2021/08/13
今日、「世界の株式市場は117年間でどう変わった?」という記事に目がとまりました。
この記事は、クレディ・スイスの「イヤーブック」の内容を紹介したものです。
1899年末と2016年末の117年間で、世界の株式市場の規模がどう変わったのかがわかる比較チャートがあって、それが非常におもしろいです。
出典そのものは下記のリンクから見ることができます。今日はその一部を紹介したいと思います。
- Credit Suisse Global Investment Returns Yearbook 2017(pdf)
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目次をタップすると見出しにとびます
1899年末の世界株式市場
このチャートが1899年末の世界株式市場です。117年前の株式市場の様相です。
上位5カ国はこうなっています。
1899年12月31日
- イギリス25%
- アメリカ15%
- ドイツ13%
- フランス11.5%
- ロシア6.1%
1899年末、世界最大の規模を誇ったのがイギリスです。株式市場の時価総額で世界の25%を占めています。
15%を占めるアメリカと13%のドイツが続いています。
そして、日本は1899年のチャートには存在していません。
1899年の日本は明治32年です。明治32年の日本は、内閣総理大臣は山県有朋で、勝海舟が77歳でこの世を去った年だそうです。東京・大阪間で電話が開通したのも明治32年です。
この時代、日本はまだ世界に対して影響力が小さかったことがわかります。
2016年末の世界株式市場
このチャートが2016年末の世界株式市場です。
上位5カ国はこうなっています。
2016年12月31日
- アメリカ53.2%
- 日本8.4%
- イギリス6.2%
- フランス3.1%
- ドイツ3.1%
アメリカの株式市場が急拡大しました。20世紀中頃にイギリスを追い越し、その後、2016年末には世界の株式市場の53.2%を占めています。
この117年はアメリカの急成長の歴史なのですね。
そして、日本が大躍進したことがわかります。世界市場で第2位の8.4%を占めるようになっています。
それ以外の国々をみると、各国のメンバーや順位が入れ替わっていることがわかります。
ロシア、オーストリア、ベルギーといった国の名前がなくなり、カナダ、スイス、中国などの名前が登場しています。中国は2016年末に2.2%という状況ですね。今後どのような影響力をもつのでしょうか。
世界の株式市場は23カ国が中心
この記事のなかでは、「1990年の初めには、これら23カ国で世界の株式市場の時価総額の98%を占めた。今日も依然としてその約91%を占めている」と同社の調査チームは分析しています。
若干割合は下がっていますが、世界の株式市場の中心は23カ国です。
クレディ・スイスが指摘する23カ国とは下記の国です、
アメリカ、カナダ、オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン、デンマーク、ノルウェー、ロシア、スウェーデン、スイス、イギリス、オーストラリア、中国、日本、ニュージーランド、南アフリカ
1年や2年の期間ではどこの国が成長しているのかはよくわかりませんが、117年の歴史でみると世界各国の栄枯盛衰がよくわかります。100年単位の期間で考えると、その優劣が大きく変化するのですね。
この記事を読んで、どの国が長期的に伸びていくのかという未来を予想するのはなんとも楽しいです。世界はかつてよりグローバル化して、変化のスピードが速くなっています。
私が生きているうちに世界の株式市場はどうなるのでしょうか。アメリカがこのまま拡大していくのか、それとも他の国の躍進があるのか、どこの国が伸びるのかは私にはわかりません。
わからないので、自分のリスク許容度にあわせて、国際分散投資をして世界経済全体の発展を享受するというのが自分好みのアプローチです。
株式市場の今後を考えるうえで、非常におもしろい分析でした。
以上、117年の歴史で世界の株式市場はどう変わったのか?…という話題でした。