2021/08/13

投資の重要なルールのひとつは、理解できないものには投資をしないということです。
ワインファンド運用会社「ヴァンネット」の破産のニュースがありました。
このニュースから得られる教訓を整理したいと思います。
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「ヴァンネット」の運用は典型的な詐欺の手法
ワインファンド運用会社「ヴァンネット」については、2015年12月3日に会社代表が過去のワインの買い付け・売却に関して虚偽の報告をしていた事実が判明しています。
関東財務局は、2015年12月25日付で不正又は著しく不当な行為を行なっている状況があるとして、当社に対して、第二種金融商品取引業の登録取り消しと、業務改善命令を行いました。
関東財務局は、ホームページで次のように指摘しています。
当社は、これまで複数のファンドの取得勧誘を行っているが、過去に償還を迎えたファンドにおいては、別のファンドの資金を流用することにより、実際の運用実績とは異なる高い運用利回りで償還金等を支払っていた。さらに当社は、こうした状況を認識しながら、新たなファンドの取得勧誘を行っていた。
これは、資金を流用することで高い運用利回りを偽装し、個人投資家の勧誘を続けていたということです。典型的な詐欺の手法といえます。
債権者は530人以上、負債額は40億円を超える見込みで、延べ1989人の投資家から約77億4600万円の出資金を集めていたそうです。現在は計14ファンドで未償還の出資金が36億7372万円に上り、未償還出資者は523人、一人平均700万円強が未償還になっている計算になると報道されています。
理解できないものに投資しない
理解できないものには投資をしないというのは、投資の重要なルールです。
「理解できない」というのは、次の4つの観点をふまえておく必要があると思います。
利益がでる仕組みが理解できない
どうやって利益が出るのかがわからない場合は、投資をしない方が無難です。
ワイン投資というのは確かにイメージしやすい話ですが、どうやって利益をだすのか、私にはよく理解ができません。
「ヴァンネット」は、日本で唯一のワインファンド運用会社だったそうです。目新しい投資手法はリスクを伴うことは、記憶しておいたほうがいいでしょう。
投資対象に透明性があるか理解できない
投資対象の透明性も重要です。
新興国の不動産やワインや貴金属などの実物資産というのは、どうやって利益がでるのかを理解するのが難しいばかりか、投資対象の透明性が確保されているのかという点も、一般人には判断が難しいものです。
私は、海外不動産や金などの実物資産には投資していません。また、国内外のREITや金などの投資信託にも投資していません。
それは、私にとっては、それらの運用の透明性がどうも「理解できない」からです。
名前が複雑で理解できない
複雑な名前の商品も避けたほうが無難でしょう。
たとえば、「三菱UFJ 新興国債券ファンド 通貨選択シリーズ<ブラジルレアルコース>(毎月分配型)」という投資信託の商品がありますが、ホームページの説明を読んでも、私にはどうやって利益がでるのかよくわかりませんし、投資対象に透明性があるのかもよくわかりません。
この投資信託のホームページをみて私がわかるのは、購入手数料も信託報酬も非常に高額になっていることくらいで、正直に言って避けたほうが無難な商品です。
人が信用できるかは、お金が絡むと話は別
投資対象が理解できたとしても、投資には人が必ず関与しています。
人が深く関与する投資対象は、その人が好きで、破産リスクを負ってもいいという覚悟があるならまだしも、一般人は手をだすべきではないでしょう。
信用できる人だと思っていても、お金が絡むと話は別になるというのが、この世の中の常識です。
まとめ
Yahoo!ニュースのコメント欄には、次のようなコメントが支持されています。
なぜ見ず知らずの人が、自分に儲け話を教えてくれると信じられるのだろうか。
問題点をシンプルに指摘していると思います。
「儲け話を教えてくれる」ブログにも気をつけたほうがいいでしょう。
当ブログは「儲け話があるよ」などという勧誘は一切しませんし、「儲け話を教えてくれる」こともありません。
どんな投資話も、投資対象も、ブログの情報も、自分自身で判断するのが大原則です。
理解できないものには投資をしないように気をつけたいですね。
以上、理解できないものには投資をしない、ワイン投資ファンド「ヴァンネット」の破産から学べること…という話題でした。