2021/08/13
海外ETFを中心に投資されているフクリさんのブログの問題提起がおもしろかったです。
バンガード社の創業者であるジャック・ボーグル氏は、株式はアメリカのみに投資しているそうです。私も意外な感じがしました。
株式はアメリカのみに投資をすればいいのでしょうか。私も書いてみたいと思います。
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識者の考え方を確認する
まず、こういう論点については、インデックス投資を牽引している識者の見解を参考にするのが一番です。
バートン・マルキール教授とチャールズ・エリス氏の共著『投資の大原則』には、次のような記述があります。
分散投資はどのような投資についてもリスクを減らすことができる。個別銘柄をいくつか保有するのではなく、資産は広い範囲でさまざまなものを持ったほうがよい。アメリカ株だけでなく、中国、ブラジル、インドといった急速に発展している新興国を含めた外国株を保有することが重要である。株式だけでなく債券にも投資しよう。経済危機のときには世界中の株価が同時に下がるが、広く海外市場まで多様化しておけば短期、長期にわたるリスクを減らせる。
バートン・マルキール・チャールズ・エリス『投資の大原則』136頁
経済危機のときは分散してもその効果は限定されますが、国際分散投資をすれば心配の種は減るのです。
バートン・マルキール教授の『ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉』にも、アメリカの株式だけに投資するのではなく、全世界に投資すべきであり、特に新興国にも投資することの重要性が書かれています。
バートン・マルキール教授は、国際分散投資の重要性をさまざまなところで語っています。
自分が国際分散投資をする理由
これまでアメリカの株式のリターンが高かったのは事実です。
ですが私はアメリカの株式だけではなく、新興国株式も含めて広く世界に分散投資をするようにしています。
では国際分散投資をする理由はどこにあるのでしょうか。思いつくのはこんな理由です。
どの国が伸びるのか未来はわからない
残念ながら私には未来がわかりません。ウォーレン・バフェットのような才覚もありません。
自分の場合、どの国が伸びるのかがわかるのなら、インデックス投資はしていません。未来がわかるなら個別株などを黙って買って、ブログも書かずに一人で大儲けしていると思います。
残念ながら未来を予想できる才能はありませんので、大勝ちをしないとしても、大負けをしない戦略としてインデックス投資を選択しています。
2050年には、中国とインドが世界を牽引して、先進国は軒並み新興国に抜かれている構図になると予想されています。これも当たるかどうか私にはわかりませんが、未来がどうなったとしても後悔しないようにしておきたいという思いはあります。
リバランスでリターンを高めればよい
リバランスは、自分が本来想定していた資産配分にもどして健全化させるとともに、リターンを向上させる効果があります。
相関関係が高まってきているとはいえ、先進国株式や新興国株式などの株式同士のリバランスも、違う動きをすればその分だけリバランスをする意味がでてきます。
どこの資産が伸びても定期的にリバランスをすれば、長期投資ではリターンの恩恵にあずかれます。
無理にアメリカの株式だけに限定しなくてもいいかなと思っています。
分散投資をしておけば精神的に楽
分散投資をしておけば精神的に楽だというのもあります。
たとえば、アメリカの株式のみに集中投資したとします。
アメリカが好調のときには気分がいいわけですが、いつもいいとはかぎりません。長期投資をしていれば、新興国が伸びたり、日本株が伸びたりすることもあるわけです。
アメリカに集中投資をすれば、アメリカが伸びれば勝った気分になりますが、逆の場合には、別の資産クラスを買っていなかった自分の過去の判断を受け入れる必要があります。
全部買っておけば、別の資産クラスを買わなかったことを後悔する必要がありません。
投資は一生続けるつもりですので、全世界で買っておけばどこが伸びても精神的に楽、というのはひとつのメリットだと思います。
為替リスクがある
そして、アメリカ株に集中投資をするとドルのみに為替リスクが集中します。
負けにくい投資をしたいというのが、私の発想です。為替リスクを含めて分散投資でリスクを下げて、リターンを高めたいと思っています。
後悔しない状況をつくることが大事
国際分散投資をする理由をもっともな感じで整理してみましたが、じつはこれが正解かどうかも私にはわからないのです。
アメリカ株に集中したほうが、リターンが高くなるのかもしれませんし、そうではないかもしれません。
国際分散投資をしておくメリットは、どんな未来予想でも「まあまあ勝っている」という状態を作り出せる可能性が高いところだと思います。
これからの長い道のりを考えると、どの資産クラスが伸びても後悔しない状況を作っておきたいというのが、私が国際分散投資をしている大きな理由です。
とはいえ、投資対象や方法はその人の自由であり自己責任です。リスクのとれる範囲も人それぞれです。
それぞれの方針で好きにやりましょう。
以上、私がアメリカ株だけでなく、国際分散投資をする理由…という話題でした。
参考リンク:
バートン・マルキール教授は、以前紹介したインタビューでは、中国の成長についても語っていました。広範に世界に向けて分散投資をすることを推奨しています。
2050年の世界予想です。30年以上先の未来予想で当たるかどうかわかりませんが、参考にはなります。
リバランスでリターンを高めれば、どの資産クラスが伸びてもリターンを期待できます。リバランスは賢い戦略のひとつです。