2021/08/13
ショッピングセンターや商店街にいくと、保険ショップを見かけることが増えました。
今、保険を比較して選びたいニーズをつかんで、保険ショップ各社は店舗数を急拡大しているそうです。顧客は20~30代の若手が中心とのことです。
2016年5月16日の日経新聞に、保険ショップに対して金融庁が規制を強化するという記事がありました。内容を紹介したいと思います。
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保険ショップに対して金融庁が規制強化へ
今年5月に改正保険業法が施行され、保険ショップに対して金融庁が規制を強化するそうです。
これにより、保険ショップは顧客の意向を十分聞くことや商品内容の丁寧な説明が義務づけられます。
規模の大きいショップについては、保険会社から得た手数料や契約件数を金融庁に報告することも求められるようです。
保険ショップは、より積極的に顧客の意向を聞き、丁寧に説明する営業姿勢に変わることになります。
顧客が知らない高い手数料
そもそも、なぜ保険ショップは相談無料で営業できているのか、素朴な疑問もでてきます。
答えは簡単です。保険会社から保険ショップに販売手数料が支払われているからです。
わかりやすく保険について説明してくれるのですから、顧客サービスの対価として手数料を受け取るのは商売としては当然でしょう。
ただ、問題はその割合です。その手数料の金額を知ってちょっと驚きました。
保険ショップは保険会社から受け取る販売手数料が収益源。例えば医療保険の場合、保険料の払込期間や契約者の年齢で初年度が30~60%程度、翌年度以降は10%弱の基本手数料を得られる。解約が少ないと受け取れる手数料もあり、保険会社は手数料で自社商品の販売を奨励してきた。
この記事によれば、保険会社から保険ショップに支払われる販売手数料は、医療保険の場合、初年度が30~60%程度、翌年度以降は10%弱の基本手数料だそうです。
このお金はどこからきているかといえば、もとをたどれば顧客の支払った保険料ということになります。そこから保険会社がさらに手数料を引くことになるわけです。
顧客が支払う保険料というのはどういうものなのか、これを知ってしまうとちょっと考えてしまいます。
高い手数料の商品を売ることもある
保険各社の競争が激しくなれば、手数料競争になります。記事には金融庁が規制強化する理由が書かれています。
今回、金融庁が規制強化に乗り出す背景には、手数料への顧客の不信感がある。中立を装いながらも高い手数料を得ようと、顧客の意向を軽視した販売が広がっているのではないかとの疑念だ。
他の新聞記事にも、利益優先の営業の仕方が指摘されています。
手数料の開示義務がないため、中立を装って代理店の受け取る手数料の多い保険を顧客に勧めているとの指摘がある。
保険会社は、販売手数料にインセンティブを上乗せして、保険ショップに自社の商品を優先して売ってもらおうとします。保険ショップは、残念ながら高い手数料を受け取れる商品を優先して勧めることもあり、無料相談は必ずしも公平中立とは限らないようです。そして、現状では保険ショップには顧客に販売手数料を開示する義務もありません。
とはいえ、保険ショップを一方的に責めるわけにもいきません。販売員の立場で考えてみると、手数料の高い商品を勧めるのは自然のことだとも思えます。
タダには必ず理由がある
タダには必ず理由があります。
まずは、保険ショップが相談無料にできるのは、保険会社から販売手数料が支払われているからだということを知っておきましょう。
消費者のほうがお金の勉強をしないかぎり、この状況はかんたんには変わらないのではないかと思います。
自分でお金の勉強をすることが重要だと思います。
以上、ほけんの窓口の手数料はなぜ無料?無料相談が高い手数料になる理由…という話題でした。
参考リンク:
そもそも医療保険などは無駄になる可能性が高い商品です。必要かどうかはきちんと吟味したいですね。