券投資信託委託 | 0.242% |
インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券(1年決算型) | 日興アセットマネジメント | 0.374% |
eMAXIS 新興国債券インデックス | 三菱UFJ国際投信 | 0.66% |
新興国債券クラスは「JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ グローバル・ディバーシファイド」の動きに連動する投資成果を目指します。
新興国が発行する現地通貨建て国債を対象にした時価総額ベースの指数です。ブラジル、インドネシア、マレーシアなど16ヶ国の国債に投資できます。
従来、割高な印象の新興国債券クラスでしたが、「iFree 新興国債券インデックス」の登場により、新興国債券クラスも低コストで投資することが可能になっています。
最安のファンドは、「iFree 新興国債券インデックス」です。
国内REITクラス
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
Smart-i Jリートインデックス | りそなアセットマネジメント | 0.187% |
eMAXIS Slim 国内リートインデックス | 三菱UFJ国際投信 | 0.187% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント | 0.275% |
たわらノーロード 国内リート | アセットマネジメントOne | 0.275% |
三井住友・DC日本リートインデックスファンド | 三井住友アセットマネジメント | 0.25% |
iFree J-REITインデックス | 大和証券投資信託委託 | 0.319% |
国内REITクラスは「東証REIT指数(配当込み)」の動きに連動する投資成果を目指します。
東証市場に上場する不動産投資信託全銘柄に投資できます。
最近、賃貸マンションなどの実物の不動産投資も活発になっていますが、実物の場合には物件選びに手間をかけて、管理コストもふまえてリターンを計算する必要があります。
国内の不動産に投資をしたいなら、まずは国内REITクラスのインデックスファンドに投資をしてみて、それでも物足りないなら実物不動産を考えるというステップでも、遅くはないと思います。
海外REITクラス
商品名 | 委託会社 | 信託報酬 |
---|---|---|
Smart-i 先進国リートインデックス | りそなアセットマネジメント | 0.22% |
eMAXIS Slim 先進国リートインデックス | 三菱UFJ国際投信 | 0.22% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント | 0.297% |
たわらノーロード 先進国リート | アセットマネジメントOne | 0.297% |
三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 三井住友アセットマネジメント | 0.297% |
iFree 外国REITインデックス | 大和証券投資信託委託 | 0.341% |
海外REITクラスは、日本を除く先進国の不動産投資信託証券に投資することができます。
アメリカをはじめとした先進国の不動産にこれ1本で投資することができます。インデックスファンドによってベンチマークが異なります。
「S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込み、円換算ベース)」と連動するものであれば、最安のファンドは「Smart-i 先進国リートインデックス」です。
「S&Pグローバルリートインデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)」と連動するものであれば、最安のファンドは「<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド」と「たわらノーロード先進国リート」です。
低コストのインデックスファンドを購入できるのはこの4社
低コストのインデックスファンドは充実しました。
投資初心者の方で、どれに投資したらわからない…という方は、
三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」がいいと思います。
これ1本で低コストで全世界の株式に投資できます。
資産形成をするなら、証券会社選びが重要になります。
低コストのインデックスファンドが購入できるのは、基本的に下記のネット証券4社です。
インデックスファンドで資産形成をするなら、ネット証券を利用するのがベストの選択肢です。
ネット証券なら100円から低コストのインデックスファンドで資産形成ができます。積立設定もインターネット上で完結しますので、いつでもどこでも管理ができるので便利です。
残念ながら、現状ではどこの金融機関でも低コストのインデックスファンドが買える環境にはなっていません。
インデックスファンドで資産形成を考えるなら、証券会社はこの4社のなかから選ぶのが必須の条件だと思います。
以上、インデックスファンドのおすすめを徹底比較!…という話題でした。
参考リンク:
おすすめのバランス型投資信託についてはこちらでまとめています。コストと資産配分に着目してバランス型投資信託を選びましょう。
低コストのインデックスファンドが確実に購入できるのは大手ネット証券です。積立投資で資産形成をするなら、金融機関選びが重要になります。
インデックスファンドには、信託報酬のほかに「隠れコスト」があります。多くのインデックスファンドを比較する方法や実質コストについては、こちらを参考にしてください。
コメント
トップ3までフォローされていて、かつ見やすくて参考になります。しかし新興国を除けばニッセイの天下ですね。個人的には他社がこれを覆せないと思えてくるところもスゴイです。
by WATANKO 2016年11月6日 6:00 PM
WATANKOさん
コメントありがとうございます。初心者の方に参考になるようにと作ってみましたが、WATANKOさんにコメントをいただけて光栄です。
まとめて実感したのですが、信託報酬も純資産もまさにニッセイの天下ですね。企業努力が価値を作ったのだと思います。
先行したニッセイを他社が覆すのは難しいかもしれませんね。自分もファンド選びをもう一度考えてみようかと思っています。
なるたく
by loloinvestors 2016年11月6日 8:09 PM