2021/08/13
2019年2月20日に札幌で金融庁によるイベント「つみたてNISA Meetup in 札幌(つみップ札幌)」が開催されました。
金融庁の今井利友さんとFPの岩城みずほさんのお二人がゲストです。
2月の凍える札幌でしたが、多くの方にとって有意義なイベントとなりました。
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つみップ札幌は今井利友さんと岩城みずほさん
「つみたてNISA Meetup in 札幌」が開催されました。札幌では2017年12月以来の2回目の開催となります。
金融庁からは東京から金融庁の今井利友さんがいらっしゃいました。
ゲストは「腹黒くないFP(by山崎元さん命名)」こと、岩城みずほさんです。
お二人からお金の話を聞くことができました。
お金は「感謝」のしるし
最初は今井さんからお金の話がありました。
お金に働いてもらうことが大事なのに、資産形成をあきらめてしまっている人も多いといいます。
お金のことは大事なはずなのに、学校では教えてくれません。そして、お金を稼ぐことは悪いことのようにいう人がいます。
そこで今回、映像が紹介されました。
岡本和久さんの小学生のためのハッピー・マネー教室の映像です。
お金は「感謝」のしるしです。
人に感謝されることをすることで、お金を稼ぐことができます。
お金が「感謝」のしるしなら、お金を稼ぐことは悪いことではないはずです。投資をするのも悪いことではありません。
お金を「使う」、「貯める」というのは多くの人がやっていますが、「ゆずる」、「増やす」というお金の使い方ができる人が極端に少ないというお話でした。
非常に共感する内容でした。
長期・積立・分散投資を続ける
そして、今井さんからは長期・積立・分散を続けることが重要だという話がありました。
今は、少額から投資が可能で、インデックスファンドを使えばマーケット全体に投資することもかんたんです。
「つみたてNISA」を使えば利益も非課税になります。
今回、説明資料としてわかりやすいと思ったのがこちらの資料です。
さて、4つのグラフがあります。折れ線は株価の推移をあらわしたものです。
最初に120万円を一括投資をした場合どれが増える?
まず、120万円を最初に一括投資をした場合で考えてみましょう。
最初の段階で、120万円を一括で投資した場合に、どのグラフの株価の推移だとお金が1番増えると思いますか?
そうですね。最初に一括で投資した場合、お金が1番増えるのはケース①ですね。
多くの人の投資のイメージはこれだと思います。
ひたすら株価が上がることを期待するイメージの投資です。
毎月1万円ずつ、10年間投資したらどれが増える?
では、問題なのは積立投資をした場合です。
毎月1万円ずつ、10年間にわたってひたすら積立をしたとします。
毎月1万円ずつ、10年間積立した場合、どのグラフが一番お金が増えると思いますか?
これが今井さんのプレゼンテーションのポイントでした。
さて、みなさんはどれだと思ったでしょうか。
答えはケース②です。
積立の場合、下がった後に上がった②のケースがずっと上がり続けた①よりもリターンが大きいのです。
株価が下がっても安く買えると喜べるというのが、積立投資の威力です。
ですので、マイナスになってもやめない。長期で続けることが重要だというのが今井さんのお話でした。
こうした知恵が多くの人に伝わるといいですね。
マイナスになったときでもやめない。長期で続ける。でも、それが案外難しいですね。 #つみップ pic.twitter.com/TkotXgUbvR
— なるたく(loloinvestors) (@loloinvestors) 2019年2月20日
ただ、それが心の底から納得していないと、下落相場で積立を続けるのは案外難しいと思っています。
今後の相場の動向も考えつつ、いろいろと考えることができたプレゼンテーションでした。
たくさんの人に正しい投資教育を
岩城みずほさんからは「お金の人生設計」について話がありました。
お金を働かせることが投資です。
心に響いたメッセージの1つはこちらでした。
お金を適切な場所におき、お金にも働いてもらい、自分もしっかり、長く働くこと!
iDeCo、つみたてNISAの非課税枠を「お金の置き場所」として活用すること、お金にも働いてもらって長期的に資産を増やす重要性をわかりやすく教えてくれました。
そして、自分もしっかり長く働くことですね。
そして、投資の方針もシンプルに言語化してもらっていました。
適切に分散して、低コストの商品を使って長期で積立投資をしていく
これです。シンプルに実践することが大事ですね。
毎月分配型、ラップ運用、貯蓄型の外貨建ての生命保険などは「3大ダメ商品」で、買ってはいけないという話も岩城さんから紹介がありました。
「腹黒くないFP」こと、岩城みずほさんです。たくさんの人に正しい投資教育を広めていくといいとお話をされていました。
お金の基本知識が多くの人に伝わるといいなと思いました。
質問も活発に
質問も熱心なものが多かったです。
- NISAの恒久化の可能性は?
今井さんからはNISAはいずれ1つにして恒久化したいと思っているが、時間がかかるというお話でした。次世代が安心して使うためにも、NISAの恒久化は必要だと私も思います。
- つみたてNISAプロモーションビデオはなぜあんなに内容が暗いの?
ずばり直球の質問でした。最初にプロモーションビデオが流れたのですが、たしかに暗いですね。いろいろ試行錯誤した結果だそうです。
- 必要な人に「つみップ」の情報などが届いていないので改善してほしい
金融庁も努力しているところで、「職場つみたてNISA」で企業にアプローチしたり、学校などでの投資教育も考えているとのことでした。
- 投資商品は具体的にどう選べばいいか
初心者の方が最初に悩むのが投資商品です。投資信託の大半が資産形成に不向きという話もありました。
投資信託の大半は資産形成に不向き。金融庁の公式見解です。 #つみップ
— なるたく(loloinvestors) (@loloinvestors) 2019年2月20日
そうなると、具体的にどう選べばいいかは重要なところです。
今井さんも岩城さんも、信託報酬のコストを意識して、期待リターンが大きい内外の株式ファンドを中心に考えることが重要だというアドバイスでした。
リスクは株式でとって、無リスク資産の割合で管理するという方法も岩城さんから話がありました。
国内外の株式に投資して、無リスク資産を一定割合持つのはシンプルなリスク管理ですね。
多くの人に広まってほしい知識がたくさん紹介されました。
あっという間の楽しい90分でした。
懇親会も盛り上がる
この後は、今井さんと岩城さんを囲んでの懇親会でした。
こちらも楽しくてあっという間でした。
話題として印象に残ったのは「つみたてNISAプロモーションビデオ」です。
北海道の女性のいいところは、明るくズバッと話をするところだと思っています。3人の女性が次々と今井さんにストレートな感想を伝えていて、「ああ、北海道らしいな」と思ったのでした。
今井さんも若干とまどっていた様子に見えました。笑
次は「若い女性をターゲットにした明るいものを作ってほしい」という話にもなりました。
ご覧になっていない方も多いかもしれません。せっかくなので、4分22秒のフルバージョンをリンクしておきます。
こういう機会に多くの人に観てもらうのもいいですね。お父さん、死ななくてよかったです。
そして今回、大雪さんともはじめてお会いできました。
ブログで今回の「つみップ」をいち早く紹介されています。おもしろいので、ぜひご覧ください。
ええ、どうも自分のイメージが違ったみたいで、おもしろいことになっています。
ブログの印象と実際が違うというのは、たまに言われます…。笑
女性が時代を動かす
今回の参加者は、約半数が女性で、20代、30代の若い世代も多かった印象でした。
今回こういうイベントにはじめて参加したという方も多かったようです。
「つみたてNISA」のおかげか、新しい年代の人たちに確実にリーチしていることを実感した夜でした。
そして、多くの人にお金の話を知ってもらったほうがいいよね、ということを多くの女性が口々に話していたのが印象的でした。
今後、女性が時代を動かすかもしれませんね。
今井さん、岩城さん、ありがとうございました。
当日のレジュメは金融庁のホームページで読むことができます。
参加できなかった方もこちらの資料を見れば学びがあると思います。
勉強になる楽しいイベントでした。また札幌で機会があるといいですね。
以上、金融庁の「つみたてNISA Meetup in 札幌」に参加しました…という話題でした。
参考リンク:
シンプルにスタートしてみるのもひとつです。少額から「つみたてNISA」でお金に働いてもらう感覚が身につくといいですね。
「つみたてNISA」はまだまだ認知されていないと感じる日々です。
投資をスタートして1年後にリーマンショック級の暴落がきたらどうなるのでしょうか。投資をはじめたばかりの人は、特に「時間の分散」が大事ですね。