2021/08/13
2019年という新たな年を迎えました。
年始ということで、積立投資の原点を確認するような記事を書いてみようという気分になりました。
そこで、「名言から学ぶ積立投資」と題して、何回かにわたって名言を紹介しながら積立投資の基本を確認してみたいと思います。
第3回は、バートン・マルキールとチャールズ・エリスの共著からの名言です。
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時間差による分散投資をする
バートン・マルキールとチャールズ・エリスの『投資の大原則』は、私も好きな一冊です。
翻訳は2010年に「投資の大原則〔第1版〕」が出版され、2018年に「投資の大原則〔第2版〕」が出版されています。
この本は、全世界で通用するシンプルな資産形成の方法が書かれている大変有用な入門書です。投資の基本がコンパクトにまとまっていますので、私も何度も読み返している一冊です。
そこの1つの章が、「一に分散、二に分散、三に分散」です。
そこでは、資産クラスの分散だけでなく、「時間差による分散投資」も推奨しています。
引用してそのままご紹介します。
とくに大切な分散投資の原則を伝えたい。それは時間差による分散投資である。
…一定金額を毎月、または3ヶ月ごとに定期的に投資をすると、確実に株価が安い好条件のときに自分の資金を投資に回せる。投資アドバイザーはこのテクニックをドル・コスト平均法(定期定額投資)と呼んでいる。この方法で長期にわたって投資をしていくと、株価の高いときは少ししか買えないが、株価が低いとたくさん買える。リスクがなくなるわけではないが、一時的な値上がりのときに全資産を投入するという悲劇は妨げる。
…そして、景気の先行きが真っ暗闇だとしても、定期的に投資を続けるために現金と自信を持ち続けなければならない。経済ニュースを見るのがどんなに怖くても、楽観的兆候がまったく見当たらなくても、このドル・コスト平均法による投資を途中で投げ出してはならない。もし途中で投げ出してしまえば、株価が急落したときに株を買うという恩恵を失うからだ。(2010年版90頁以下)
毎月定期的に購入するドル・コスト平均法は、株式投資のリスクを抑える万全の解決策ではありませんが、本書では「株が値下がりしたときに備えた保険」のようなものだと述べています。
そして、実践するうえで大事なポイントは、「ドル・コスト平均法による投資を途中で投げ出してはならない」というところです。
ニュースを見るのが怖くても、楽観的兆候がまったくなくても、株を安く購入できるという恩恵を得るためには、積立で買い続けることだというのが、バートン・マルキールとチャールズ・エリスのアドバイスになります。
市場から撤退しない方法を選択する
今日は大発会でしたが、世界的に相場は下落傾向でした。
大事なことは、株式市場から撤退しないですむ方法を選択していくことです。そのひとつが「時間差による分散投資」です。
リーマン・ショック級の暴落がきた場合に、評価額は下がったとしても、そのなかでも購入していく勇気が必要です。
そのためには、証券会社の仕組みを使って自動的に積立をするのが合理的です。
暴落時に撤退しないですむ方法を選択できているか、今から確認しておきたいですね。
以上、時間差による分散投資をする。−名言から学ぶ積立投資(3)…という話題でした。
参考リンク:
一括投資と積立投資、どちらがいいのかは論争になる話題です。初心者の方にとってどちらがいいかは、結構はっきりしていると私は思います。
下げ相場ではドル・コスト平均法が効果を発揮します。値動きで有利不利が変わることはおさえておきたいですね。
質問です。相場が下がったほうが嬉しいですか。それとも上がったほうが嬉しいですか。ウォーレン・バフェットの質問は、投資の基本を教えてくれます。
最終回の第4回はバンガードの投資哲学をご紹介します。