2021/08/13
金融庁の報告書をきっかけに、お金について考えたいという人も増えているようです。
現役時代に資産形成に取り組んでいくことは、これからの時代に必要なライフスキルだと思います。メディアは年金問題に焦点をあててばかりで、重要な点が見逃されているように思います。
そこで、金融庁の報告書が推奨する「現役期の資産形成」の方法についてご紹介したいと思います。
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現役期の資産形成の方法
金融庁の報告書は、資産寿命を延ばす観点から、個々人が各ライフステージの留意事項を整理しています。
報告書本体は下記のリンクから誰でも読むことができます。
現役期の資産形成の方法については、報告書の37頁から述べられています。
現役期は、次のように位置づけられています。
現役期=長寿化に対応し、長期・積立・分散投資など、少額からでも資産形成の行動を起こす時期
このように、長寿化に対応するためには、現役期から少額からでも資産形成に取り組むことが必要だと指摘しています。
では、どのように資産形成をしていけばいいのでしょうか。
報告書のポイントを3つに整理してご紹介したいと思います。
早い時期からの資産形成の有効性を認識する
その1は、早い時期からの資産形成の有効性を認識するということです。
大事な部分ですので、報告書をそのままご紹介します。
現役期は、他の年代に比べて、老後に備えた準備のための「時間」を多く保有しており、これは老後に向けた資産を形成する点で、非常に大きなメリットである。保有する資産が少ない、もしくは収入が少なくても、少額からでも長期・積立・分散投資を習慣化して行うことにより安定的に資産を形成できる可能性は十分にある。多くの「時間」を保有している現役期においては、取りうる手段は他の期に比べて非常に多い。ここでは主に金融面における資産形成という観点で有効と考えられる手段を述べるが、各々の特性に応じて、副業を含めた新たな収入の確保や支出の見直しなど、取るべき手段を総合的によく吟味することが重要である。
現役期でまず大事なことは想定以上に長生きした場合でも老後に貯蓄が尽きないよう早い時期から資産形成を行うことの重要性と有効性を認識することであり、こうした認識の下、少額からでも長期・積立・分散投資の行動を起こすのに最もふさわしい時期といえる。(37頁)
文章が長いですので、端的にポイントをまとめれば、次の点が重要だと思います。
- 早い時期から資産形成を行うことの重要性と有効性を認識すること
- 少額からでも長期・積立・分散投資を習慣化して行うこと
- 副業を含めた新たな収入の確保や支出の見直しを行うこと
支出の見直しを行いつつ、早い時期から長期・積立・分散投資を行うことを推奨しています。
少額からであっても安定的に資産形成を行う
その2は、少額からであっても安定的に資産形成を行うことです。
報告書は、資産形成の留意点を次のように整理しています。
生活資金やいざというときに備えた資金は元本の保証されている預貯金等により確保しつつ、資産形成においては、
- 投資期間が長期であればあるほど、投資タイミングと投資対象を分散すればするほど、市場の価格変動に強く、収益がバラつきにくくなること。
- 自らにふさわしいリスクの程度を認識し、過度にリスクの高い投資は行わないこと。
- 市況変動に一喜一憂することなく着実に長期・積立・分散投資を継続することが、長期的な資産形成には重要であること。
- 金融サービス提供者に支払う販売手数料や信託報酬等の高低が長期投資の果実に与える影響が大きいこと。
等を認識することが重要である。(37~38頁)
大事なことは、市況変動に一喜一憂することなく着実に長期・積立・分散投資を継続することです。
そして、手数料が投資成果に影響を与えることを指摘しています。金融庁の文章ですので、金融機関にも配慮した表現になっていますね。
端的にいえば、手数料にこだわって低コストで運用することが大事になります。
自らにふさわしいライフプラン・マネープランを検討する
その3は、自らにふさわしいライフプラン・マネープランを検討するということです。
ポイントになる文章をご紹介します。
つみたてNISAやiDeCo を活用するなどして長期・積立・分散投資を続け、将来の資産を想像していく中で、自身の長期的なライフプランとマネープランも想像しやすくなっていくと思われる。そうしたプランにあわせて、自身の収入・支出の今後の姿や今後の資産形成について検討しやすくなる。(38頁)
このように、つみたてNISAやiDeCo を活用しつつ、長期的に資産形成に取り組むなかで、ライフプランを考えていくことを推奨しています。
低コストで長期・積立・分散投資
このように、金融庁の報告書が推奨する資産形成の方法を一言でまとめれば、つみたてNISAやiDeCo を活用して、低コストで長期・積立・分散投資を実践するということです。
資産形成の方法はそう難しくはありません。
間違っても、何も知らずに金融機関に相談しにいくのは避けたほうがいいでしょう。現状では、手数料の高い商品を売られてしまう可能性も高いからです。金融庁はこの報告書で現状の金融機関の姿勢を改善しようとしています。
良質な本を1冊でも読めば、誰でもつみたてNISAやiDeCoを使って資産形成をスタートできると思います。
今回の騒動をお金のことを考えるいい機会にしたいですね。
以上、話題の金融庁報告書が推奨する「現役期の資産形成」の方法…という話題でした。
参考リンク:
資産形成の方法は、良質の本を手にとれば様子がわかってきます。間違いのない本を手にとりたいですね。
資産形成に興味がでたら、「つみたてNISA」から入るのがいいと思います。つみたてNISAで低コストの商品を確実に扱っているのはネット証券です。楽天証券でカード積立をすれば1%のポイント還元になります。
iDeCoは地雷商品を扱う金融機関も多いです。金融機関選びを間違えないようにしましょう。