2021/08/13
橘玲さんの最新刊『専業主婦は2億円損をする』をkindleでよみました。
橘玲さんの本はこれまで何冊も楽しんでいますが、今回は日本社会に問題提起するじつに有意義な一冊です。
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専業主婦は2億円損をする
本で1,404円が定価の本書ですが、どうやらタイトルが刺激的すぎて相当な批判もあるようです。
タイトルだけを読んで感情的になるのはもったいないです。じつに有益な書籍です。
本書の構成は下記のとおりです。
プロローグ 専業主婦は2億円をドブに捨てている
1時限目 専業主婦はカッコ悪い
2時限目 幸福とは好きなように生きること
3時限目 賢い女子は「好き」な仕事を見つける
4時限目 専業主婦になりたい女子は賢い男子に選ばれない
5時限目 専業主婦が”愛“を失うとき
6時限目 賢い女子はニューリッチを目指す
課外授業 母子家庭というリスク
ブックガイド
あとがき
中身は極めて真っ当です。
とりわけ、2時限目と3時限目がおもしろかったです。日本社会で常識とされていることの特異性がよくわかります。
また6時限目が注目です。
「いまの社会をどう変えるか」ではなく、「この社会を前提としたうえで、どうすればいいか」を考えることの重要性を指摘したうえで、解決のための選択肢を提示してくれています。
私は清々しい読後感を得ることができました。
社会はどこかがまちがっている
そして、共感できたのはあとがきの部分です。
少しご紹介したいと思います。
20代の女子大生がこんな会話をしていたといいます。
ある日の夕方、近所を散歩していると、授業が終わったらしき2人の女子大生が前を歩いていました。
…
「わたし、やっぱり子どもほしいなあ」20歳になったばかりの女の子がいいます。「でも、子どもを産んだら、人生、終わりだと思うんだよね」
「なんで?」もうひとりの女の子が訊きます。
「子どもがいたら、いろいろやってあげたいじゃん?そうしたら、仕事するとか、自分の好きなこととかもうできないし」
彼女のなかでは、子どものいる(専業主婦の)人生と、自分のための自由な人生は二者択一なのです。
20歳の女の子にこんなことをいわせる社会はどこかがまちがっている、と思ったのが、この本を世に問うことにした理由です。
私も20歳の女の子にこんなことをいわせる社会はどこかがまちがっているように思います。
日本の問題点をクリアに指摘する論考になっています。
女性の活躍を応援する一冊
専業主婦の方はタイトルにカチンとくるかもしれませんが、読んでみればむしろ女性の活躍を応援する一冊であることに気づきます。
働き方を問うことは、自分の資産形成や家族のあり方を問うことと同義です。資産形成に切り離せない重要なテーマになっています。
少しずつ、ライフスタイルを見直すきっかけにしたいですね。