2021/08/13
ニッセイアセットマネジメントが「<購入・換金手数料なし>シリーズ」の信託報酬引き下げを発表しました。
こうした動きで気づいたことは、信託報酬の度重なる引き下げが投資信託のブランド価値をつくるということです。
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2度目の信託報酬引き下げ
「<購入・換金手数料なし>シリーズ」の信託報酬の引き下げは、昨年に続いて2回目になります。
これで「<購入・換金手数料なし>シリーズ」は、日本株式、先進国株式、先進国債券、国内外リート等の主要資産クラスにおいて、信託報酬が最も低コストのインデックスファンドシリーズになりました。
新規ファンドの設定ではなく、既存ファンドの信託報酬の引き下げでこれを実現したことは大きな意味があります。
引き下げの詳細については、kenzさんがわかりやすくまとめてくれています。
信託報酬の引き下げが投資信託のブランド価値をつくる
このニュースを聞いて思ったのは、信託報酬の引き下げが投資信託のブランド価値をつくるということです。
ニッセイアセットマネジメントもプレスリリースに次のように説明しています。
当社は今後とも、お客様の長期的な資産形成に貢献できる商品開発、高品質なサービスのご提供を通じ、様にご安心して資産運用をお任せ頂けるよう、不断の努力を続けていく所存でございます。
企業にとって目指すべき方向性を示す「ビジョン」は重要です。
これを読むと、「長期的な資産形成への貢献」と「安心して任せられる資産運用」が「<購入・換金手数料なし>シリーズ」のキーコンセプトになっていることがわかります。
「ビジョン」を持って努力する企業にはブランド価値が生まれます。
ブランドといえばベンツやルイ・ヴィトンなどが代表的ですが、最近ではAppleやGoogleがブランド価値を高めています。投資の分野ではバンガードがその地位を着実に築いています。
ユーザーからしてみると、「応援したい」「関わりを持ちたい」「無くなっては困る」という気持ちがわきますし、その会社で働く従業員にもそこで働く誇りが生まれます。
カン・チュンドさんがブログで指摘するように、投資信託の信託報酬を引き下げるためには、販売会社、受託会社の同意を取りつける必要があります。
ニッセイアセットマネジメントはそういった面倒なことをしてでも、インデックスファンドの目指すべき「ビジョン」を示してくれました。
今回の出来事で「<購入・換金手数料なし>シリーズ」のブランド価値は大きく高まったと思います。
次なるインデックスファンドが登場するか
今後の動きとして注目されるのは、信託報酬を引き下げるインデックスファンドシリーズが登場するかどうかです。
このままニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>シリーズ」がブランド価値を高め、不動の地位を確保するのでしょうか。
それとも、第2、第3のインデックスファンドシリーズが現れるでしょうか。
個人的にはアセットマネジメントOneの「たわらノーロードシリーズ」にビジョンを示してほしいところです。
今後の動きを楽しみにしたいと思います。
以上、信託報酬の引き下げが、投資信託のブランド価値をつくる…という話題でした。