2021/08/13
今日の日経新聞にレオス・キャピタルワークスの藤野英人さんのインタビュー記事がありました。
長期投資が日本で広がっていくためには、何が必要なのでしょうか。投資教育として何を教えるべきなのでしょうか。
藤野さんが重要な点を指摘していましたので、ご紹介したいと思います。
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長期投資がいいという価値観が大事
日本では、「投資」というと、短期のトレードがイメージされる傾向があります。
なぜ長期投資の考え方が広がらないのか。藤野さんは次のように述べています。
—老後の資金を長期投資で確保しようという考え方はなぜ広がらないのでしょうか。
「日本で投資が広まらないのは、価値観に基づく根深い問題だ。社会が前進して(成長して)いくという認識ができないと長期投資は難しい」
「短期的な相場の変動による影響を避けながら明るい未来をつくる。それを支えるのが長期投資で、それが良いことという価値観が大事だ。日本以外の海外ではそうした価値観がある」
世の中の「投資」のイメージを変えていく必要があります。
「投資」というと、「金儲け」で悪いことだと考える人も多いのが現状です。投資の意味を正しく伝えることはかんたんなことではありません。
ですが、少しずつでも「長期投資が明るい未来をつくる」というメッセージを伝えていくことが大事だと思います。
長期投資が根付いていないのは、日本のこれまでの株価推移が特殊だという事情もあります。日本の企業は株主還元にも消極的ですので、こうした企業の姿勢も変わってほしいところです。
投資信託を使えば、低コストで世界の株式をかんたんに買える時代になりました。世界経済の成長を個人でもかんたんに取り込むことができます。
まずは、長期投資の意味を正しく伝えていく取り組みが必要ですね。
投資教育は資本市場の意味を理解してもらうこと
そして、投資教育のあり方について次のように述べています。
—どのようにして理解を広げますか。
「小学校や中学校の段階から投資についての教育をする必要があるだろう。投資教育の本質は自己責任と分散投資を教えることではなく、資本市場の意味をわかってもらうことだ」
「たとえば起業を体験して資金調達から利益をあげるまでこなしてもらう。肌感覚で市場の意味をわかってもらうことが大事だ。そうでなければ小手先になり、投資の意味を理解できない」
大事なことは、投資教育とは、自己責任と分散投資を教えることではなく、資本市場の意味をわかってもらうことだといいます。
ここが最も重要な指摘だと思いました。
資本市場の意味を理解することは、投資をするときだけでなく、働く際にも必要な考え方です。
「投資」というのは、企業の発展のお手伝いをすることです。投資によって社会に付加価値が生まれます。
小学生や中学生から「市場の意味」をわかってもらう取り組みをすることが、遠回りなようで、いち早く長期投資の理解につながっていくのではないかと思います。
投資とは、世の中をよくすること
藤野英人さんは、著書のなかで投資とは「直接的に、世の中を良くすること」だと述べています。
「お金は汚い」と考える人もいますが、日本の成長を阻んでいる要因のひとつがこうした考え方です。
資本市場の意味がわかって、投資とは世の中を良くする行為なのだと思える人がもっと増えてほしいですね。
以上、投資教育とは、資本市場の意味を理解してもらうこと…という話題でした。
参考リンク:
投資の意味を考えるなら、藤野英人さんのこの本です。投資の意味を理解することができます。
投資をするなら、長期投資のコツをよく理解するといいと思います。
家庭でも子どもに少しずつお金について教えていくことはいいことだと思っています。わが家でも実践中です。