2021/08/13
バランス型投信で積立投資をはじめてみようと考えている方もいるかと思います。
NIKKEI STYLEに「不振のバランス型投信、「悪者説」に異議あり」という記事がありました。
バランス型投信について勉強するには参考になりますが、個人的には疑問がある内容もありました。
紹介したいと思います。
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国際分散投資がかんたん
バランス型投信のメリットは、国際分散投資がかんたんだということです。記事もその点を指摘しています。
どんな資産が値上がりするのかを予想するのは運用のプロでも難しい。だから1つの資産に集中投資せず、国内外の複数資産にベット(賭ける)しておく。投資理論に従えば、値動きの異なる資産に分散投資をすれば、価格変動のリスクも低減できる(はず)。そして、個人にはハードルが高い国際分散投資を投信を通じて実現する――。これがバランス型投信の基本的な考え方だ。
値動きが違う資産クラスに分散投資することにより、リスクが低減できるというのがバランス型投信のひとつのメリットです。
バランス型投信は千差万別
この記事のいいところは、バランス型投信と一口にいっても千差万別だと指摘するところです。
バランス型といっても中身は千差万別だ。投資対象の国や資産をきちんと分散しているファンドもあれば、新興国の株式・債券だけ、あるいは先進国の株式と不動産投資信託(REIT)だけに投資するといった、高リスクのファンドも少なくない。バランス型とひとくくりに評価するのは乱暴で、個別のファンドごとに分散投資の中身や運用手法を吟味しなければならない。
分散投資をしなければリスクが高くなります。
投資対象の国や資産をきちんと分散しているバランス型投信を選ぶようにしたいところです。
また、投資信託を使った投資は、長期保有が基本になります。「短期的な上げ下げに一喜一憂すべきではない」という記事の指摘も重要だと思います。
長期で実績を積み上げる…?
後半では、「100年に1度」の大激震といわれたリーマン危機を乗り越えて、着実にリターンを積み重ねてきたバランス型投信がある、として、表でバランス型投信を紹介しています。
紹介されている投資信託はこの5つです。違和感があるのはこの表です。
「過去の実績を見る限りでは、長期で堅実に資産を増やしたいという資産形成層に向いたファンド」であると紹介されています。
たしかに、リーマンショック前から運用されていて、結果としてリターンを残してきたバランス型投信ということになるのかもしれません。
ですがこの記事が少し不親切だと思うのは、過去の実績のみに着目してバランス型投信を選別している点です。
この表のバランス型投信は、いずれも信託報酬が1%以上のもので、分配型の投資信託も含まれています。
過去の成績が未来を保証するとは限りませんし、コストはリターンに大きく影響します。分配型の投資信託は長期投資に不向きです。
その点について読者に伝えていないのは少し不親切だと思いました。
分散投資の内容、信託報酬、分配型の有無を確認しよう
この記事が指摘するとおり、バランス型投信を一括して「悪者」だとする意見は乱暴だと思います。
1つの投資信託で国際分散投資ができるのは、バランス型投信の大きなメリットです。
ただ、いいバランス型投信もあれば、あまりよくないバランス型投信もあるというのも事実です。
バランス型投信を選ぶなら、私なら次の点に注目します。
- ノーロードか
- 投資対象の国や資産をきちんと分散しているか
- 信託報酬が低くおさえられているか
- 分配型ではなく、分配金も再投資できるか
- 資産が継続的に集まっているか
- 償還期限が無期限か
バランス型投信もたくさんあります。
納得のいくバランス型投信を選びたいですね。