2021/08/13
日経マネーの2016年5月号に、『ウォール街のランダム・ウォーカー』の著者であるバートン・マルキール教授のインタビュー記事が掲載されています。
記事のタイトルは「『ロボアドバイザー』こそ資産運用の未来だ」というものです。
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ロボアドバイザーとは?
バートン・マルキール教授は、2012年からロボアドバイザーの大手業者である米ウェルスフロント(Wealthfront)社のCIO(Chief Investment Officer)に就任しているそうです。
ロボアドバイザーとは、ファイナンシャルアドバイザーの役割をITが担う事業のことのようです。
ウォールストリートジャーナルの記事でその概要がわかります。
ウェブサイト上で投資家が投資目標、リスク許容度、投資期間などの幾つかの質問に答えると、アルゴリズムが推奨資産配分を計算する。オンライン経由で送金後に、顧客の資産は複数の上場投資信託(ETF)に自動的に配分される。この過程は一般的には10分以内で終わり、人間は関与しない。資産配分は定期的に見直され、両社共にタックス・ロス・ハーベスティング(もうかっていない銘柄を売却して損失を出し、売却益と相殺して税額を抑えること)を確約している。
ウェルスフロント社とは
ウェルスフロント社とは、シリコンバレーを拠点として資産運用助言サービスを提供する会社ということです。
メンバーには、『敗者のゲーム』のチャールズ・エリス氏もアドバイザーとして名を連ねています。ホームページをみるだけでも、おもしろそうなビジネスであることがわかります。
未来を予言する
この記事でバートン・マルキール教授は、数十年後には確実に、ITがファイナンシャルアドバイザーの役割を担い、資産運用も同時に行うことを予言しています。
ロボ・アドバイザーの役割を大きく2つ指摘しています。
1つは、投資コストを引き下げることです。実質的な投資リターンを増やす最も確実な方法は、投資コストを引き下げることで、ロボ・アドバイザーの自動助言サービスはそれを実現できるといいます。
もう1つは、投資からある程度感情を取り除くことが寄与するということです。人々が自分自身で投資をする際に犯す大きなミステークの一つは、過度に悲観的になってしまうことだといいます。
自動助言サービスによって、感情を取り除くことができれば、人々はより優れた投資家になることができ、長期的により多くのリターンを手にすることができるだろうというのがバートン・マルキール教授の主張です。
インデックスファンドの有用性を1973年に予言して、現実にそうなったバートン・マルキール教授の言葉は、今回も資産運用の未来を指し示しているように思います。
ぜひ一読を
この他にも、最近の世界情勢をふまえた投資のポイントやマイナス金利政策への対応など、バートン・マルキール教授が多岐にわたって語っています。大変刺激的な内容になっています。
日経マネーさんはいい記事を書いてくれました。
インデックス投資に興味がある方は、日経マネーの2016年5月号を楽しめると思います。
以上、バートン・マルキール教授が語る、「ロボアドバイザー」こそ資産運用の未来だ…という話題でした。
参考リンク:
新刊のバートン・マルキール(井手正介訳)「ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第12版〉」は、スマート・ベータなどの最近の動向についても書かれており、価値のある一冊です。