2021/08/13
iDeCo(個人型確定拠出年金)の始め方がよくわからない…という方もいるかと思います。
iDeCoというのは、わかりやすくいえば「60歳以降のためのお金を積立しながら、今の所得税を軽減してくれる仕組み」です。
投資がはじめての人にとって、iDeCoをスタートするのは最初は少し難しく感じるところです(かつて私もそうでした)。
そこで、iDeCoの始め方を具体的にまとめてみました。7つのステップにわけてご紹介したいと思います。
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iDeCoをはじめる7つのステップ
iDeCoをはじめるのは、ポイントをつかめばそんなに難しいことではありません。
所得税控除という大きなメリットがありますので、ここで基本をつかみましょう。
各ステップの詳しいことはリンク先の記事に書いてありますので、詳しいことを知りたい場合はリンク先の記事を参考にして下さい。
では順番にみていきましょう。
【ステップ1】iDeCoのメリットを理解する
まず、iDeCoのメリットを理解しましょう。3つのメリットがあります。
- 掛金が全額所得控除の対象になる
- 運用中の利益が非課税
- 受け取るときにも税制優遇される
一番のメリットは、掛金が所得税控除の対象になることです。
所得税控除のメリットは絶大です。たとえば、厚生労働省の試算を参考にすると、課税所得が330万円から695万円の方なら月23,000円の掛金で年間約55,200円も税金が安くなります。
下記のリンク先のツールを使えば、自分の収入や年齢から所得税控除の金額をかんたんに試算できます。
2つめのメリットが運用中は利益が非課税になります。これはNISAと同じ機能です。特定口座なら利益に対して20.315%の税金がかかりますが、iDeCoなら非課税です。
3つめのメリットが受け取り時の税制優遇です。受給時も、一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除の税制優遇があるのでお得です。
山崎元さんが著書で「確定拠出年金は確実に得をする。利用しないのはもったいない」と書いています。
iDeCoの所得税控除のメリットが大きいですので、積極的に活用したいところです。
【ステップ2】生活防衛資金を用意する
iDeCoはお得な仕組みですが、投資がはじめての人は何も準備しないではじめないほうがいいでしょう。
というのは、iDeCoをスタートさせるということは、特定口座で積立投資をすることとほぼ同じことだからです。iDeCoの場合は60歳までお金を引き出せませんので、本当にしばらく使う予定のないお金で投資をする必要があります。
ポイントになるのは生活防衛資金を用意することです。非常時のためのお金を準備しておくことが大切です。
無リスク資産を確保しておくと、安心感が変わってきます。
生活防衛資金なんて今はない…という方は、積立貯金を同時にして、ダブル積立で生活防衛資金を確保するのがひとつの方法です。
私も当初、生活防衛資金がありませんでしたので、積立投資をはじめると同時に、積立貯金も行って生活防衛資金を貯めました。
生活防衛資金は少しずつでも用意したほうがいいと思います。
【ステップ3】iDeCoの金融機関を選んで資料を取り寄せる
iDeCoで大事なのは金融機関選びです。200社以上の金融機関でiDeCoを扱っていますが、金融機関選びで間違えないようにしましょう。
金融機関を間違うと、運営管理手数料と信託報酬という手数料で、iDeCoの節税メリットが消えてしまいます。
iDeCoの特徴は、金融機関によって取扱商品が異なるということです。ですので、金融機関選びを間違えるのは避けたいところです。
「どこの金融機関がいいの…?」という質問をされたとしたら、私なら「ネット証券最大手の楽天証券かSBI証券のいずれかを選べば間違いないです。」と答えます。
楽天証券iDeCo
楽天証券iDeCoは、金融機関の運営管理手数料が無料で、ラインアップも充実しています。
私は楽天証券のiDeCoを利用しています。商品もいいですし、使い勝手もいいので気に入っています。
SBI証券iDeCo
SBI証券iDeCoも低コストの商品を揃えていて充実しています。
これから選ぶ方は、楽天証券とSBI証券の両者を比較してみて、どちらかを選択するというのがいいと思います。
【ステップ4】iDeCoの申し込みと手続きのポイント
iDeCoをはじめるときには、勤務先に必要事項を記入してもらう必要があります。
勤務先に相談するのがひとつの手間といえば手間になります。
iDeCoのひとつの特徴は、書類の「不備」が多いところです。
申込書類も少しわかりにくいですので、ポイントをおさえて申し込みをしましょう。
【ステップ5】アセットアロケーションを考えて商品を選択する
いよいよ商品を選択する段階です。これが積立投資の山場です。
大きく2つの方法があります。ひとつはバランス型投資信託1本で積立投資をする方法と、もうひとつは個別の投資信託を組み合わせる方法です。
バランス型投信1本で積立する
投資がはじめての人がやりやすい方法は、バランス型投信1本でiDeCoを利用する方法です。
難しいことは苦手だし、アセットアロケーションを決めたり、リバランスをするのが面倒…という方はこの方法を選択すればいいと思います。
大事なのは、低コストで国際分散投資をしている投資信託を選ぶことです。
たとえば、楽天証券のiDeCoなら「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」です。
リスクを抑えたいなら「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」も選択肢になります。
SBI証券のiDeCoなら「セレクトプラン」を選んで、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」を選ぶのがいいでしょう。
全世界に株式に投資したいという方は、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」を選択すればいいことになります。
楽天証券iDeCoは商品を絞り込んでいて初心者にも選びやすいです。使いやすさでは定評があります。
SBI証券iDeCoなら「セレクトプラン」を選択しましょう。iDeCoをはじめるならSBI証券が有力候補のひとつです。
はじめての方におすすめなのは、バランス型投資信託と貯金を組み合わせて、1:1の割合で同時に積立していく方法です。これなら難しいことはひとつもありませんし、低コストのバランス型投資信託を1つ選べば、着実に資産形成ができます。
個別の投資信託を組み合わせる
もうひとつは、個別の投資信託を組み合わせる方法です。
口座開設ができたらアセットアロケーションを考えましょう。ツールを使えばアセットアロケーションのリターンとリスクをかんたんに計算することができます。
自分のリスク許容度を把握することが大事になります。
資産配分については、時価総額比率やGDP比率で資産配分を構成するのもひとつですし、難しいと思う人は公的年金を運用するGPIFの資産配分を真似するというのもおもしろい選択肢です。
アセットアロケーションを考えるのが、積立投資の醍醐味のひとつです。
【ステップ6】資産配分が崩れたらリバランスをする
個別の投資信託を組み合わせる方法を採用した場合には、資産配分が崩れたらリバランスをすることになります。
リバランスの頻度は、2年か3年かに1回でいいとされています。
適切にリバランスをすることでリターンを高めることができます。
【ステップ7】年末調整もしくは確定申告をする
自営業やフリーランス、会社員で自分の口座から掛け金を引き落としている人は、毎年10月に「小規模企業共済等掛け金振込証明書」という書類が国民年金基金連合会から送られてきます。
会社員の方は年末調整のときにこの書類を提出しましょう。自営業者やフリーランスの方は、確定申告のときにこれを提出すればOKです。
iDeCoは資産形成のきっかけです。毎月の掛金を増やせるなら、来年からはじまる「つみたてNISA」や特定口座も活用していくといいでしょう。
iDeCoは誰でもはじめられる
iDeCoは、基本を理解すれば難しくはありません。
iDeCoのわかりやすい本もたくさんでています。
月5,000円の掛金からはじめられますし、所得税控除のメリットがありますので、低コストのインデックスファンドを利用して、資産運用に慣れていきたいところです。
最近思うのは、資産形成をはじめてみると今の安心感が違ってくるということです。
iDeCoをスタートさせるには、資料請求をして口座開設をする必要があります。
資料請求は無料です。詳しいことは公式サイトで確認してみてください。
少しずつ将来に備えることで、今を楽しく過ごしていきたいですね。
以上、7ステップでかんたん!iDeCo(個人型確定拠出年金)の始め方!…という話題でした。
参考リンク:
iDeCoの良い本がたくさんでています。本でiDeCoの基本を学んでいくと、納得しながら資産形成ができると思います。
ネット上にはiDeCoの講演が無料でアップされています。おすすめはモーニングスターの朝倉智也さんの講演です。無料でiDeCoの具体的方法がわかります。
楽天証券の篠田尚子さんの講演もおすすめです。無料で聴講できますので、有意義に活用したいですね。