2021/08/13
個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ、個人型DC、個人型401K)という言葉を聞いたことがあるけど、何がいいのかよくわからないという方って意外と多いのではないでしょうか?
iDeCoとはなんでしょうか。そこで今回はそんな疑問にこたえるべく、iDeCoのメリットについてわかりやすく解説をしてみようと思います。
これを読んでいただければきっと、iDeCoを利用したほうがお得だということがわかってもらえるはずです。
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iDeCoとは
iDeCoとは、企業や個人が毎月、掛け金を拠出して運用するものです。60歳以降に引き出せる”じぶん年金”といえばわかりやすいでしょうか。運用成績に応じて将来の給付額が決まります。
ご存じのように、少子高齢化が進んでいて公的年金の支給を期待できる時代ではなくなっています。iDeCoは、公的年金をカバーするものとして、老後のための蓄えを作ることを政府がサポートしてくれる制度といえます。
法改正により、2017年から基本的に現役世代は誰でも使える仕組みになりました。
iDeCoの3つのメリット
iDeCoを利用するメリットは、大きく次の3点にあります。
毎年納める所得税と住民税が所得控除になる
1つ目のメリットは、iDeCoの掛金の全額が所得控除の対象になり、毎年納める所得税と住民税が安くなるということです。
iDeCoのメリットとして紹介される「所得控除」と呼ばれるのがこれです。
年末調整や確定申告の際に掛金を控除することによって、納めなければならない所得税や住民税が今よりも安くなります。
掛金を支払うのは60歳までですので、節税効果はずっと続くことになります。この税金の控除は、毎月拠出する掛金が大きければ大きいほど、収入が高ければ高いほどその効果は大きくなります。
これは、NISAやジュニアNISAにはない大きなメリットです。
iDeCoの所得控除の額は、自分の収入などを入力すればかんたんに試算することができます。リンク先でぜひ自分の所得控除の金額を確認してみて下さい。
運用益は全額が非課税になる
2つめのメリットは、iDeCoの資産運用で得た運用益は、全額非課税になります。
通常、預金の利息や投資信託や株式などの運用益に対しては、その都度、年率20.315%の税金がかけられています。
iDeCoなら運用益にも税金がかからないわけですから、これも大きなメリットです。
この部分はNISAと共通するところですが、iDeCoであれば、現行のNISAよりも長期で運用することができます。
運用益の全額をさらに運用にまわすことができますので、複利効果が期待できます。利益が利益を生む状態になります。
将来受け取るお金は税金の控除の対象になる
3つめのメリットは、60歳以降に受け取るお金は税金の控除の対象になります。ここでも税金が軽くなります。
引き出しは、一時金か年金かを選べますが、それぞれ「退職所得控除」や「公的年金等控除」という優遇策があるので、引き出し時も税金はかからないか少額ですむことが多くなります。
たとえば、一時金として受け取る場合には、「退職所得」とみなされて「退職所得控除」が適用されます。
退職所得控除の範囲内で非課税になります。そして、退職所得控除を上回った部分についても、課税所得は通常の2分の1になります。
ここで所得控除額の計算方法を確認しておきましょう。退職所得控除の額は、勤続年数20年までは1年につき40万円、20年を超える年数は1年につき70万円を掛けたものの合計金額となります。
計算式はこうなります(国税庁)。
加入期間(A)が20年以下
- 40万円×A(80万円に満たない場合には、80万円)
加入期間(A)が20年以上
- 800万円+70万円×(A−20年)
たとえば、30年加入期間があった場合の退職所得控除額はこうなります。
- 800万円+70万円×(30年−20年)=1500万円
つまり、30年の加入期間があった場合は1,500万円までは非課税になり、それを超える部分は通常の2分の1の課税ですむことになります。
計算式をみてもらえればわかると思いますが、若いうちに加入すればそれだけ非課税枠が広がる仕組みです。
ただし、この退職一時金の算定には、企業から支払われる退職金なども合算されることに注意が必要です。会社から退職金を多くもらう人は非課税枠を超える可能性があります。
こうなると最後に課税されてしまうわけですが、それでも課税のタイミングを未来に繰り延べできるので、その場合でもメリットは少なくないと思います。
iDeCoはお得な制度
こんな感じで個人型確定拠出年金はメリットが大きい仕組みですので、将来の資産形成を考えるなら個人型確定拠出年金を使うのがおすすめです。
総合的に見て、生命保険の個人年金やNISAよりも、個人型確定拠出年金のほうがメリットが大きいと思います。こんなに有利な個人型確定拠出年金ですが、そのメリットがあまり知られていないようです。
60歳以降のための資産形成をするなら、個人型確定拠出年金は最優先で使ったほうがいい制度です。
どこで個人型確定拠出年金をはじめようかと迷っている方は、下記記事も是非、読んでみてください。初めての方におすすめの金融機関をわかりやすくまとめているつもりです。
以上、個人型確定拠出年金(iDeCo)とは?わかりやすく解説してみた…という話題でした。