2021/08/13
「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」の水瀬ケンイチさんが今、米バンガードに訪問中です。
ブログの更新が楽しみなわけですが、その記念に『マネーと常識』(ジョン・C・ボーグル著)を取り上げてみたいと思います。
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バンガード創業者2007年出版の翻訳書
ジョン・C・ボーグル(ジャック・ボーグル)氏は米投資信託大手のバンガード・グループの創業者です。
1974年にバンガード・グループを設立し、1975年に世界初のインデックスファンドを創設した人物になります。
本の帯にあるとおり、一言でいえば、「投資の世界に革命を起こした男」です。
今、低コストのインデックスファンドを日本でも享受できているのは、バンガードのおかげといっても過言ではありません。
2007年に翻訳本が出版されています。私は積立投資をはじめた2012年頃に繰り返し読みました。私の本棚に入っているお気に入りの一冊です。
投資家の勝利の戦略
この本の主張は、訳者あとがきにあるこの一文によくあわられています。
投資家にとって勝利の戦略は、すべての上場企業の株式を非常に安いコストで保有すること、すなわちインデックスファンドを購入し、それを保有し続けることであり、常識をもってすればそれは自明であることがわかろう。
この主張を、本書のなかで繰り返し繰り返し、あらゆる角度から説いてくれます。
私の主張を鵜呑みにするな
この本の特徴のひとつは、「私の主張を鵜呑みにするな」として、インデックスファンドに関するさまざまな見解を紹介しているところです。
自分が育てたインデックスファンドの有用性を、あらゆる人の言葉で補強しているというわけです。
そして、その言葉が絶妙に心に響きます。いくつか好きな言葉を紹介します。
ボーグルの道理に基づいた教えは、われわれ数百万人の倹約家が、20年間のうちに、郊外の隣人たちの羨望の的となることを可能とし−同時に、われわれが波乱に満ちた時代であるにもかかわらず熟睡することを可能とした。
ポール・A・サミュエルソン(ノーベル賞受賞、マサチューセッツ工科大学教授)
市場リスクをとらなければならなければならないことだけでも十分に不幸なのである。籠の卵を適切に分散しないで、損失をさらに悪化させるという追加のリスクをとることなど、愚か者の行為にほかならない。適切に運用されているインデックスファンドを購入し、市場全体を保有することによって、問題を回避すべきである。
ウィリアム・バーンスタイン(投資アドバイザー)
うまくやるためには規律を習得することだ。つまり、長期のインデックスファンド投資家になるのである。…買って、持ち続ける?もちろん、ただし持ち続けることを忘れないように。
マーク・ハルバート(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト誌編集者)
新版として再発売
この本は、運用におけるコストの重要性とインデックス運用の有効性を理解できる良書です。
インデックスファンドを開発した本人がその良さを明快に示してくれています。久しぶりに読みましたが、自分がしている投資を再確認できる、いわば精神安定剤となる一冊です。
現在は、新版として再発売されています。
参考リンク:
ジャック・ボーグル氏のコメントは参考になります。長期投資をするうえでは理解しておきたいメッセージがたくさんあります。