2021/08/13
積立投資をはじめるときによくわからなかったのが生活防衛資金です。
はじめての人には難しく感じるところだと思いますが、理解してみれば非常に重要なポイントです。
生活防衛資金の基本についてまとめます。
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生活防衛資金とは「万が一のときに生活を守るお金」
生活防衛資金とは、「万が一のときに自分や家族の生活を守るお金」のことです。
万が一の事態がおこったときに、いつでもすぐに現金化できるお金を別にとっておく、ということです。たとえば、リストラ、病気、大規模災害などで収入がなくなったときが万が一のときでしょう。
生活防衛資金については投資資金にまわさず、現金化しやすい普通預金などに確保しておくことになります。
積立投資は長期にわたって投資を続けることになります。そのあいだに万が一の事態に遭遇するかどうかは未来のことなのでわかりませんが、生活防衛資金を用意するかどうかで、投資を続ける日々の生活は大きく違ってきます。
なぜ生活防衛資金が必要なのか
生活防衛資金が必要な理由を自分なりにまとめると、ポイントはつぎの3つにあると思います。すべては、落ち着いて投資を続けるためです。
万が一のときに相場がいいとは限らない
これから積立投資をはじめる人は、万が一のときは投資信託を解約してお金を用意すればいいのでは?と思うかもしれません。
万が一のときに、相場がいいとは限りません。生活防衛資金を用意していない場合には、評価損を抱えているときにそのまま投資の結果を確定して、生活の資金を用意しなければなりません。まさに「泣きっ面に蜂」という状態です。
日々の値動きが気にならなくなる
生活防衛資金を用意しておくと、日々の値動きは、自分の生活にとってあまり関係がなくなります。もしも万が一の事態が生じても、投資信託を解約する必要がないと思えるからです。
生活防衛資金を用意していない場合には、万が一の事態が生じたときに相場の値動きが自分の利害に関係してきます。そうすると、万が一の事態が生じる前から、日々の値動きが気になってしまいます。
「急に売ることを考えなくていい」ことが、生活防衛資金の心理面でのプラスの効果だと思います。
リーマンショック級の暴落が突然きたとしても、リストラにあったとしても、「生活防衛資金があるから投資信託は売らなくていい」と思える金額の生活防衛資金を保有することが長期投資では重要になってきます。
結果として落ち着いて生活ができる
生活防衛資金を用意すれば、万が一のときでも生活ができるわけですから、相場がどうであろうと落ち着いて生活ができます。
落ち着いて生活ができれば、仕事や家庭にも集中できます。
これから投資をはじめる人が想像する必要があるのは、生活防衛資金がない状態で評価損をかかえているときに、落ち着いて生活ができるかという点でしょう。私には、自信がありません。
生活防衛資金の目安は?
専門家の目安は
生活防衛資金をいくら用意すればいいかは、専門家のあいだでも見解が分かれています。
生活費の3カ月分とするものあれば、2年分の生活費を生活防衛資金として用意することを勧める考え方もあります。代表的な考え方はつぎのようなものです。
一番少ない目安は、楽天証券経済研究所客員研究員・山崎元さんの見解です。著書のなかで生活費の3ヶ月程度の生活防衛資金を勧めています。
一番多い目安はインデックス投資ブロガーで、著書もある水瀬ケンイチさんです。生活費の2年分を推奨します。
その中間の見解がインデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさんです。普遍的な正解はないとしながらも、独身で健康で、賃貸暮らしで、毎月の貯蓄率が高いような会社員なら生活費3〜6ヶ月分、自営業なら生活費1年分という目安を提案しています。著書のなかでは、会社員は生活費6ヶ月分程度、自営業なら1年分程度としています。
それぞれの見解を知りたいという人は、まずはリンク先の記事を読んでみることをおすすめします。
個人的な見解は
生活防衛資金の金額は、家族構成、年齢、職種、ポートフォリオなどの違いもあり、人それぞれだと思います。家族のサポートなどが想定できて3ヶ月でも大丈夫だという人もいれば、非常事態を想定して2年が必要だという人もいるでしょう。
大事なのは、何があっても投資信託をしばらく売らなくてもいいと思える金額を用意しておくことです。そう思える金額の程度は、人それぞれです。
積立投資を実際にやってみた感覚をふまえると、個人的には、どんな状況の方であっても、最低でも1年分の生活費を生活防衛資金として用意したほうが、落ち着いて投資を続けることができるように思います。
最低でも1年分の生活費が必要だと思うのは、失業や病気の場合などは、1年の猶予期間があれば何とか生活の見通しがつくと思うからです。
たとえば、リストラの場合、失業保険があるとしても、普通の会社員が3ヶ月から6ヶ月では次の就職先を見つけるのは簡単ではないでしょう。1年という猶予期間は、万が一の事態であっても、気持ちに余裕をもたらしてくれるように思います。
理想は、2年分程度の生活費を用意できるのが望ましいでしょう。
2年でも回避できない事態が生じた場合は、それはそもそも生活防衛資金では対処できない状況というべきでしょう。いさぎよく、必要な資金を少しずつ投資信託から解約して生活していくことになります。
生活防衛資金はいくらになるか
1ヶ月にいくらあれば生活できるかを考えることが出発点です。万が一のときですので、私であれば節約生活を送ると思いますが、これも人それぞれだと思います。
仮に、1ヶ月20万円の生活費の人が2年分の生活防衛資金を用意するとすれば、生活防衛資金の金額はこうなります。
- 20万円×12ヶ月=240万円
- 240万円×2年=480万円
1ヶ月に20万円の生活費が必要な人は、生活防衛資金として普通預金などに、少なくとも480万円を用意しておきましょう、ということになります。
まとめ
生活防衛資金は、万が一のときに守ってくれるものであり、投資を続けながら落ち着いて生活するための工夫です。
積立投資をはじめる方は、最低でも1年は生活できる資金を計算して、生活防衛資金を必ず用意しましょう。理想は2年分の生活費です。生活防衛資金を用意して、それ以外の余剰資金で投資をすることが、長期で投資を続けるための秘訣です。
以上、生活防衛資金の考え方を確認!投資をするなら生活を守るお金を用意しよう…という話題でした。
参考リンク:
実際に自分は生活防衛資金を投資をスタートさせながら、同時に生活防衛資金を用意しました。「ダブル積立」という方法はいいアイディアだと思います。