2020/03/16

みなさんは、2018年からはじまった「つみたてNISA」を利用する予定でしょうか。
現行NISAと「つみたてNISA」は併用できませんし、現行NISA と「つみたてNISA」の相互間のロールオーバー(移管)もできません。
現行NISAを使っている人は、2018年から「つみたてNISA」を使いたいなら移行戦略を考える必要があります。みなさんはどうされますか。考えてみましたが、結構悩みどころです。
現行NISAを使っている方は、2018年から「つみたてNISA」を使いたいなら移行戦略を考える必要があります。そこで、「つみたてNISA」の移行戦略をまとめておきたいと思います。
【2018年4月2日に最新更新を反映しました。】
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現行NISAから「つみたてNISA」への3つの移行戦略
私は現行NISAで「世界経済インデックスファンド」を毎月積立しています。
現行NISAから「つみたてNISA」へ移行するにあたり、どのような戦略をとるのがいいのでしょうか。
すぐに思いつくのは、次の3つの戦略です。
現行NISAの商品を売却して移行する
1つめは、現行NISAの商品を売却して利益確定し、「つみたてNISA」に移行するという戦略です。
これがシンプルです。売ってしまえば、いつでも移行できます。
2018年から「つみたてNISA」をスタートさせたければ、今年のうちに売却を考えていく必要があります。
現行NISAの商品を特定口座に移管する
2つめは、現行NISAの商品を特定口座に移管して、「つみたてNISA」に移行するという戦略です。
移管をすれば、現行NISAの商品を特定口座で持ち続けることもできます。
ただ検索してみたら、楽天証券の場合は、移管申請は書面での手続きのようです。これが本当なら、カスタマーサービスに連絡をして、申請書を郵送してもらう必要があります。
それを知って、移管を考えるのはちょっと面倒だなと思ったのでした。
現行NISAをしばらく利用する
3つめは、現行NISAをしばらく利用するという戦略です。
現行NISAでも重要な変更がなされています。それは、現行NISA口座のロールオーバー時の上限額撤廃です。
6年目にロールオーバーする場合、利益を含めてNISA口座に繰り越しできます。
「つみたてNISA」のスタート時期にこだわらないのであれば、しばらく現行NISAを使い続けるのもひとつの戦略です。
特に、現行NISAの評価額がマイナスの人の場合は、これがいいのかもしれません。
そして、Twitterで第4の移行戦略を教えていただきました。
「つみたてNISA」の第4の移行戦略
そして、第4の戦略はこれです。
- 現行NISAの資産をそのままにして「つみたてNISA」に移行する
Twitterのコメントでたちばなさんに教えていただきました。
記事の意図を誤解していたらすみません。下記の大和総研の解説によると積立NISAと現行NISAは同時に併用は不可ですが年ごとに選択可能で積立NISAの利用を始めても現行NISAの商品は5年の非課税期間終了時まで保有可能なようです。 https://t.co/aHVIgfOeNr
— たちばな (@ryo_tatibana) 2017年6月7日
ありがとうございます。
なるほど、教えて頂いた大和総研のレポートに次のように書いてあります。
2018 年から積立 NISA の利用を開始しても、2017 年までに現行 NISA 内で購入した上場株式等については、その非課税で保有できる期間(5 年間)が終了するまでは継続して保有できる
現行NISAの資産はそのままにして、「つみたてNISA」の利用を始めることも可能なようです。その場合、現行NISAの商品は5年の非課税期間終了時まで保有可能だといいます。
ネット上で金融庁の公式見解を見つけることができませんでしたが、たちばなさんが金融機関に問い合わせて確認されています。
大和総研のレポートのとおり、「現行NISAで購入した投資信託は非課税で保有できる期間(5年)まで保有できる」とのことです。
移行戦略はシンプルに
現行NISAから「つみたてNISA」への移行戦略を考えてみたのですが、今回教えてもらった大和総研のレポートがよくまとまっています。
ですが、制度が複雑すぎて、このレポートの細かいところを読み込んでいるとだんだん具合が悪くなってきます。笑
調べて思ったのですが、積立NISAへの移行戦略は、これ以上は深く考えないほうがいいのかな…と思いました。
というのも、どのパターンが有利かは、すべては「今後の相場次第」だからです。
少なくとも、現行NISAは非課税期間が限られていますので、利益がでている段階で、自分のタイミングでいつかは売る決断をするしかないのです。
移行戦略はシンプルに考えたほうがいいと思います。
売ったタイミングがよかったかどうかは、その後の相場状況が判明してはじめてわかります。
大事なのは「足るを知る」こと
むしろ積立投資で大事なのは、「足るを知る」ことです。
そもそも、積立投資をしている人の多くは、「相場はランダム・ウォークでわからない」というのが前提のはずです。
相場がわかるのなら一括投資で自信を持ってやればいいわけですが、積立投資を選択しているのですから、「足るを知る」という姿勢を忘れないほうがよさそうです。
いろいろ考えた結果、個人的にはこれがいいような気がしてきました。
「つみたてNISA」を利用したいのであれば、現行NISAの資産については、自分がいいと思うタイミングでさっぱりと売却するか、特定口座に移管したらよい
それ以上もそれ以下もないような気がしてきました。制度にふりまわされる必要はありません。面倒なことはできるだけ少ないほうがいいのです。
「つみたてNISA」を利用した場合でも、20年後にはまた売却を経験することになります。
今回の現行NISAの売却、いい経験にしたいですね。
以上、現行NISAから「つみたてNISA」への移行戦略を考える…という話題でした。
参考リンク:
「現行NISA」か「つみたてNISA」かを迷われている方はこちらを参考にしてください。私はシンプルに非課税期間が20年と長い「つみたてNISA」を利用します。
「つみたてNISA」を便利に使うには、金融機関選びが重要です。どこの証券会社がいいかはこちらを参考にしてください。
「つみたてNISA」は、年間40万円、非課税期間20年の積立を推奨する仕組みです。長期で投資信託を積立しやすい制度を上手に使っていきたいですね。
コメント
現行NISAの非課税枠内で商品を購入できるのが2023年までなので、それまで現行NISAの非課税枠内で投資して、2024年からつみたてNISAに移行するのが一番多く非課税枠を使えるやり方だと思っているのですが、どうお考えですか?
もし、理解が間違っていたらご指摘ください。
by あつし 2017年12月1日 12:25 PM
あつしさん
コメントありがとうございます。
難しいご質問ですが、整理してみたいと思います。
まず確認ですが、現行NISAの制度は2023年まで利用できますが、利用者に与えられる非課税枠は、「それぞれ投資をはじめた年から5年間の非課税期間」です。
「それぞれ投資をはじめた年」からカウントされるということです。
https://www.nikkoam.com/files/pages/isa/pdf/nisa_kouza_gaiyo.pdf
ですので、たとえば、これまでNISAを利用しておらず、来年2018年から「現行NISA」をはじめて利用する人は、1年間の非課税枠が120万円ですので、つみたてNISAよりも「非課税枠が大きくなる」という理解もできるかもしれません。
非課税枠を大きく利用できるという意味では、これまで「現行NISA」を利用していた人が、現行NISAの資産を保持しながら、「つみたてNISA」に移行する人が、一番非課税枠を大きく利用できるかもしれませんね。
このように、非課税枠がどれくらい大きくなるように思えるかは、「スタートした時期次第」ということだと思います。
私が現行NISAではなく「つみたてNISA」にするのは、「出口戦略」と「用途」からです。
非課税期間が20年と長期なのは有利です。現行NISAの5年の場合、ロールオーバーがあったとしても、売るタイミングを考える「出口戦略」の判断がすぐにせまってきます。
用途も重要です。ETFや個別株を買いたい方は現行NISAがいいと思いますが、投資信託を積立する用途なら「つみたてNISA」のほうが資産形成しやすいと思います。
難しいのは、非課税枠が大きいからといって、資産が増えるとは限らないというところでしょうか。利益がでるかどうかは「出口」次第だからです。
私も現行NISAを利用していましたが、「つみたてNISA」を選択すると現行NISAのロールオーバーができないので、「出口戦略」を考えるのが面倒です。すべては相場次第です。ですので、私は資産形成をすっきり継続するために現行NISAについては利益がでている段階で整理しました。
現行NISAか「つみたてNISA」のどちらがいいかは、非課税枠が大きいかどうかという観点よりも、「出口戦略」と「用途」で選んだほうがいいのではと私は考えています。
参考になれば幸いです。
なるたく
by loloinvestors 2017年12月3日 11:03 AM