2021/08/13
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は定期的に公的年金の運用状況を報告しています。
ポートフォリオも公開されています。報告書はわかりやすくまとめられていて、一見の価値があります。
今回は、運用損の良し悪しの話ではなく、公的年金のポートフォリオについて書いてみたいと思います。
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何万回も計算した結果
公的年金は現在、株式50:債券50の割合で運用されています。
国内株式25、外国株式25、外国債券15、国内債券35を「基本ポートフォリオ」として定めています。
詳しい考え方はGPIFのホームページで確認できます。
この基本ポートフォリオですが、朝日新聞の記事によれば、金融のプロが何万回も計算した結果だそうです。
政府の14年の試算では、公的年金を約100年間やり繰りするお金の約9%分は、積立金から充てる必要があった。これには積立金の運用利回りが25年間で平均1・7%あれば対応可能で、GPIF幹部は「株式比率を変えて何万回と計算した。最も良い比率が現在の50%だった」と明かす。
株の比率引き上げ、裏目 年金運用損、昨年度5兆円(朝日新聞)
年金財政上求められる運用利回りは、2.60%とされています。
金融のプロが何万回も計算した結果が「株式50:債券50の割合」というのも、なんともおもしろいエピソードです。
検証結果も良好
報告書には、このポートフォリオの検証結果も記載されています。
基本ポートフォリオについては、中期計画において定期的に検証を行うこととしています。直近(2016(平成28)年2月)までの経済・市場データを織り込み、各資産の期待リターンや標準偏差等を基に、ポートフォリオとしての特性を検証したところ、現行の資産構成割合は効率的で、目標利回りを概ね満たしていることを確認しました。
今回の検証結果は、現行の資産構成割合は効率的で、目標利回りを概ね満たしているというものです。
効率的で「最も良い比率」を個人も再現できる
今回の運用状況の公開で、公的年金というものが緻密に運用されているということがわかりました。
今回のニュースを聞いて思ったのは、年金基金のポートフォリオを真似すれば、プロの考えた効率的で「最も良い比率」を、個人も再現ができるのではないかということです。
公的年金の資産配分を真似して、信託報酬が最低コストのインデックスファンドを配置すれば、公的年金と同じポートフォリオができあがります。
運用の失敗が許されない公的年金のポートフォリオです。金融のプロが何万回も計算した結果が「株式50:債券50の割合」です。
少なくとも、今のロボ・アドバイザーの提案よりは、安定的で効率的な運用が期待できると思います。
資産配分をどうすればいいかわからないという人は、公的年金を参考にしてみるのはひとつの方法です。
思いつきにしては悪くない選択肢だと思いますが、どうでしょうかね?
以上、GPIFのポートフォリオは、プロが何万回も計算した「最も良い比率」だという話…という話題でした。