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金融庁の「つみたてNISAフェスティバル2018」に参加しました。

time 更新日:  time 公開日:2018/04/22
金融庁の「つみたてNISAフェスティバル2018」に参加しました。

2018年4月21日に開催された金融庁主催の「つみたてNISAフェスティバル2018」に参加しました。

250名もの参加者があり、会場は熱気に包まれました。

参加したかったけれど会場に行けなかったという方もいると思います。そこで、少し詳しくレポートをまとめてみました。

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つみたてNISAフェスティバル2018プログラム

「つみたてNISAフェスティバル2018」は、昨年に引き続き2回目の開催になります。

前回が200名規模でしたので、より参加者を増やしたイベントになります。

会場とプログラムは下記のとおりに行われました。

4月21日(土) 14:00~16:50

赤坂インターシティーコンファレンス4F the Air (東京都港区赤坂1-8-1)

金融庁挨拶
岡本和久氏基調講話
つみたてNISA 誕生秘話(対象商品)
はじめての投資!おススメの一冊ベスト10
つみたてNISA 公式キャラクター発表
有識者によるパネルディスカッション

総合司会は、岩城みずほさんです。

岩城さんはアナウンサーをされていたのですね。プロフェッショナルなわけで、終始心地よい司会進行で会は進みました。

金融庁挨拶

最初は、村井英樹大臣政務官の金融庁挨拶です。

金融庁がなぜ「つみたてNISA」を導入したのか、わかりやすくお話がありました。

印象に残ったのは、アメリカやイギリスに比べて日本は家計資産が小さいという話です。

アメリカやイギリスの家庭の資産が大きいのは、働いて稼いでいるわけではなく、適切に運用した結果、運用リターンによって家計資産が大きくなっているというのが金融庁の分析です。

働いてなくても家計の金融資産が増えている…なかなかの違いになっていますね。

働いてお金を稼ぐことが基本ですが、「海外の成長力を取り込んで、お金に働いてもらう」必要があることを村井さんが指摘していました。大事なことだと思います。

「つみたてNISA」を導入したのも、こうした背景があるからです。

「貯蓄から資産形成へ」を進める必要があるということを、金融庁として取り組んでいることがよくわかるお話でした。

岡本和久さんの基調講話

岡本和久さんから基調講話がありました。

人生の目的は、「しあわせ持ち」になりたいからという点を強調されていました。

私ははじめてお話をお聞きしましたが、大変印象に残りました。

印象に残ったところをメモから起こしてみます。

  • 人生の目的は、お金持ちになることではなく、何のために生きているかは「しあわせ持ち」になりたいから。
  • 「しあわせ持ち」になるためには、お金だけではなく、お金、健康、家族、友達、楽しみ、社会貢献の6つが充実することが大事。
  • 人生は、学びの時代、働きの時代、遊びの時代からなる。遊びの時代というのは、単に遊ぶのではなく、自分の「生き様」をみせて社会貢献し、次の世代につなげていくこと。
  • お金のイメージは悪いが、お金は「交換」すること。お金は感謝の印。
  • 全世界のインデックスファンドを若い時から積立投資する。相場に惑わされずに絶対に止めない。
  • 働くということは社会貢献であり、自分にとっての楽しみ。みんなから感謝されること。それが働く喜び。仕事というのは「仕える仕事」。
  • 退職後の最大のリスクは、生活の大幅な質の引き下げ。年金や収入だけではなく、投資によるプラスアルファのお金があればいい。
  • 資産運用の目的は「購買力の維持」
  • 何をどう買うか。全世界の株式のインデックスファンドを若いときから積立をする。相場に惑わされず絶対に止めない。絶対に止めないことが、難しい。
  • 資産の取り崩し方。前期末資産時価残高/余命年数(100年であれば100−年齢)=今年の引出額。
  • 投資というのは「投志」。投資というのは、志を投げること。投資というのは、いい社会を作るということであり、将来世代のための育成支援にもつながるもの。「こころざし」を次世代につなげるのが投資
  • お金は大事だが、「しあわせ持ち」になるためには、広い視野で、長期的視野で物事を考えること。

働くことも社会貢献です。それとともに、投資も社会貢献だという指摘が印象に残りました。

投資というと、「金儲け」というイメージが強いかもしれませんが、投資が社会を作るのであり、「こころざし」を次世代につなげる投資があるというのが岡本さんからのお話でした。

そういうマインドが広がるといいなと思います。

また、投資の方法については、次のように述べていました。

全世界のインデックスファンドを若い時から積立投資する。相場に惑わされずに絶対に止めない。

これですね。これが積立投資の真理です。

もっと詳しくお話を聞いていたい講話でした。

金融庁のホームページに当日のレジュメがアップされています。ぜひ参考にしてください。

つみたてNISA誕生秘話

次は、「つみたてNISA誕生秘話」のコーナーです。

カン・チュンドさん、岡田篤さん、油布志行参事官が登壇です。

「つみたてNISA」の審議に関わった岡田さん、油布さんのお話をカンさんの司会進行で誕生秘話について聞いていくというコーナーです。

印象に残ったのは次の点です。

  • 海外でも金融商品を絞り込むというこはされておらず、市場主義的なのが普通。しかし、日本の状況をみたときに、長期の積立投資に向く商品が少なかった。コストが低く長期投資に向くようなものに限定する必要があった。(油布)
  • 初心者の人が安心して買って、安心して長く持てるような金融商品が少なかった。売り方にも問題があって、投資家の裾野が広がらなかったことが問題。(岡田)
  • 金融機関の売り方は、説明するポーズを作ることに注力してしまって、販売の際の説明のチェックリストなどを作っているが、そこが必ずしもポイントではない。(油布)
  • 信託報酬の水準を国が決めるというのは、当初は違和感があった。しかし、「つみたてNISA」というのは、国が旗を振って投資を推奨する以上、商品を絞り込むことをルールに取り入れた。(岡田)
  • 信託報酬が低すぎると、ついてこれる金融機関がなくなるのは困るとは思っていて、そこは心配をした。(油布)
  • アクティブ型ファンドを取り入れるかは議論があった。資産運用の目を摘んではいけないが、初心者の人が投資をすることを念頭にすれば絞り込みが必要。いずれ金融リテラシーが高まれば基準はいらなくなる。(岡田)
  • 市場に活力があるためにはアクティブ型の運用が必要。だが、一般の人が投資をするならインデックスファンドでスタートしたらいいと思う。(油布)
  • 信託報酬が1.5%なら100万円で年に1万5000円の手数料を払っている。だけど、みんなそんなに高い手数料を払っていると思っていないので、手数料開示の仕組みにした。(油布)
  • 「つみたてNISA」は、やるやらないではなく、やったほうがいい。すぐに口座開設をして、投資対象は自分から一番遠いものに投資する。海外の株式のインデックスファンドを買って、続けること、続けること、続けること。しかも、楽しい。(岡田)
  • お金が貯めてから投資しようというのはうまくいかない。臨時収入はリスクをとりすぎてしまう傾向がある。やるなら、機械的に「積立投資」。(油布)
  • 大事なメッセージは、続ける、続ける、続けるですよ。(カン)

「つみたてNISA」ができたおかげで、初心者が最初から地雷商品を買ってしまうリスクは小さくなりました。また少額から給与から自動で積立できるのもいいですね。

投資のためにお金を貯めるのではなく、投資をしながら貯めるというアプローチが、お金が貯まる秘訣です。

「つみたてNISA」が、初心者向けに構想されたことがよくわかるお話でした。

はじめての投資!おススメの一冊

次に行われたのが、「はじめての投資!おススメの一冊」です。

登壇者はブロガーの3人です。

兄貴の眩しさに思わずツイートしました。

一気に壇上の雰囲気が変わったのが印象的でした。

そして、ブログだけでなく、話をしてもおもしろいというのが素晴らしいですね。あっという間に時間は流れていきました。

「はじめての投資!おススメの一冊」の10冊はこの通りです。

ベスト3は、この3冊でした。

1位 お金は寝かせて増やしなさい

 

2位 敗者のゲーム

 

3位 ウォール街のランダム・ウォーカー

 

結果としては鉄板の3冊です。

虫取り小僧さんの解説によれば、1位の「お金は寝かせて増やしなさい」は、改ざんされていなければぶっちぎりだそうです。

1位の理由について、登壇者のお2人から解説がありました。

  • 自分の経験に基づいて書かれた一冊。個人ベースの体験から書かれているからおすすめできる。(吊ら男)
  • 2000年代でも、運用がマイナスになった。困難な時代の投資術がこの一冊に集約されている。(たぱぞう)

私も水瀬ケンイチさんのこの一冊は、多くの人に手にとってほしいと思います。

おもいつきですが、このランキングを加工して、そのまま書店のPOPに使えるようにしたらおもしろいかもしれませんね。

書店で投資コーナーで特集をしてもらえば、良書が多くの人に気づいてもらえるようになります。

金融庁がランキングを写真とコメント付きでアップしてくれています。

この投票をきっかけに、良書にたどりつける人が増えるといいですね。

 

つみたてNISA公式キャラクター発表

次に「つみたてNISA 公式キャラクター発表」がありました。

決まったのは「つみたてワニーサ」でした。

デザイナーの男性と、その教え子の女性と絵本作家の女性の3人の共同作品とのことです。

「つみたてワニーサ」

ある日突然人間界に現れた優しいワニ。ゆっくり慎重派だけど、皆から信頼され愛されている。どっしりと安定感のある背中にはいつも何かを乗せて運んでいて、不思議な尻尾は右肩上がりに成長していく。

3人でブレインストーミングをして完成させたとのことで、なるほど、コンセプトと愛らしさがしっかり両立しているのは、そういうアイディアの結晶なんですね。

今後もブラッシュアップして、愛されるキャラクターとして「つみたてNISA」の普及に貢献したいというお話がありました。

ちなみに、発表で登壇したのはアートディレクターの大山よしたかさんと金融庁のお二人でしたが、黄色のミニオンのコスチュームがかなりのインパクトでした。

ちょっと度肝を抜かれました。似合っていたと思います。ハイ。

有識者によるパネルディスカッション

最後は、「有識者によるパネルディスカッション」です。

島田知保さん、山崎元さん、田村正之さん、八幡道典政策管理官が登壇しました。

いろんな話がでましたが、こんな内容でした。

お金がなくて投資ができない

これが一番多い悩みかもしれませんね。

合コンやショッピングでお金がありません」という悩みです。

登壇者のコメントは次のように話していました。

  • 先に積み立てて、出しにくい状態にして、残ったお金で合コンする。出しにくい状態というのはiDeCoもよい。(田村)
  • 貯まってから投資するのではなく、コツコツ積立することに頭を切り替える。(八幡)
  • 使いすぎる原因は、隣の人を意識してしまうため。他人との競争心を捨てること。過剰に支出していないか見直す。合コンは男にだしてもらえばいい、という話をすると違う意見もでてくると思うので違う話をした。(山崎)

投資をするお金がないというのは、よくわかります。自分も若いときはそうでした。

いきなり投資が難しければ、天引きの貯金くらいはじめて、残りのお金でまずは生活できるように家計を管理することからはじめるのがいいかもしれません。

自分もそのプロセスを経てから、積立投資に入りました。

投資するお金を作るコツは自動天引きにすることです。無意識により分ける仕組みを作るとお金が貯まります。

株価の乱高下が激しいが、こうした局面でも積立投資を続けるべきか

「株価の乱高下が激しいが、こうした局面でも積立投資を続けるべきか」という質問です。

  • 投資したらいいんじゃないんですか。会場笑(山崎)
  • 積立をしていてもドカンと下がることもある。下がっているときほどたくさん買えるので、「つみたてNISA」の威力が発揮される。(田村)

続けることが大事ですね。

長期投資で儲かるのか。長期とはどれくらいの期間なのか

「長期投資で儲かるのか」という根本的な疑問です。

  • 「つみたてNISA」はいつはじめるかを考えるかを気にしなくていい制度にした。長期で投資したらいい。(八幡)
  • 投資というのは、自分のお金を経済の生産活動に参加させることだから、長い期間参加させたほうが大きなリターンを期待しやすい。期間は必ずしもこだわる問題ではない。(山崎)

なるほど、勉強になります。

「つみたてNISA」と「一般NISA」は一本化されるのか

個人的には、NISAの行く末は気になります。

  • 未来のことは確定的に言えないが、一本化については昨年の税制大綱にその文言は書いていない。一本化はこだわっていないが、「つみたてNISA」はプッシュしている。(八幡)
  • 年間120万円で20年とかあると、いいような気がしますよね。(山崎)

山崎さんの案、いいですね。会場は笑いに包まれました。

現状は「つみたてNISA」は時限措置です。

「つみたてNISA」を多くの人に活用してもらって、制度の恒久化をぜひ実現してほしいと思います。

仮想通貨は1億円儲かりますか

仮想通貨も話題になりました。

  • 仮想通貨は基本的には長期で価値が増えるロジックがないので、やめたほうがいい。(田村)

昨年から今年の仮想通貨の熱狂と衰退から学べることは結構ありますね。

「つみたてNISA」の信託報酬低下で運用会社は運用できないということはあるか

信託報酬の低下を心配する声もありました。

  • 大丈夫だと思う。端的にこれまで取り過ぎてたんだと思う。まだまだ余地があるし、会社がしっかりやってくれればそれでいい。(山崎)

繰り上げ償還の場合にスイッチングは認められないか

「つみたてNISA」の繰り上げ償還の場合にスイッチングは認められないかどうかです。

  • 今はできないが、今後の検討課題にはなりうる。(八幡)

将来的には話題になるテーマですね。

ロボ・アドバイザーは有効か

ロボ・アドバイザーの話題が一番盛り上がったかもしれません。

  • ロボ・アドバイザーが適切に判断できるかはわからない。自分がどういうリスクをとるのかというのは、自分で決めるのがいい。やり方は金融機関が教えてあげればいい。リスク資産の組み合わせとリスク金額を決めれば、任せるよりも自分でやったほうがいい。(山崎)

これに対して司会の島田さんが、自分で決めることができない人はどうすればいいのか、と山崎さんに返答し、壇上はバトルの様相になりました。

すかさず田村さんが話題転換をして大人の対応をしたわけですが、やっぱり考えの違いがはっきりすると盛り上がりますね。

スリリングで楽しかったです。

「職場つみたてNISA」は流行るか

「職場つみたてNISA」は流行りますかという疑問です。

  • 話をする場がないなかで、職場を通じて浸透させようというのが「職場つみたてNISA」。職場単位で「つみたてNISA」の普及を目指す。金融庁の職員からはじめて、霞ヶ関の職員、全国の公務員や会社員に広げていく。(矢幡)
  • 「職場つみたてNISA」はいい制度。ネーミングは悪いが。社員のファイナンシャルリテラシーが改善することは、人件費の有効活用につながる。金融マンもストレスなく啓蒙できる。経営者、職員、金融機関に三方良し。(山崎)

ひとつのきっかけになるかもしれませんね。課題は金融機関にやる気があるかどうかかもしれません。

どうやったら投資を理解してもらえるか

投資をすることを、家族や友達などに理解してもらえないという問題もあります。

  • 過去のデータをみせて、世界全体に投資すればリターンがあるという数字をみせたらいいかも。(田村)
  • 家内からは投資をやって大丈夫かと言われる。政府が推奨しているといったら、それも信頼できないと妻に言われる。「つみたてNISA」はある程度リスクを想定できるので、リスクを説明してはじめることになった。(矢幡)
  • 自分の金を投資しようというのを反対する妻がいるとしたら、離婚だよね。やみくもにやりたくない、というのはどうなのか。(山崎)

島田さんは、岡本さんの講話のような話をしたほうが女性にはいいかも、という見解でした。このあたり、男女で響くアプローチの違いがあるかもしれませんね。

親族がぼったくり商品を買っている場合、悟らせるには。

これが最後の質問でした。「親族がぼったくり商品を買っている場合、悟らせるにはどうしたらいいか」という話題です。

  • 山崎さんの本を読め、と言う。(矢幡)
  • 遠くの息子よりも近くのセールスになる。日頃から親切に話しかけることが大事なんだなと思う。(山崎)
  • 損したエピソードをたくさん集めておくと、割と耳に入るかもしれない。(山崎)

投資をやっている本人は納得して買っている場合もあります。難しい問題ですね。

日頃からよくコミュニケーションをとっておくことが大事だという山崎さんの話は、大人なアプローチでその通りだなと思いました。

充実の「つみたてNISAフェスティバル2018」

ということで最後は登壇者のみなさんで集合写真です。

充実の「つみたてNISAフェスティバル2018」でした。

将来のためにお金のことについて取り組みたいけれど、お金がない、投資のやり方がわからない、という方も多いのではないかと思います。

それなら「つみたてNISA」です。

ネット証券に口座開設して、「つみたてNISA」で積立投資をはじめてみるだけで、世の中の見える景色が変わると思います。ほとんど手間いらずなのも意外と知られていないようです。

そして、岡本さんが指摘されていたように、投資というのは、いい社会を作るということであり、将来世代のための育成支援にもつながるものです。

こうした投資の基本的な考え方が多くの人に広まるといいなと思いました。

登壇者のみなさん、金融庁のみなさん、お疲れさまでした。

北海道から遠征してよかったです。楽しい機会となりました。ありがとうございました。

以上、金融庁の「つみたてNISAフェスティバル2018」に参加しました…という話題でした。

 

追記:

QUICK資産運用研究所が「つみフェス」をまとめています。私のコメントもご紹介いただきました。

 

日経新聞には田村正之さんの署名記事で紹介されています。

 

参考リンク:

「つみたてNISA」をはじめるなら、最初は証券会社選びです。証券会社の選び方のポイントをまとめています。

 

「つみたてNISA」で何を選ぶかは、はじめての人は迷うところかもしれません。いろんな方法も考えられますが、シンプルにはじめてみるのも1つです。

 

「つみたてNISA」は20代や30代の人がスタートさせています。多くの人にその良さが伝わるといいですね。

 

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なるたく

なるたく

40代会社員です。2012年からインデックスファンドで積立投資を続けています。「はじめての人にもわかりやすく」をモットーに、シンプルな積立投資の方法と経験を書くことで誰かのお役に立てないかと思い、ブログをはじめました。札幌市在住。



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