2021/08/13
2019年という新たな年を迎えました。
年始ということで、積立投資の原点を確認するような記事を書いてみようという気分になりました。
そこで、「名言から学ぶ積立投資」と題して、何回かにわたって名言を紹介しながら積立投資の基本を確認してみたいと思います。
第2回は、ジャック・ボーグルの名言です。
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リターンの源泉は分散とコスト
ジャック・ボーグルは、アメリカのバンガード社の創業者で、インデックスファンドを発売して世に広めた第一人者です。
『The Little Book of Common Sense Investing』という本で、ジャック・ボーグルはインデックスファンドの優位性を語っています。これは非常にためになる本で、私も感銘を受けた1冊です。
この翻訳としては、『マネーと常識』(2007年)と『インデックス投資は勝者のゲーム』(2018年)の2冊があります。
そこではインデックスファンドの優位性が語られていますが、この本で強調されるのはリスクを排除した分散とコストの重要性です。
引用してそのままご紹介します。
インデックスファンドが達成する優れたリターンには、2つの基本的な利益の源泉がある。すなわち、①個別銘柄のリスクや投資スタイルによるリスク、ファンドマネージャーによるリスクをすべて排除し、市場リスクのみを残した、可能な限り幅広い分散投資、②最低限に抑えられたコストと税金、である。インデックスファンドはこの両方を実践することにより、株式市場が獲得したグロスリターンからわずかなコストを差し引いたネットリターンを提供するのである。(『マネーと常識』221頁)
ここで指摘されているのは、インデックスファンドの2つの優位性です。
1つは、インデックスファンドが不要なリスクを排除して幅広い分散投資を可能にすることです。
本書ではインデックス運用がいかにアクティブ運用より有益かが詳細に語られています。インデックスファンドであれば、可能な限り幅広い分散投資ができます。
もう1つは低コストです。
インデックスファンドは低コストで優位性があります。
日本の投資信託はまだ高コストなものがたくさんありますが、高いコストを支払っているうちはリターンはうまく向上しません。
インデックスファンドを使えば、誰でも幅広い分散と低コストで資産運用を実現することができます。
インデックスファンドで市場全体を保有することが、投資信託で勝ち残る道だとジャック・ボーグルは教えてくれます。
不要なリスクをとらない
個人投資家の目線で考えると、リスクの大きい株式市場で生き残るためには、不要なリスクをとらないことが大切です。
そして、リターンの源泉は幅広い分散と低コストです。
それをかんたんに実現してくれるインデックスファンドというツールを、うまく利用したいですね。
以上、リターンの源泉は幅広い分散と低コストである。−名言から学ぶ積立投資(2)…という話題でした。
参考リンク:
今回紹介した本ですが、絶版になっていますが、読むなら2007年版が読みやすくなっています。
ジャック・ボーグルに賛同した人たちのコミュニティの教えも参考になります。ボーグルヘッドの哲学は、日本でもそのまま通用すると思います。
ジャック・ボーグルの教えのひとつに「自分のコントロールできることに注力せよ」というものがあります。投資するならこちらも重要です。
名言にから学ぶ積立投資、第3回はバートン・マルキールとチャールズ・エリスの名言です。