2021/08/13

ふと金融庁のホームページに目がとまりました。
金融庁は、「家計の安定的な資産形成に関する有識者会議」を設置して検討を開始しているそうです。その目的は「長期・積立・分散投資の促進や、実践的な投資教育・情報提供などについて議論・検討を行うこと」にあるといいます。
また、「長期・積立・分散投資に資する投資信託に関するワーキング・グループ」も行われていることを知りました。
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ワーキング・グループの概要
金融庁のホームページには、「家計の安定的な資産形成に関する有識者会議」と「長期・積立・分散投資に資する投資信託に関するワーキング・グループ」の開催概要がアップされています。
事務局作成の資料などもみることができます。
資料から垣間見えるのは次のような問題意識です。
- 我が国の家計金融資産(約1,700兆円)の52%(約900兆円)が現預金。米英に比べ株式・投信等の割合が低く、家計金融資産の伸びは低い水準(運用による増加に大きな差)。
- 近年の推移を見ても、我が国における現預金優位の状況は大きく変わっていない。
- 家計における資産形成を促すためには、政策的な後押しが必要。 積立NISA、実践的な投資教育、金融機関の顧客本位の業務運営の確立・定着等を総合的に推進。
この資料によると、金融庁は、家計における資産形成を積極的に促すためには、政策的な後押しが必要であるとして、次の3つがその柱として検討しているようです。
- 積立NISA
- 実践的な投資教育
- 金融機関の顧客本位の業務運営の確立・定着
いずれも大事な点ですね。特に積立NISAはどのような制度設計になるのか、興味深いところです。
「つみたてNISA」のイメージ
「つみたてNISA」の概要も掲載されています。平成30年1月からの導入が検討されています。
積立NISAの案としては、次のようなものになるようです。
- 非課税投資枠等:年間投資上限額:40万円、非課税保有期間:20年間
- 投資可能期間:平成30年〜49年(20年間)
- 投資対象商品:長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
- 投資方法:契約に基づく定期かつ継続的な方法による買付け
- 現行NISAとの関係:現行NISAと選択して適用可能
年間投資上限額は40万円で、非課税期間は20年です。
投資対象商品としては、長期の積立、分散投資に適した投資信託が想定されています。
税制改正大綱には、①信託期間が無期限または20年以上であること、②毎月分配型でないことなどの条件の記載があったところですが、どのような商品に限定されるのかはまだ明らかにされていません。
制度としては、現行NISAとは併用できない仕組みになるようです。
こういったイメージの制度が想定されています。
まだ検討中の段階です。今後、具体的な制度設計が明らかになる見通しです。
わかりやすく利用しやすい制度に
積立NISAに望みたいのは「わかりやすく利用しやすい制度」です。
現行NISAは期限が限られていて積立投資には使いづらいですし、ジュニアNISAも開設するまでにかなりの手間がかかりました。
こんなブログを立ち上げている私でも、ジュニアNISAは開設したものの、まだ資金を入れていない状況です。18歳まで引き出し制限があり、積立の仕組み作りもかんたんではなさそうなので、とりあえずタイミングをみて留保しています。
個人が資産形成をしていくには「わかりやすく利用しやすい制度」にすることが最重要課題だと思います。
非課税期間もなければいいのですが、そうもいかないのでしょうね…。ぜひシンプルな制度設計をお願いしたいと思います。
以上、「つみたてNISA」はどうなる?金融庁がワーキング・グループを立ち上げて検討中…という話題でした。
参考リンク:
「つみたてNISA」にはシンプルな制度設計を期待したいです。非課税期間がなければ一番わかりやすいです。
イギリスではボーナス付きのLISAもスタートします。イギリスのような柔軟なアイディアを日本でも期待したいですね。