2021/08/13
今日の日経新聞夕刊トップは投資信託の話題でした。
「「年1回分配」投信伸びる 3月末最高12兆円 」として、30〜40代が資産形成をする動きがあるという記事です。
お!と思って記事を読んだのですが、いろんな意味で考えさせられる内容でした。
せっかくなのでご紹介したいと思います。
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時事的な動きをおさえる
この記事のいいところは、最近の時事的な動きをおさえているところです。
投資信託、iDeCo、積立NISAの話題など、最近の資産形成のトレンドをきちんと指摘しています。
たとえば、こんな内容です。
- 30~40代の現役世代が長期運用向きの投資信託を通じて資産形成に動き出している。
- 少額投資非課税制度(NISA)や確定拠出年金などの普及が進み、貯蓄から資産形成への流れに弾みがついている。
- 1月には個人型確定拠出年金(愛称iDeCo)の対象に公務員や主婦らも追加した。
- 18年1月には積み立て型のNISA制度が導入されるなど、政府も現役世代の資産形成のために長期投資を促す制度作りを進めている。
「30~40代の現役世代が長期運用向きの投資信託を通じて資産形成に動き出している」というのが本当なら、まさに私と同世代が投資信託で資産形成をしているということになります。それはいいことですね。
iDeCoも原則として現役世代なら利用できるようになりましたし、来年からは積立NISAも予定されています。投資環境はよくなっています。
「投資信託を通じて資産形成」というフレーズも、まさにこのブログでお伝えしたい内容です。
この点はぜひ記事を読んでいただきたいと思います。
長期投資を見据えた投信…?
この記事では中盤から「年1回決算型投信」という点が強調されます。
あれ…と思っていると、「足元で資産残高を増やしている年1回決算型は、長期の資産形成を目標にする商品」が多いとして、1年間で資産が増えた商品が紹介されます。
それがこの4つの投資信託です。
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド/セゾン投信 資産20%増加
- トレンド・アロケーション・オープン/三菱UFJ投信 資産25%増加
- マイ・ロード/野村アセットマネジメント 資産8%増加
- アセットアロケーション・ファンド(安定型)/三井住友アセットマネジメント 残高4倍
さて、ここで問題です。
この4つの商品は、すべて「30~40代の現役世代が長期運用」するうえで適切な商品といえるでしょうか。
マネーリテラシーを身につけるうえでは、いい題材だと思います。
自分で目論見書を確認しよう
ここで紹介されている4つの商品が、長期の資産形成をするうえで適切かどうかは、あえて私からは述べないことにします。
お伝えしたいのは、大事なことは自分で目論見書を確認して投資信託のコストを確認しようということです。
購入時手数料と信託報酬が重要です。長期投資にはコストがボディーブローのように効いてきます。
参考までにこの記事で紹介された4つのファンドのホームページと購入時手数料、信託報酬を掲載しておきます。
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド/セゾン投信
- 購入時手数料:ノーロード
- 信託報酬:年0.68±0.03%
- トレンド・アロケーション・オープン/三菱UFJ投信
- 購入時手数料:購入価額に2.16%(税抜2.0%)以内
- 信託報酬:実質1.1704%
- マイ・ロード/野村アセットマネジメント
- 購入時手数料:購入価額に1.62%(税抜1.5%)以内
- 信託報酬:年1.0044%(税抜年0.93%)
- アセットアロケーション・ファンド(安定型)【愛称】らっぷちゃん/三井住友アセットマネジメント
- 購入時手数料:購入価額に1.08%(税抜1.0 % )を上限
- 信託報酬:年1.05968%~ 年1.09272%(税抜0.98528%〜1.01832%)程度
日経新聞で紹介されていたファンドはこういう商品です。
購入時手数料が1%ということは、100万円を購入すれば1万円を手数料として差し引かれます。ノーロードというのは購入時手数料が0円ということです。
どちらが個人の資産形成に有利かはわかりますよね…?
信託報酬というのは、毎日かかる運用手数料のことです。
普段知らない投資信託なので、それぞれのホームページを眺めていて、それはそれで楽しめました。投資信託の方針などもなかなかおもしろいものもあります。
…答え合わせ、ご自分でできたでしょうか?
やはり、何事も鵜呑みにせず、きちんと自分で確認することが大事ですね。
以上、今日の日経新聞夕刊トップは投資信託。30~40代が「投資信託を通じて資産形成」とあるけど…という話題でした。
参考リンク:
信託報酬という用語も理解しておきましょう。毎日かかる運用手数料のことです。
以前、同じパターンの記事を紹介したことがあります。やはりお金の知恵を身につけることが大事ですね。
この記事で紹介されている「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」はセゾン投信のファンドです。最近では、セゾン投信は2つのファンドの信託報酬の引き下げを発表しています。