2021/08/13

金融庁が平成29年度の「金融行政方針」を公表しました。
インターネット上にアップされていて誰でも見ることができます。
そこに興味深い記述があったので、ご紹介したいと思います。
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長期・積立・分散投資の推進
「金融行政方針」は、金融庁の目標と方針を明らかにするものだそうです。
私は今回はじめて知りました。
興味深いのは、「Ⅳ.国民の安定的な資産形成に資する金融・資本市場の整備」というところに、「長期・積立・分散投資の推進」という項目があるところです。本体の10頁にあります。
引用して紹介したいと思います。
(2)長期・積立・分散投資の推進
家計の安定的な資産形成を進めるうえで、長期・積立・分散投資の定着を促していくことは重要であると考えられ、2018 年1月から開始するつみたてNISAを幅広く普及させるための取組みを行っていく。
投資に関心の薄い層にも資産形成を促していくためには、投資を開始するきっかけを身近な場で得られるような環境を整えることが望ましいことから、職場単位でつみたて NISA の普及を進めていく。他省庁・地方自治体、さらには民間企業における普及も視野に、iDeCo(個人型確定拠出年金)との連携を図りつつ、金融庁において職場つみたてNISAを導入する。また、積立方式での投資を契機に、投資に関心を持った層に対して身近な場で投資教育を行うことは効果的であることから、職場での活用に重点を置いたビデオクリップ教材の作成など、職場つみたてNISAの導入と連携した投資教育を進めていく。
また、つみたて NISA の普及に当たっては、スマホやタブレットを情報源とする若年世代に対しても効果的に働きかけを行うため、新たな情報発信チャネルを通じた取組みを進 めることが重要である。このため、投資初心者にとって有益な意見や情報を発信している個人ブロガー等との意見交換の場を設けるほか、ネットメディアに対しても的確に情報発信を行っていく。
この文章のなかに含まれているポイントを整理してみたいと思います。
家計の安定的な資産形成のための施策として、金融庁は次のようなことが重要であると認識しているようです。
- 長期・積立・分散投資の定着
- つみたてNISAを幅広く普及
- 職場つみたてNISAの導入
- 職場つみたてNISAと連携した投資教育
- 新たな情報発信チャネルを通じた取組み
特徴的なのは、「長期・積立・分散投資」を定着させて、つみたてNISAや職場つみたてNISAで積立投資を広げようとしているところでしょう。
また、「新たな情報発信チャネル」というところに、こんな文章があります。
投資初心者にとって有益な意見や情報を発信している個人ブロガー等との意見交換の場を設けるほか、ネットメディアに対しても的確に情報発信を行っていく
大まじめな金融庁の「金融行政方針」に「個人ブロガー」という用語が入っています。
斬新ですね。
今はネット全盛の時代です。特に若い世代はスマホやタブレットで情報収集をしています。
私も積立投資をはじめられたのは、先に歩いていたブロガーのみなさんの情報のおかげでした。私がブログを書いているのも、自分が経験したところを、どこかで参考になる人が1人でもいればいいなというのがきっかけでした。
金融庁は、個人投資家と対話をしながら、本気で「長期・積立・分散投資の推進」しようとしているのだなと思ったのでした。
今日は大阪つみップ
今日、大阪で金融庁の「つみたてNISA Meetup in 大阪」が開催されていますね。
大阪つみップは、どんな意見交換の場になっているのでしょうか。
来月には札幌でも行われます。金融庁と個人投資家双方にとって有意義な場になるといいですね。
以上、「長期・積立・分散投資」を推進しようとする金融庁の本気度…という話題でした。
参考リンク:
「つみたてNISA Meetup in 札幌」は12月9日開催です。開催の経緯などはこちらを参考にしてください。増枠した参加定員も残りわずかです。
「つみたてNISA」は、投資がはじめての人を資産形成に導く制度です。金融庁が地雷を除去してくれています。
「現行NISA」と「つみたてNISA」がありますが、はじめての人が利用しやすいのは「つみたてNISA」です。