2021/08/13

投資をはじめるときにまとまったお金がある人にとって、一括投資をするか積立投資をするかというのは悩みどころです。
読者の方からご質問をいただきました。
自分の考えをまとめてみたいと思います。
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投資1年目で700万円を投資する
Mさんからご質問をいただきました。ブログでご紹介することについてもOKをいただきましたのでご紹介したいと思います。
30歳の会社員です。専業主婦の妻と6ヶ月の子供が1人いる3人家族です。
現在、1400万円程度の貯金があります。
2017年後半から月1万円程度でバランスファンド等に投資をして、今年から本格的に投資する予定です。現状の全資産の50%(700万円)を投資にまわそうと計画しています。
現状の株価高の状態で700万円(私には高額)の資産を投資に回してよいのかどうかについてアドバイス頂けませんでしょうか?
今後の状況は誰にも分からない為、始めたいときが始め時だということも書籍等で読んだこともありますが、どなたかのブログで現状保有している余裕資産は株価高の為、ひとまず保有しておくとの意見もあった為、悩んでおります。
ご意見いただけますと幸いです。
【運用方針】
- 運用方針:安全資産50% リスク資産50%(配分は下記)
- アセットアロケーション:
国内株式 10% (eMAXIS Slimシリーズ)
先進国株式50% (eMAXIS Slimシリーズ)
新興国株式20% (eMAXIS Slimシリーズ)
国内債券 20% (個人向け国債変動10年)
- まだ30歳なので、リスクは国内債券20%と少し高め⇒期待リターン+リスクからの想定最悪マイナス額は承知済み
- 運用額:上記方針の基、現状の全資産の50%(700万円)を1年程度かけて積立投資+月給与の内20%程度を積立投資(ボーナスも合わせ、安全資産とリスク資産が50%ずつになるように調整)
- 確定拠出年金やNISAの利用について:確定拠出年金⇒勤務先にて運用中(マッチング拠出有)【先進国株式ファンド100%】
- NISA⇒私と妻でつみたてNISAを開始【先進国株式ファンドと新興国株式ファンド】
- 内容⇒リスク資産全体で上記アセットアロケーションを守るように特定口座も合わせて調整
- 証券会社:楽天証券(楽天カードユーザーなので、ポイントを使った投資も可能な為)
ご質問ありがとうございます。お答えしてみたいと思います。
投資のコツは「手に汗を握らないこと」
よく勉強されているようですね。
低コストのインデックスファンドを選択して、確定拠出年金と「つみたてNISA」(奥さんもはじめたのはいいですね)も非課税枠を大きくつかうという方針ですね。
投資のスタートとしては十分な内容ではないでしょうか。
積立投資を長く続けるポイントは、「手に汗を握らないこと」、「感情に流されないこと」だと思っています。
ご質問は、1年で700万円を投資していくことでいいか、ということですね。
ご質問の文面に「700万円(私には高額)」とあり、(私には高額)というお気持ちが書かれてあります。
もしかしたら700万円という金額を1年で投資していくことに「手に汗を握る」感じがあるのではないでしょうか。
一括投資か積立投資か
このご質問で関連する話題といえば、一括投資がいいか、積立投資がいいかという点です。
山崎元さんがよく著書で書かれていますが、相場はわからないというスタンスからすれば、機会損失につながることから理論上は一括投資が正解です。数十年単位で考えていくなら、一括投資で問題ないというのは理論的にはその通りだと思います。
ただ、一括投資ができるのは、投資を行った経験のあるベテランだからできることで、初心者には必ずしも正解ではないという思いもあります。自分が投資をはじめた頃の気持ちもおぼえているからです。
株高だと思っているときに一括投資をして、その後に下落をするとそれなりに評価損になります。
それに耐えられるかどうかです。
投資をはじめたばかりの方には、それが心理的に負担になる可能性もあります。
2017年後半から投資をはじめたということですから、まずは「投資に慣れる」ことからはじめたらいいのではないでしょうか。
積立で投資に慣れる
「月給与の内20%程度を積立投資」とありますので、その金額を基本に「iDeCo」と「つみたてNISA」の非課税枠を使って、毎月の投資でまずは値動きに慣れるのがいいと思います。月1万円の期間から比べれば投資額も大きくなっています。
1年程度してくれば慣れてくると思います。「手に汗を握らないな」と思えた段階で、毎月の積み立てる金額を増やせばいいのです。
つまり、700万円については1年といわず、自分のタイミングで2年から3年くらいかけて中長期的に投資にまわせばいいように思います。
長期投資において「気持ち」を整えることは思った以上に重要です。まずは「投資に慣れる」というところに重点をおくといいと思います。
2〜3年して資産がマイナスになる相場も一度経験すると、腹がすわってくると思います。
手前味噌ですが、私のブログの「感情に流されない」というカテゴリの過去ログも参考にされてください。
ドラクエと同じです。数年経てば、レベルアップして違った境地になっていると思います。
下落相場がチャンス
そして、下落相場がきたときが「チャンス」ですよね(安く買えるので)。
これも下落相場というのははっきりとわからないものですが、イメージとしてはメディアが右往左往しているときです。
そして、下落相場がきたときに待機資金を使って「リバランス」をすればいいのです(抵抗がなければそのときにそれなりの金額を投入してもいいでしょう)。
下落相場の考え方についてはカンチュンドさんのエントリーが参考になります。
まずは「投資に慣れる」というところに重点を置くといいと思います。
もし経験値があがって抵抗がなければ、そのときに一括投資でもいいでしょう。ここでも一括投資をするのが心理的負担なら、積立額の増額がいいと思います。
はじめたら長期の投資になります。バイ・アンド・ホールドでやっていきましょう。
ご返信をいただきました
Mさんからご返信をいただきました。ありがとうございます。
この度はご丁寧なご回答をいただきまして誠にありがとうございます。
この度、なるたく様の投資方針のご参考にさせていただき、私の方針としても生活防衛資金として生活費の2年分を貯めるとし、
実際貯まっている為、残りの資金をすぐに投資に回さねばと焦っていた自分に気づかされました。
まずはアドバイスいただきましたように、
毎月の給与から一定分(これまでの1万円/月より高額)と一定の余裕資金で、
- 私自身 の確定拠出年金のマッチング拠出分
- 妻と私のつみたてNISA
の非課税枠内での投資を行い、もう少し慣れていこうかと思います。
ちなみに私もドラクエが大好きですので、ドラクエの話題はいつも以上にすんなりと入ってきました。
余談ですが、私はスーファミ版のドラクエVが最も好きです。
また、山崎元さんの共著「難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えてください」も読ませていただき、その中で一括投資の話をされていましたが、さすがに自分には無理だなと感じたことを思い出しました。
まずは下記の自分のアセットアロケーションを守りながら、月々の投資を進め、心を鍛えたいと思います。
昨年後半から始めた、今後長く付き合っていく投資の世界について、現在はまだ助走部分ですが、今年はホップの年になるようにして、来るべきステップ・ジャンプへの準備を進めていきたいと思います。
この度は誠にありがとうございました。
以上、今後とも宜しくお願いいたします。
きちんとした文章ですね。素晴らしいご返信に嬉しくなったのでした。
愛がある、冒険がある、人生がある
スーファミ版のドラクエVは楽しかったですね。子どもの時代から成長していくストーリーが最高でした。
ドラクエをはじめてプレイしたのは小学生のときでしたが、最初はドキドキしていたことを思い出します。積立投資も同じです。とくに最初はドキドキすると思います。
ドラクエⅤのキャッチコピーは「愛がある、冒険がある、人生がある」です。積立投資にもぴったりなフレーズです。
私もまだレベルアップの途中です。いっしょに冒険の書に旅を記録していきましょう。
ご質問ありがとうございました。
以上、一括投資と積立投資、初心者にとってどっちがいい?…という話題でした。
参考リンク:
積立投資は、ドラクエと同じです。経験値をためてレベルアップすると見える景色が変わってきます。
証券会社の選び方はポイントのひとつです。低コストのインデックスファンドを購入できる会社を選ぶようにしましょう。
一括投資と積立投資のメリット・デメリットについては、こちらのほうが説明としては詳しくまとめています。参考にしてください。
「はじめての人のための3000円投資生活」を読んだ人に向けて、5回にわたって積立投資のコツを書いています。ドラクエでいう、初心者向けの攻略のコツです。積立投資がはじめてという方は、ぜひどうぞ。