2021/08/13

先日、金融庁で「つみたてNISA」の意見交換会が開催されたそうです。
札幌在住の私は仕事もあって参加できなかったのですが、みなさんのレポートなどを読んで、充実した意見交換会だったことがわかりました。
金融庁が個人投資家から意見や要望を聞いているといいます。せっかくなので、私も書いてみたいと思います。
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突然ですが携帯電話の話を
突然ですが、2006年当時の携帯電話の話をしたいと思います。
今の投資をめぐる状況は、2006年当時の携帯電話業界に似ているなと個人的には思っています。
パソコンのように使える携帯電話がいくつもありました。いずれもペン入力やキーボードが内蔵されていて、度を越したと言えるほど機能が詰め込まれた機器でした。
私もWILLCOMのW-ZERO3を使っていたのを懐かしく思い出します。
W-ZERO3は高機能な端末でした。
電話とパソコンが合体したような端末で、キーボードとスタイラスで使います。このときはある意味でセンセーショナルな端末で、マニアの間では注目の端末でした。
スライドしてキーボードがでてきます。WordやExelも使えたので仕事でも使っていました。
高機能でしたが、今から考えてみると、使いにくかったのも事実です。難しい操作性で何をやるにも複雑で、機能が複雑過ぎて使いこなせず、一部のマニアしか使わないような端末でした。
今から振り返ると普及という意味では成功しませんでした。端末が大きいので「それ、弁当箱?」とバカにされることも多かったのでした。
今の投資業界はこのときに似ている
そして2017年の今、投資業界は2006年の携帯電話業界に似ているように思います。
投資をめぐる状況は充実しています。
「iDeCo」に「NISA」、「ジュニアNISA」、そして2018年には「つみたてNISA」がスタートします。
他の国よりも高性能なところもあるでしょう。所得税控除と非課税枠を利用して、個人が資産形成をしやすい状況になっています。
ですが、iDeCoは属性によって非課税枠が違いますし、iDeCoの申請も複雑で時間がかかります。会社に申請書を書いてもらうのも一苦労でした。
そして、NISAも来年から3種類です。「NISA」、「ジュニアNISA」、そして「つみたてNISA」です。
NISAのロールオーバーも難しい仕組みですし、「つみたてNISA」も20年と利用期間は延びましたが、NISAの3つの違いを説明するだけでも難しいお題です。
なにがいいたいのか、わかりますかね。
金融庁長官にスティーブ・ジョブズになってほしい
私のいいたいことは1つです。
「金融庁長官にスティーブ・ジョブズになってほしい」
…冗談みたいですが、本気です。笑
2007年、アップルのスティーブ・ジョブズが「携帯電話を再定義する」として、iPhoneを発表しました。
シンプルに、使いやすく携帯電話を再定義したのです。
当時のプレゼンがこれです。
この映像、今見ても感動するんですよね。
私は、金融庁長官にスティーブ・ジョブズのように、ステージを歩きながら、こんなふうにプレゼンしてほしいのです。
投資といえば…「iDeCo」、「NISA」、「つみたてNISA」だよね。
投資信託を使うなら、ポートフォリオにインデックスファンドやアクティブファンドを組み合わせる。
iDeCoの申請をして、NISAを3種類から選んで、NISA口座を開設して、バラバラに資産管理する。
…しかしこれではカッコが悪いし、スマートではないよね。
しかも使いにくい。
使いにくいのはまっぴらゴメンだ。
私たちがほしいのは、アメリカや、イギリスなんかよりも、
最も便利で、そしてすごくかんたんに使える、そんな投資環境なんだ。
…こんな感じで、「投資環境を再定義する」一歩を踏み出してほしいと思うのです。
iPhoneと同じです。
世の中に積立投資が広まるために必要なのは、「シンプルで使いやすい」投資環境です。
つみたてNISAの対象を絞る方向性は、「シンプルで使いやすい」方向性と合致していると思います。
そこをもう1歩、全体的に進めてほしいのです。
携帯電話からiPhoneに移行したときのコメントです。
「いまのケータイは、何度もリフォームした中古住宅のよう。機能が追加されていて便利だが、使い勝手は悪い。その点、iPhoneはデザイナーズ住宅でおしゃれでかっこいい。更地にイチからデザインされており、無駄がなく、住み心地は最高なはず」
これが、投資環境においても、金融庁の改革で実現してほしいなと思います。
金融庁の活躍を期待しています
金融庁の最近の活躍は「素晴らしい」の一言です。
ただ、今の投資環境は2006年当時の携帯電話業界に近い感じもします。
金融庁にはぜひシンプルで使いやすいプラットフォームを設定してほしいと思います。
そうすれば、楽天証券やSBI証券などの先進的な会社が「シンプルで使いやすい」投資環境を作ってくれるはずです。
日本の未来のために、金融庁のみなさんにはぜひ頑張ってほしいと思います。
以上、金融庁に伝えたい、一個人投資家のたった1つの要望…という話題でした。
参考リンク:
金融庁の森長官のメッセージは世の中を変えようとしています。ぜひ頑張ってほしいと思います。
今年の「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」の開会にあたり、 金融庁の森長官からのメッセージが披露されました。今読み返してみると、森長官のメッセージはブレていないことがわかります。
金融庁は積立NISAを「顧客に寄り添った商品」に限定する方針です。対象となるのは、約5,400本の公募株式投信のうち、今のところ50本前後だそうです。
金融庁は、これまでにも金融機関の問題点を指摘しています。買ってはいけない金融商品を買わないマネーリテラシーを身につけたいですね。
コメント
そういう環境を構築して貰えれば最高ですね。
実際には財務省などの抵抗官庁の力が巨大なので、難しいとは思いますが。
私は今の金融庁に求めるのはもっと小さなことで、
つみたてNISAで、債券やREITのファンドも購入できるようにして欲しいです。
私の投資額では年40万円で十分なんですよね・・・
投資にあまり興味のない一般人もこの投資額があれば十分だと思います。
つみたてNISAできちんとアセットアロケーションを組むことができる制度にして欲しい。
by AKI 2017年6月3日 7:53 AM
AKIさん
ありがとうございます。
そうですね。ニーズは人それぞれですよね。
AKIさんのように債券やREITも含めてアセットアロケーションを組みたい方もいると思います。
一方で、年40万円では少し足りない方や複雑なのはいやな人もいます。
iPhoneが一気に普及したのは、シンプルで使いやすく、機能制限が基本的にないところですよね。
将来的にNISAは1本化がいいと個人的には思います。
抵抗官庁がたしかに問題ですね(笑)。
金融庁には「シンプルで使いやすい」制度構築に向けて頑張ってほしいと思います。
なるたく
by loloinvestors 2017年6月3日 1:37 PM