2021/08/13
「吊られた男の投資ブログ」の吊られた男さんが、このブログの過去の投稿を引用してくれました。
アメリカのロボ・アドバイザーについて紹介した投稿です。
おもしろい記事だったので、ロボ・アドバイザーの未来について私も書いてみたいと思います。
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先行しているアメリカは低コスト
吊られた男さんは、アメリカのコストに注目しています。
今、日本のロボ・アドバイザーサービスの最低コストは、たとえば、楽天証券の楽ラップで手数料が年率0.990%以下と1%未満の水準です。これまでのラップサービスから比べれば低コストの部類といえます。
アメリカのロボ・アドバイザーはもっと低コストです。
たとえば、アメリカでは、ウェルスフロント社が資産を多く集めています。
同社は、「ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理」の著者であるバートン・マルキール教授がアドバイザーになっていて、ロボ・アドバイザーの手数料は、1万ドルまで無料、それ以降は投資額の0.25%です。
自分が資産配分の提案を試したときには、提案されたETFの信託報酬は0.11%でした。圧倒的なほどの低コスト商品で構成されていますので、ロボ・アドバイザーの手数料と合計しても年率0.3%台という水準です。
同教授が繰り返し指摘しているのは、投資リターンを増やす最も確実な方法は、投資コストを引き下げることだという点です。
コストという点では、まだまだアメリカのロボ・アドバイザーが先行しています。
ロボ・アドバイザーとは何か
そもそも、ロボ・アドバイザーとは、どのようなものなのでしょうか。日本とアメリカでは、そのイメージもだいぶ違うようです。
日本でいうロボ・アドバイザーというのは、今のところ、各人の運用方針に合った最適な金融商品のポートフォリオを自動作成するところにとどまっています。
一方、アメリカのウェルスフロント社のロボ・アドバイザーは、総合的な資産管理サービスのようです。
ウェルスフロント社では、ポートフォリオの提案だけでなく、ポートフォリオを組み替えや、非課税枠を活用した投資の提案、税負担を減らす取引も自動でしてくれます。
また、アメリカでは自動助言サービスというのも行っています。バートン・マルキール教授は、人々が自分自身で投資をする際に犯す大きな過ちの一つは、過度に悲観的になってしまうことだといいます。
この自動助言サービスによって、感情を取り除くことができれば、人々はより優れた投資家になることができると指摘しています。
アメリカのロボ・アドバイザーは、個人投資家に寄り添う総合的な資産管理サービスといえそうです。それを圧倒的な低コストで実現しているわけですから、すごいと思うわけです。
10年後のロボ・アドバイザーはどうなる?
インデックスファンドの誕生は、1971年にサンフランシスコのウェルズ・ファーゴ銀行が、年金向けとして株式インデックスファンドを立ち上げたのがはじまりとされています。
インデックスファンドも40年あまりの歴史でここまできました。今、インデックスファンドはすごい便利になっています。
これに対して、ロボ・アドバイザーはアメリカでも数年程度、日本では今年がロボ・アドバイザー元年といった様相です。
10年後のロボ・アドバイザーは、どうなっているでしょうか。
おそらく、10年後には今の水準よりは低コストになっているでしょう。個人的には、アメリカのように総合的な資産管理サービスに発展してほしいと思います。
私なら、資産配分に加えて、NISAや個人型確定拠出年金の非課税枠の利用提案までしてくれて、下落相場で不安なときにやさしくそっと励ましてくれる、そんなサービスなら利用してみたいです。
10年後にこんなロボ・アドバイザーが登場したらすごいですが、少し時間が足りない気がします。20年後なら可能性があるような気がしますが、唯一の難点は、20年後となると私が利用する意味がほとんどないというところでしょうか。
ロボ・アドバイザー、利用者に価値のあるサービスに育ってほしいと思います。