2021/08/13
確定拠出年金の方法をレクチャーする本の中では、役に立つ本ナンバーワンなんじゃないかと思っています。山崎元さんの「確定拠出年金の教科書」です。
投資の経験がない人にとっていきなり確定拠出年金をはじめるのはなかなか難しいと思いますが、この本では、「最も得なのは、何か?」ということにこだわって、確定拠出年金の「最もお得な運用」方法を解説してくれています。
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注目は第4章
非常に参考になるのは、第4章の「確定拠出年金を『合理的』に使いこなそう」という章です。
本書の提案は、運用益が非課税になることを最大限に活かすために、期待リターンの高い資産クラスの運用を、確定拠出年金に集中的に割り当てるというものです。
「最も得なのは、何か?」ということを原則にすれば、これが合理的な運用方法になります。
具体的な資産の割り当て方も図解入りで解説されていますので、資産全体のなかで確定拠出年金をどのように利用すればいいのかということを正しく理解することができます。
記述が少し難しいところもありますが、こうした利用方法を明確に指摘した書籍を私はこれまで読んだことはなく、著者の忠告はとても役に立ちます。
運用商品のなかに「地雷」がある
なかでも印象的なのは、確定拠出年金の運用商品のなかに「地雷」があることを指摘するパートです。
具体的にどの運用商品を選ぶと正解になるか、また選んではいけない「地雷」となる商品はどのようなものかを理由をつけて解説してくれています。
これは言い方を変えれば、確定拠出年金の運用商品のなかには、かなりの「地雷」が入っているということでしょう。
「地雷」を選んで酷い目に遭う(損をしてしまう)ことがないよう、勉強をして確定拠出年金をはじめることが大切だということを著者は教えてくれます。
確定拠出年金をはじめる人は必読
この本は、確定拠出年金をはじめる人であれば必読です。確定拠出年金についてスッキリとシンプルかつロジカルに理解することができます。
また、第6章で事態が変化したときの対処法も解説されていますので、いざというときの道しるべにもなります。
確定拠出年金の「最もお得な運用」方法を知りたいと思っている人には必読の一冊です。
なお、本書は大変優れた本ですが、はじめての方にはやや難しく感じるかもしれません。初心者の方には、入門になる本を一冊読んでから、本書を手にとるといいと思います。
理解が進むと、この本の価値がわかります。