2021/08/13
かんぽ生命とゆうちょ銀行の不適切販売がニュースになっています。
金融機関には「人間のリスク」があります。
これはおそらく氷山の一角にすぎません。現在でも「利用者本位でない営業」が横行していることを、多くの人が知ったほうがいいと思います。
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かんぽ生命とゆうちょ銀行の不適切販売
かんぽ生命とゆうちょ銀行の不適切販売の実態が報道されています。
かんぽ生命では、不適切な乗り換え契約が行われていたそうです。
同問題をめぐっては、かんぽ生命が昨年11月分の乗り換え契約2万1千件程度を調べたところ、不適切販売の疑いのある契約が5800件に上ったことが判明。かんぽ生命を傘下に持つ日本郵政の長門正貢社長が24日の記者会見で、「(報道などで)指摘されている側面はあったので反省している」と陳謝している。
かんぽ生命の不適切販売疑い 「適正な対応を指導」麻生金融担当相
また、ゆうちょ銀行では勧誘時に行うべき確認作業を怠っていたとのことです。
報道からは、高齢者がターゲットになっている実態がうかがえます。
ゆうちょ銀は今年2月、70歳以上の高齢者への勧誘・販売に関する社内規則違反が疑われる事案があったことから、内部調査を開始した。2018年4月から19年2月の販売実態を調べたところ、233店のうち約9割にあたる213店で、勧誘時に事前に行うべき「健康状態が良好か」「会話がスムーズにできるか」などの確認を怠っていた。
ゆうちょ銀・かんぽ生命が不適切販売、日本郵政は信頼できるか
西日本新聞では、契約の乗り換えについて70代の女性のトラブルが紹介されています。
養老保険の保険料が月に10万円を超える乗り換え契約を促し、不必要な特約も勝手につけられていたということです。
女性は2013年、長男を被保険者とする養老保険を契約。月の支払額は7万560円。満期は10年後の23年で、800万円を受け取る内容だった。「子どものための貯金になる」と加入したという。
約3年前、2人組の局員が自宅を訪れ「良い保険がある」と別の保険を勧誘。既に保険に加入していたため断ったが、局員は「相続税対策になる」「今入っている保険の内容を圧縮すれば、保険料は支払えますよ」と繰り返し、同じ名称の保険に乗り換え契約した。
後日、新たな契約内容を確認すると、月額保険料は以前より3万円以上多い10万8350円になり、支払期間も27年までに延びていた。さらに、他の保険会社の医療保険に加入していたため「必要ない」と伝えていた入院特約も勝手に付けられていた。
「納得できない」かんぽ生命、乗り換えで月3万円増 70代女性憤り 不適切営業問題
月額10万円以上の保険料の契約を結ばせて、契約内容も顧客の意向に沿っていないようです。
これが現状の金融機関の実態であり、金融庁が問題視している部分です。
金融機関の従業員もノルマを課されていて、無理な販売を強いられている側面も否定できませんが、こうした状況はいち早く改善していく必要があります。
金融機関には「人間のリスク」がある
山崎元さんがよく述べていますが、金融機関には「人間のリスク」があります。
利益を上げようとして、高い手数料の金融商品を売ろうとする「人間のリスク」があるということですね。
最近思うのは、これは構造上の問題なのではないかということです。
インターネットの発達により、金融商品の取引がスマホでかんたんにできるようになりました。マイナス金利政策で、金融機関は利益を上げることが難しくなっています。
店舗型の金融機関は、もっと合理化を進めなければならないところですが、現状では温存されているために無理な販売につながっているようです。
ゆうちょ銀行やかんぽ生命は、店舗数が多いこともあって利益確保が厳しいのかもしれません。こうした状態を温存することは、「人間のリスク」を高めることになりますし、働いている側も苦痛なはずです。
金融機関の統廃合を進めないかぎりは、しばらくこうした状況は続くのかもしれません。
残念なことですが、私は店舗型の金融機関に極力近づかないようにしています。
投資に興味を持った方も、金融機関には「人間のリスク」があることを知っておきたいですね。
以上、金融機関には「人間のリスク」があることを知ろう…という話題でした。
参考リンク:
これから投資をするならネット証券です。「人間のリスク」がなく、どこにいても自由にアクセスできます。
外貨建ての貯蓄型保険などは買ってはいけない商品です。金融庁が教えてくれています。
投資信託での資産形成も、コツを知らないと失敗する可能性があります。きちんと基本を学びたいですね。