2021/08/13
横山光昭さんの「はじめての人のための3000円投資生活」がベストセラーになっています。
多くの人がこの本をきっかけに積立投資をはじめようというところだと思います。
そこで、「『3,000円投資生活』の実践」と題して、本を読んでこれから積立投資をはじめる方に役に立ちそうな話を書くことにしました。本の内容を補足する「読みもの」として楽しんでもらえればと思います。
第1回のテーマは、「一時的な価格変動に振り回されない」です。
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一時的な価格変動に振り回されない
横山さんの本には、「価格の上がり下がりに一喜一憂してはいけない」(137頁)、「一時的な価格の変動に振り回されない」(138頁)ことが投資を成功させるポイントだと書かれています。
もしかしたら、これが積立投資で最も重要な点かもしれません。
たとえば、積立投資をしていてもあまり値上がりしないので、「もっと効率のいい投資方法があるのでは」と目移りしてしまって積立投資をやめてしまう人がいます。
逆に、急に値下がりしたので「価格が戻らないのでは」と狼狽して売ってしまったりする人もいます。
価格変動に振り回された瞬間に、積立投資は残念ながら失敗してしまいます。
価格変動に振り回されないための4つのコツ
本には「一時的な価格変動に振り回されない」とさらっと書いてありますが、じつはそれほどかんたんなことではありません。
というのも、振り回されてしまうのは「自分の感情」だからです。「損をするかも」と思ったとき、人はかなり狼狽します。まさに「言うは易く行うは難し」です。
では価格変動に振り回されないためにはどうしたらいいでしょうか。狼狽してしまわないためには、個人的には次の4つが大事だと思っています。
積立投資の基本を理解する
1つめは、積立投資の基本を理解することです。
積立投資は、「時間を味方につけて成果を上げる」投資法です。短期ではそもそも成果がでにくいのです。
短期で成果がでなくても、たとえリーマンショック級の暴落がきたとしても、「自分のゴールはもっと先だ」と思えるかどうかで、一時的な価格変動に振り回されずにすむかどうかが違ってきます。
本にも、「恐慌が起きても、回復までの期間を長めにとらえて運用する」(83頁)ことが大切だと書かれています。
積立投資の基本を理解して、長期的な目線でゴールを設定することが大切です。
生活防衛資金を用意する
2つめは、生活防衛資金を用意することです。
生活防衛資金があれば、仮に暴落に直面したとしても、投資資金は「しばらく使う予定のないお金」だと思えます。
心の安定を得るためには、暴落時に「投資にまわしていないお金を自分はちゃんと用意しているし、別に相場が回復するまで待っていればいいや」と思えれば、どんな相場でも落ち着いていられます。
自分の場合は2年分の生活費の生活防衛資金を用意しています。
しばらく使わないお金で投資する
3つめは、しばらく使わないお金で投資することです。
毎月3,000円の金額なら、「しばらく使わないお金で投資する」という感覚を持てると思います。値動きになれるまで、3,000円投資を続けるのがいいでしょう。
金額を増やす場合でも「しばらく使わないお金で投資する」ことです。使う予定のあるお金で投資すると、知らず知らずのうちに、相場が気になってしまいます。
しばらく使わないお金であれば、ほったらかしておいても気になりません。
あらかじめ暴落をシミュレーションしておく
4つめは、あらかじめ暴落をシミュレーションしておくことです。
10年や20年の積立投資をしていれば、リーマンショック級の暴落がおきることは想定外のことではありません。
バランス型投信でも、リーマンショック級の暴落があれば1年で3、4割は評価が目減りすると考えておくべきでしょう。
そんな事態に直面したときどう思うでしょうか。
「投資にまわしていないお金があるし、相場はいずれ回復するだろうから、しばらくほったらかしで積立を続けていればいいや」と思えるでしょうか。それとも「3割も減ってしまった…。どうしよう…。」と思うでしょうか。
ここでどう思うかで、積立投資の行く末は大きく違ってきます。
自分のリスク許容度は、下落相場を経験してみてはじめてわかるところです。
下落時に動揺しそうだと思う人は、投資にまわすお金を大きくしないで、貯金の割合を多めにしておくといいと思います。
仲間がいれば乗り越えられる
じつは、積立投資にとって下落相場はチャンスです。インデックスファンドを安く購入できるからです。
もう少し勉強を進めてみて、じつは下落相場がチャンスだということが理解できれば、3,000円投資生活はその後もうまくいく可能性が高いと思います。
そうはいっても、暴落がきたときにはやはり投資生活は一人では心細いものです。
この投資法がおもしろいのは、暴落で資産が目減りしているのは自分1人だけではなく、積立投資をしているほぼ全員が似たような境遇にいるということです。
好きなインデックス投資ブロガーを見つけて自分のメンターにするのもひとつですし、全国各地で行われている「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」に参加して仲間をつくるのもひとつです。
暴落を想定して、どんな状況も前向きに乗り越えられるように、あらかじめ考えておくといいと思います。
参考リンク:
長期投資では相場下落を必ず経験します。どうやって乗り越えればいいのか、ブロガーの金言をまとめてみました。
リーマンショック級の暴落がきたら損をするのでしょうか。素朴な疑問についてもまとめてみました。