2021/08/13
11月20日発売の竹川美奈子さんの新刊を読みました。
はじめての人に最適なわかりやすい資産形成のノウハウです。
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著者の竹川美奈子さんとは
著者の竹川美奈子さんは、LIFE MAP, LLC代表/ファイナンシャルジャーナリストで、現在、投資のすそ野の拡大に取り組んでいる中心人物の1人です。
「1億人の投信大賞」選定メンバーであり、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」運営委員をされるなど、まさに個人投資家のために活動をされています。
個人投資家に参考になる著書も多数出版されています。『一番やさしい!一番くわしい! はじめての「投資信託」入門』がわかりやすい投資信託の入門書です。
『金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術』では確定拠出年金について解説され、2016年の「臆病な人でもうまくいく投資法 お金の悩みから解放された11人の投信投資家の話」では、個人投資家の実践記録が多くの人に参考になることを示してくれました。
昨年発売された「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門」も多くの読者を獲得した一冊です。
竹川さんの本は、いずれもアマゾンのレビューで高く評価されています。私も愛読している著者の一人です。
本書の構成
本書は6つの章からできています。
第1章 ゼロからはじめる資産形成
第2章 お金は3ステップで考える
第3章 お金がたまる「しくみ」をつくろう!
第4章 投資のポケットを加えよう
第5章 有利な制度は積極的に活用する!
第6章 記録・定点観測する!
お金の基本的知識をおさえたうえで、貯蓄と投資信託を組み合わせることで、お金を着実に増やしていく方法をわかりやすく教えてくれます。
Amazonの紹介には次のようにあります。
- 貯金ゼロでも、投資のポケットをつくって、すこしずつ積み立て投資する。
- 知識ゼロでも、「お金の公式(元本×運用利回り×時間)」、「お金の三角形(1.国の制度活用→2.会社の制度→3.自分でつくる、の順番で考える)」を知っておく。
- 忍耐力ゼロでも、しくみ(貯めるしくみ=生活・貯蓄・プール・投資の4つのポケット、ふやすしくみ=投資信託、チェックするしくみ=お金管理シートとバランスシート)があれば大丈夫。
お金の基本を教えてくれる構成になっています。
本書の特徴
本書の特徴はさまざまありますが、私には次の3つが印象に残りました。
第1は、国の制度や会社の制度について丁寧な説明があることです。
日本はいざというときの社会保障が整っています。こうした国の制度の基本を知れば、なんとなく感じている「お金の不安」が小さくなります。高いコストを払ってがん保険や個人年金保険などに加入しなくてもいいことが理解できます。
第2は、前向きなお金とのつきあい方がきちんと書いてあることです。
響いたのは、はしがきにある一文です。
私は「定年までに3000万円貯めないと破産する!」といったフレーズや、「下流老人」や「老後貧乏」といった言葉はあまり好きではありません。金融機関が金融商品を販売する際の「不安商法」に使われている側面がありますし、何より後ろ向きのイメージが強いからです。
不安に過度に煽られて「とにかく節約する」「とりあえず個人年金保険に加入する」、あるいは「投資で一攫千金を狙う」というように考えるのではなく、もっと前向きに「自分ごと」としてお金とつきあいませんか。
いつも思っていることを言語化してもらえた気がしました。
私も、「生活の不安」や「老後資金」といった言葉でお金の話をするのは、どこか「後ろ向き」であまり好きではありません。後ろ向きにお金とつきあっていると、日々の生活も後ろ向きになります。前向きにお金とつきあうというスタンスは、深く共感するところです。
第3は、お金の「しくみ」の作り方がきちんと書いてあることです。
お金のポケットを用途別に複数もつなど、お金の管理の仕方がきちんと書いてあります。また、インデックスファンドを使った積立投資の方法や、iDeCoや「つみたてNISA」を使うメリットもきちんと整理してあります。
基本的なお金の知識はこの本でおさえることができます。
「前向き」なお金とのつきあい方で資産を作る
読み応えがあるのは、本書のはしがき部分です。著者のスタンスに深く共感しました。
お金を育てていくことは「今の自分が将来の自分を支える」ことです。「前向き」なお金とのつきあい方が身につけることで、資産形成も「前向き」に実践することができます。
また、はしがきにある札幌市在住のAさんのメッセージも深く共感できます。あの方かな、というのがピンときました。ぜひ本でそのメッセージをお確かめください。
国や会社の制度を理解したうえで、貯金の習慣を身につけて積立投資につなげていこう…それが本書のメッセージです。
まっとうな「お金」とのつきあい方です。
本書のお金の知恵を知って「前向き」にお金とのつきあえる人が増えるといいですね。
お金とのスタンスを「前向き」にさせてくれる一冊です。