2021/08/13

sponsored link
目次をタップすると見出しにとびます
ロボ・アドバイザーは役にたつ?
資産運用に関心はあるものの、どうやればいいのかが分からないという人もいるのではないかと思います。特にアセットアロケーションを作る段階では、その資産配分をどうするかは大きな悩みどころです。
金融機関の窓口に相談したくなるところですが、金融機関は「羊の皮をかぶった狼」の可能性も否定できません。金融機関にとっては、初心者は都合のいい相手です。
そこで、アセットアロケーションの作成の手助けとして可能性があるのが、ロボ・アドバイザーのサービスです。各社がロボ・アドバイザーサービスを開始しています。
そのなかでも、金融機関3社のロボ・アドバイザーは、個人情報の登録なしに無料で誰でも利用可能です。
そこで、実際に使用してみて、その使い勝手をランキングしてみました。
なお、今回は、個人情報の登録が必要なく、無料で利用できるものを対象としました。資産運用サービスを提供するお金のデザインのTHEO(テオ)は、有料利用が前提になっているので対象から除外しています。
無料ロボ・アドバイザーランキング
操作性 、中立性、提案商品、有用性 について5段階で評価しています。総合得点でランキングをつけてみました。結果はこうなりました。
1位 みずほ銀行の「SMART FOLIO」(スマートフォリオ)
概要
- 2015年10月30日開始
- 質問数 7つ
- 診断時間 3分程度
- 提案商品はi-mizuhoシリーズ
- 「みずほダイレクト」での購入を提案
「リスク許容度診断」とモデルポートフォリオ作成のロジックは、みずほフィナンシャルグループで機関投資家向けの資産運用コンサルティングを手掛ける「みずほ第一フィナンシャルテクノロジー」(みずほ第一FT)が担当。モデルポートフォリオは、みずほ第一FTが金融工学の理論(現代ポートフォリオ理論など)を活用して一定の前提の基で試算する。提案する投資商品はi-mizuhoシリーズ。
【参考】「スマホで手軽に資産運用」の時代は訪れるか――みずほ銀行がアジャイル開発で取り組む「ロボアドバイザー」の今後
スマートフォリオの私への提案
- 国内債券11%
- ヘッジ外債15%
- 国内株式12%
- 海外株式38%
- 国内REIT9%
- 海外REIT15%
使ってみての評価
- 操作性 4
- 中立性 3
- 提案商品 3
- 有用性 3
コメント
3つのなかでは最も参考になる提案だと思いました。投資商品もi-mizuhoシリーズで、それなりに低コストの商品を提案してくれます。
2位 三菱UFJ国際投信のPORTSTAR(ポートスター)
概要
- 2016年3月開始
- 質問数 5つ
- 診断時間 2分程度
- 「eMAXIS最適化バランスシリーズ」から提案
「eMAXIS最適化バランスシリーズ」の5本のバランス型投信の中から顧客に最適なものを提案する。このシリーズは、リスク水準が異なる5本で構成されており、リスク水準は低いものから6、9、12、16、20%の5コースがある。ノーロードで信託報酬は全て0.5%。
【参考】三菱UFJ国際投信、ロボアド付きのバランス型投信(日経新聞)
PORTSTAR(ポートスター)の私への提案
- 新興国株式12%
- 先進国株式21%
- 国内株式22%
- 先進国REIT12%
- 国内REIT9%
- 新興国債券12%
- 先進国債券5%
- 国内債券7%
使ってみての評価
- 操作性 3
- 中立性 3
- 提案商品 3
- 有用性 2
コメント
「eMAXIS最適化バランスシリーズ」の5つのなかから選ぶならコレ、という提案です。海外を含め広範に分散投資を提案してくれますので、どんな割合が自分にあっているのか、参考のひとつになると思います。
第3位 野村アセットマネジメントの「Funds Robo」
特徴
- 2016年4月28日開始
- 質問数 5つ
- 診断時間 2分程度
- 投資商品の提案なし
クォンツ・リサーチ株式会社のサービスで、過去の指数データを用いて、積立等の各種シミュレーションの計算を行う。野村アセットマネジメントが提供する指数データに基づいて計算・作成する。
Funds Roboの私への提案
- 新興国株式30%
- 外国株式20%
- 外国REIT20%
- J-REIT20%
- 新興国債券10%
使ってみての評価
- 操作性 3
- 中立性 2
- 提案商品?
- 有用性 1
コメント
私への提案は、REITの割合が全体の40%を占めています。新興国債券も20%も入るもので、どうしてそのほうがいいのか、やや疑問がある提案でした。具体的な提案商品もなく、現状では他社より遅れをとっているという印象です。
無料なら初心者が参考にしてもいいと思う
使ってみての印象ですが、こうしたロボ・アドバイザーのサービスは、初心者が資産配分を考えるうえでは、それなりに存在価値があるように思いました。
投資が初めての方は、勉強の一環として条件を変えて何度か試してみるといいと思います。どんなところに気をつけたらいいのかがやっているうちにわかると思います。
ダイヤモンドZAi (ザイ) 2016年6月号にAKB48の積立投資の体験記事がありましたが、メンバーの多くが身近だからということで日本株式クラスだけに投資していました。こうしたロボ・アドバイザーのサービスを利用すれば、もう少しアセットアロケーションのイメージが違ってくるのではないでしょうか。
現状では、各社とも自社の投資信託の販促サービスの扱いです。あらゆるETFや投資信託から本当に低コストの投資信託を提案してくれるようになると、個人投資家の見える景色も変わってくるでしょう。
無料でロボ・アドバイザーがどの程度まで発展できるのか、今後の展開に期待したいと思います。