2021/08/13
基準価格の意味、みなさんは理解できているでしょうか。株価のように高いほうがいいと思っていませんか?
これから積立投資をはじめようとする方は、理解しておいたほうがいい点です。
インデックス投信を選ぶときに、基準価格の違いを比べたりする人もいるかもしれませんが、それは意味がありません。基準価格がインデックス投信の良し悪しとは関係がないことを確認したいと思います。
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そもそも基準価格とは
基準価格とは、その投資信託の価値を示したものです。正確な定義はモーニングスターの説明がわかりやすいです。
投資信託の「基準価額」は、投資信託が投資しているすべての資産を毎日の値段で時価評価して合算し、それに投資している株式や債券から出た利息・配当収入を加え、費用を引いて、1単位口数当たりに換算したものです。
投資信託の値段は、ファンドが運用を開始するときに一律10,000円、1万口でスタートします。通常、投資信託の基準価額は、設定日の前日を10,000円として計算されています。
インデックスファンドは、当然ながら指数に連動します。ですので、現在の基準価格の違いは、ファンドの運用開始時期の違いが大きく影響します。基準価格の違いは、運用開始時期によって大幅に異なるものなのです。
また、分配金を出すと、基準価格は下がることになります。
実際に比べてみよう
では先進国株式のインデックスファンドで比べてみましょう。
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」と「SMT グローバル株式インデックス・オープン」を比べてみましょう。
現在の基準価格
左(1番目)のニッセイが11,623円、右(2番目)のSMTが13,118円です。現在の基準価格はSMTのほうが高いですね。
これ、どう理解しますか?
高いほうのSMTのほうが運用成績がいいと理解する人もいると思います。逆に、基準価格の低いニッセイのほうが今後期待できるという深読みをする方もいるかもしれません。
でも、どちらも違います。
基準価格の推移
基準価格の推移もみてみましょう。この1年の基準価格の動きはこのとおりです。
左(1番目)がニッセイ、右(2番目)がSMTです。
どちらも当然のことながら、MSCI コクサイ インデックスという指数に連動していますので、基準価格の動きはいっしょです。
(違うのは緑の資産の推移でしょうか。ニッセイはどんどん資産が伸びていますね…。)
基準価格は設定開始時期に大きく影響しています。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド2013年12月10日の設定、SMT グローバル株式インデックス・オープンは2008年1月9日の設定です。
信託報酬の違いや分配金の有無などの要素もありますが、この両者の基準価格の違いの大きな要因は、設定開始時期の違いによるものなのです。
基準価格だけでは正直、その投信の良し悪しを説明することはできません。
基準価格ではファンドの実力はわからない
基準価格は設定開始時期の違いに大きく影響を受けており、インデックスファンドの実力は基準価格ではわかりません。
ファンドの基準価格をみてインデックスファンドを選ぶのは、正直、意味がありません。この点を理解すると、投資信託を選ぶ際の悩みがひとつなくなると思います。
積立投資をはじめるときには、この点はすっきりさせておきましょう。
以上、基準価額の高低ではインデックスファンドの実力はわからない…という話題でした。
参考リンク:
インデックスファンドの信託報酬の比較は別記事でまとめています。低コスト競争が活発になっています。
信託報酬には、額面通りのコストのほかに、隠れた運用コストが生じる構造になっています。新規設定のファンドについては、慎重に対応するのが賢い選択です。
投資信託の基本的な選び方は、こちらを参考にしてください。選ぶ指標ははっきりしています。